「問題を読むことができない○×クイズにチャレンジするのであれば、クイズに答えれば答えるほど参加費がかさんでいく」
これが、著書『敗者のゲーム』のいわんとしていることです。
私は年間100冊程度の本を読んでいますが、
- 『敗者のゲーム』を超える投資本はない。
と確信し、すべての投資初心者に『敗者のゲーム』を読んで欲しいと思っています。
しかし、
- 『敗者のゲーム』は投資初心者にとって難しい本である
という大きな問題があります。
それどころか、投資歴が15年ほどある私からしても「敗者のゲーム…、難しいよ…」と思うところが多々あります。
というわけで、少しでも多くの方に『敗者のゲーム』が伝えようとしている内容を、この記事で誰にでも分かるように超要約して紹介しようと思います。
『敗者のゲーム』をしっかりと読み、ちゃんと理解している人から叱られそうな内容になってしまった気はしますが、そうではない方の学びになることに期待し、この記事をお送りしていきます。
<目次>
- 敗者のゲームを「難しい」と思う人に向けた超要約
- 正解の分からない○×クイズに、手数料を支払って参加し続けるな
- これからどんなクイズが出されるのか分からない
- お金が増える可能性が高い会場なのであれば、できるだけ多くの会場に参加せよ
- まとめ:敗者のゲームを「難しい」と思う人向けに超要約しました
敗者のゲームを「難しい」と思う人に向けた超要約
まずは、『敗者のゲーム』で最も理解しなければならない事実から。
これが冒頭で書いた
「問題を読むことができない○×クイズにチャレンジするのであれば、クイズに答えれば答えるほど参加費がかさんでいく」
という内容です。
投資をしていると、
- 暴落などの予期せぬ事態に遭遇し「なんとかしなければ…!」とあせる
- いまの儲けだけでは満足できずに「もっと儲けるのだ!!」とさらなるリターンを求める
と、『現状を超えようとする衝動』に襲われることが頻繁にあります。
しかし、この状態で『何かをする』ことは『問題を読むことができない○×クイズの正答率を上げようとする』ことと同じく、何の意味もありません。
むしろ、クイズにチャレンジすればするほどに参加費がかさみ、お金は減っていく一方です。
この点は株式投資においても同様で、
- 「もっと儲けよう」と工夫したところで、状況が好転する可能性は低い
- むしろ手数料を取られ、お金が減っていくだけ
という結果を招くことが『敗者のゲーム』で証明されています。
もちろん、これだけ書かれても
「株式投資が、なんで問題が空白のクイズと同じなの?」
「勉強したら勝率って上がるんじゃないの?」
などなどの疑問があるかと思いますので、詳しく解説していきます。
正解の分からない○×クイズに、手数料を支払って参加し続けるな
まずは『チャレンジすればするほどに、お金が減っていく』についてです。
上で書いた『正解の分からない○×クイズ』とは、つまり『誰がチャレンジしても正答率50%のクイズ』ということです。
これに正解すれば1万円もらえ、不正解であれば1万円支払うことになります。
ただし、参加手数料として1回100円支払う必要があります。
正答率が50%の○×クイズに繰り返し答えていれば、一時的にお金が増えたり、減ったりすることはあっても、数十回、数百回と繰り返していれば、『ほとんどお金が増減していない』という結果になります。
しかし、これは『手数料を支払っていなければ』という条件付きです。
つまり、
- クイズに何十回・何百回とチャレンジしていると、手数料の分だけお金が減っていくことになるため、やればやるほどに損をする
わけです。
これは投資についても言えることで、
- 株を買ったり、売ったりすることたびに手数料を支払うので、やればやるほどに損をする
と言えるわけです。
とはいえ、
「正答率が50%ならそうなんだろうけども、ちゃんと勉強したら勝率を上げられるはずだ」
というツッコミもあるでしょう。
しかし、そうはならないのです。
というのも、
「これからどんなクイズが出されるのか分からないまま、〇× を選ばなければならないため、どうあがいても50%の正解率にしかならない」
という問題があるためです。
これからどんなクイズが出されるのか分からない
投資界隈には、才能があり努力のできる天才ばかりが集まっています。
というのも、投資で成功をすれば圧倒的なリターンを手に入れることができるためです。
そして、いまの株価は、そういった人々が考え抜いた結果です。
というのも、『少しでも儲けられそうな株』があれば、すぐにでも投資家たちが見つけ出し、適正な価格に上がるまで買われるためです。
よって、
- 『割安な株』なんてものは存在しない
と言えます。
これを言い換えると、
- どこに投資をしたところで、勝率は同じである
と考えることができます。
とはいえ、あたり前ですが、
- A株に投資していたら儲かった
- B株に投資したら損をした
と、投資先によって『儲かった』『儲からなかった』の差が生まれているのも事実です。
『どこに投資しても同じ』であるならば、これはおかしなことでしょう。
しかし、これは
- 買った後に、予期していなかった『何か』が起き、それが株価を動かした
と考えられます。
例えば
- 10月10日時点では、株価=100円が正解であるA社の株を買った
としましょう。その後、
- 10月11日に、A社にとって有利な情報が発表されたので、株価=120円が正解となった
というケースでは、『10月10日の投資は成功した』ということが言えます。
反対に、
- 10月11日に、A社にとって不利な情報が発表されたので、株価=80円が正解となった
というケースでは、『10月10日の投資は失敗した』となるでしょう。
つまり、
- 投資で成功できるかどうかは、10月10日時点で、10月11日(未来)にA社にとって有利・不利どちらの情報が出てくるか?にかかっている
と言えます。
しかし、
- 未来にどんな情報が出てくるかを予想することはできない
- また、予想できるような情報であれば、その情報が発表される前に投資家たちが察して、動き出している
と言えます。
というわけで、
「これからどんなクイズが出されるのか分からないまま、〇× を選ばなければならない」
という問題にぶち当たるわけです。
つまり、ここまでをまとめると、
- ○×クイズに参加するためには、手数料を支払わなければならない
- しかし、○×クイズの内容を聞くまえに、回答しなければならない
- よって、○×クイズに参加すれば参加するほどに、お金が減っていく
ということになります。
これが株式投資です。
と、ここまで聞くと「株式投資なんてやるべきではない!」となってしまいますが、そうではありません。
『○×クイズ』は『株の売買』の例えだったので、
- 売買をすればするほど損をする
という結論であることに変わりