最終更新日:2020/11/6
脳を鍛えるためにひたすら勉強していませんか?
もしかしたら、勉強時間の一部を運動に置き換えた方が、短時間で大きな効果が得られるかもしれませんよ。
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『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学で分かった脳細胞の増やし方』という、「『運動しない』という選択肢はないな!」と思わせてくれる本を読みました。
学生の頃から30年近く運動習慣が続いている筆者(ひょしおんぬ)ですが、この本を読んで「やはり運動は脳にもいいんだなー」と改めて納得させられました。
本書では、運動が
- 学力向上につながる
- ストレス対策になる
- 不安解消に役立つ
- うつの解消に使える
- ADHD(注意欠陥障害)から抜け出す
- 依存症からの脱却
- PMS(月経前症候群)更年期障害の緩和
- アンチエイジング(老化防止どころか若返りも)
などに効くとしています。
(当然ダイエットにもなりますよ!)
これらは、筆者:ジョンJ・レイティの考えというわけではなく、実験によって導き出された科学的根拠のある効果となっています。
もう、ここまで読んだだけでも運動したくなりますよね。
というわけで、本記事では『脳を鍛えるには運動しかない!』のごく一部を要約して紹介させてもらいます。
「運動が続かないだよねー」という人は、『運動によるメリット』を理解できていないことが原因かもしれません。
本書を読んで『運動のメリット』をしっかりと理解することができれば、運動を継続するモチベーションが手に入り、運動を続けられるようになると期待できます。
<目次>
- 脳を鍛えるには運動しかない!の著者ジョンJ・レイティについて
- 運動の効果は、体より脳に効果的
- 脳の仕組みを知ることで人生をコントロールできる
- 脳細胞は増やせる
- ストレス対策としての運動
- 『不安』や『うつ』に対する運動の効果
- 老化を防ぐだけでなく逆行させる
- 人間の脳が発達してきた環境下に合わせることでバランスを保つ
- まとめ:脳を鍛えるには運動しかない!
脳を鍛えるには運動しかない!の著者ジョンJ・レイティについて
まず最初に、簡単に著者:ジョンJ・レイティの紹介をさせてもらいます。
筆者は、ハーバード大学医学部臨床精神医学准教授で、開業医としても活躍されている医学博士です。
主に精神医学と精神薬理学分野を専門とし、神経科学や感情、心理学に関する本を多数執筆しています。
1998年から毎年(2008年時点)、全米ベスト・ドクターの一人に選ばれ続ける優秀な医学博士です。
公式ページ:Welcome to John Ratey M.D. Cambridge, MA
では、さっそく内容を紹介していきます。
運動の効果は、体より脳に効果的
著書の冒頭では、
運動で爽快な気分になるのは、心臓から血液がさかんに送りだされ、脳がベストの状態になるからなのだ。私に言わせれば運動が脳にもたらすそのような効果は、体への効果よりはるかに重要で、魅力的だ。
筋力や心肺機能を高めることは、むしろ運動の副次的効果にすぎない。
と言い、運動は『体を鍛える』のではなく『脳を育てる』 ために行うべきたと主張しています(もちろん体が鍛えられるのも大きなメリットですが)
この根拠については、これから語られていくわけですが、ざっくり説明すると
- 今ではほとんど運動が不要な時代となったが、人類の歴史上では『生きていくためには体を動かしながら頭を使う』のが当たり前であったから
であり、
- 体を動かさずに頭だけ使う生活に順応できていないから
となります。
というわけで『脳を鍛えるには運動しかない!』では、運動が不要となった現代社会をどのように生きていくか、についてを教えてくれます。
脳の仕組みを知ることで人生をコントロールできる
まずは、『この本を読むことで何が出来るようになるか』を理解するために、以下のような言葉を紹介します。
自分の脳の仕組みを知っていれば人生を変えることができる。
なにか感情的な問題を抱えていたとしても、それに生物学的根拠があると分かっていれば、罪悪感を覚えなくて済むし、さらにその生物学的作用をコントロールする方法を知っていれば、無力感にさいなまれなくても済む。
悪い感情に襲われている時は「自分が悪いんだ…」と思い込みがちですが、脳の仕組みを理解していれば
「あー、あんな事故があったから気分が悪いだけか。別に俺にせいじゃないわ」
と自分を責めることなく、冷静に受け取ることができるようになります。
さらに、本書で解説している『対策』を理解していれば、そういった事態に陥ったとしても自力で脱出することが可能となるわけです。
では、その具体例をいくつか挙げていきます。
脳細胞は増やせる
誰しもが聞いたことがあると思いますが、
- 脳細胞は青年期に完成し、それ以降では減少していく一方
というのが当たり前にように語られてきました。
が、じつは脳細胞は増やすことができます。
げっ歯類での検証ですが、
回し車ひとつ置いただけで、生まれるニューロンの数に大きな変化が現れたのです。
と、ソーク研究所での検証結果が紹介されています。
ただし、ニューロンが生まれたとしても、そのニューロンを活用する作業(学習など)をしなければ、新しいニューロンはそのまま死んでしまいます。
よって、
- 運動してニューロンを増やす
- 増えたニューロンを使う(学習する)
ことで脳細胞が増える、としています。
これは、シカゴのある学区での独自の取り組み『0時限目の体育授業(早朝の有酸素運動)』によって対象校の学業成績が向上したことからも間違いないと言えそうです。
ストレス対策としての運動
『運動がストレス解消になる』というのは当たり前のように言われていますが、多くの人は
「ストレスがあるけど我慢しよう…」
と考えてしまい、なかなか運動できないものです。
しかし、『過剰なストレスは、あなたをバカにします』と聞いたらどうでしょうか?
ストレスに反応しているときに、ストレスと関係ない情報が記憶されない理由が説明できそうだ。
また、慢性ストレスのせいでコルチゾールが多い状態がつづいていると、新しい情報が頭に残らないことや、うつ病の人がものを覚えにくいことも説明がつく。
彼らはやる気がないのではない。
海馬のニューロンがそのグルタミン酸機構をフル回転させ、それほど重要でない刺激を遮断してしまうのだ。
と説明し、ストレス過多によって(ストレスとは関係ない)新たな情報のインプット等の障害が起きる、としています。
そして、この厄介なストレスは、運動で解消できます。
『脳を鍛えには運動しかない!』では、
定期的に有酸素運動をすると体のコンディションが安定するので、ストレスを受けても、急激に心拍数が上がったり、ストレスホルモンが過剰に出たりしなくなる。
少々のストレスには反応しないようになるのだ。
脳では、運動によって適度なストレスがかかると、遺伝子が活性化してタンパク質が生成され、ニューロンを損傷や変性から守るとともに、その構造を強化する。
さらに運動はニューロンのストレス耐性の閾値も上げる。
とし、運動によってストレス耐性が強化されることを説明しています。
実際にイギリスの大学の研究によると、会社の昼休みの時間を活用して運動をしたグループは、『仕事に対して前向きとなり、ストレスが減った』『生産性が高くなった』という調査結果もあります。
昼休みはグテーッとして過ごしているあなた、運動してみてはいかがでしょうか?
なお、運動の効果はストレス対策以外にも多岐にわたります。
『不安』や『うつ』に対する運動の効果
主に『不安』や『うつ』に焦点を当てた運動による効果して、
- 不安から気をそらせる
- 筋肉の緊張をほぐし不安の回路を遮断する
- セロトニン・ノルアドレナリンなどの分泌量を増加させる
- 運動による効果を実感することで不安からの立ち直りが早くなる
といった内容を紹介しています。
日々『なんとなく』不安を感じている方も多いと思いますが、運動することによって不安を解消し、『運動によって不安を解消できた』という経験をすれば、それ以降も不安に強くなることができます。
『不安』や『うつ』といった状態にあると、脳は色々な制約を受けます。
運動をすることによって、すぐにそれが解消されるわけではありませんが、運動するようにすれば、脳も動かざるを得なくなります。
まずは一歩踏み出してみましょう。
また、運動は『老化を防ぐ』というのがよく聞く話ですが、『老化を逆行させる』という実験結果も出てきています。
老化を防ぐだけでなく逆行させる
『脳を鍛えるには運動しかない!』では、
普段あまり運動をしない60歳から79歳までの人、59名を2グループに分け、6か月にわたって週に3回、1時間ずつ運動させた。
…中略…
実験の前とあとに行ったMRI検査によって見つかった。
ランニングマシンを使った人は、前頭葉と側頭葉の皮質容量が増えていたのだ。
科学者たちは、海馬の容量が増えることがあるのは知っていたが、皮質の容積が増えるというのは、神経学者カール・コットマンの言葉を借りるななら「常識やぶり」だった。
といった実験を紹介し、運動は『老化防止』だけでなく『若返り』の効果もあるとしています。
老化は、感情を乏しくしたり、認知症の原因となったりと「できれば避けたい」と思う症状が多く出てきます。
しかし、運動をすることで
- 心血管系を強くする
- 肥満を防ぐ
- ストレスの閾値を上げる
- 気分を明るくする
- 免疫系を強化する
- 骨を強くする
- 意欲を高める
- ニューロンの可逆性(脳の成長)を高める
といった、数々の効果が得られ老化から守ってくれます。
ちなみに、こういった実験結果を聞くまでもなく、身近にいる『歳のわりに若々しい人」の多くが運動している(そういう人いますよね?)ことからも間違いないと言えそうですね。
『脳を鍛えるには運動しかない!』では、これら数多くの効果が得られる根本理由を以下のように説明しています。
人間の脳が発達してきた環境下に合わせることでバランスを保つ
人間の脳が発達したのは、厳しい環境で獲物を追い、巧みに捉え、生き延びていくためだった。
わたしたちの遺伝子には狩猟採集の行動様式がしっかり組み込まれている。
従って、その活動をやめてしまうと、10万年以上にわたって調整されてきたデリケートな生物学的バランスを壊すことになるのだ。
現代人は、技術の進歩によって体を動かさなくても生きていける生活を手に入れました。
しかし、人間の歴史上ほとんどの期間では『生きていくためには体を動かす必要があった』わけです。
つまり、運動によってさまざまなホルモン、物質が分泌されることで、脳やメンタルが整えられていたわけですが、運動をしなくなった現代人は生物学的バランスが崩れていることになります。
この考え方は、最近では科学的に効果が証明されつつある『瞑想』についても同様のことが言えそうです。
『絶えず大量の情報がたれ流れされているインターネット』にスマホを通じて接続していることで、以前はあった『一人ゆるやかにすごす時間』や『ボーっと考える時間』がなくなっています。
その時間を『瞑想』という手段を用いて確保することで、
- 集中力アップ
- メンタルの安定
- 記憶力向上
などなど、脳のパフォーマンスアップにつながるわけです。
参考記事:【要約】マインドフルネス ストレス低減法
もちろん、生活様式を石器時代にように
- 狩猟のために一日中移動
- 寒空の下で生活
といったレベルにまで戻せば、生物学的にはさらなる安定を手に入れられるのかもしれませんが、それが容易ではないのは考えるまでもありません。
しかし、たった数分、数十分の『運動』『瞑想』を生活に組み込むことで、大きなメリットが得られることが証明されてきています。
今のストレス社会を生き抜くためにも、これらを活用していきたいものですね。
まとめ:脳を鍛えるには運動しかない!
ここまで記事にさせてもらった通り、生活に運動を取り入れることで、
- 学力向上につながる
- ストレス対策になる
- 不安解消に役立つ
- うつの解消に使える
- ADHD(注意欠陥障害)から抜け出す
- 依存症からの脱却
- PMS(月経前症候群)更年期障害の緩和
- アンチエイジング(老化防止どころか若返りも)
といった数多くのメリットがあると証明されています。
「どのメリットもいらない」という人は世の中には居ないと思いますので、万人にとって運動は必須の選択肢と言えそうです。
(病気等で動けない人は除きますが)
なお、『脳を鍛えるには運動しかない!』では、『それぞれの効果を得るための適切な運動(有酸素運動の強度など)』についても解説しており、求める効果を最短で手に入れる方法が書かれています。
今まで運動習慣がなく「どんな運動したらいいか分からんし…」という方は、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか。
<追伸>
筆者(ひょしおんぬ)は、基本的に在宅勤務をしているのですが、『業務開始前』や『頭が働くなってきた時』に運動&瞑想を取り入れるようにしています。
それによって『集中力向上』や『今まで浮かばなかったアイデア』を手に入れることで業務を短時間で終わらせ、家でのフリータイムを満喫できるようになりましたw
マジ感謝!!
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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以下は、本ブログの読者たちに”最も伝えたい内容”を整理した記事です。
筆者はこの記事で紹介する本たちの力によって、大きな資産を手に入れ、セミリタイア計画を遂行出来ています。
本ほど『低いコストで大きいリターンが得られる投資(人生を豊かにするもの)』は他にはありません。
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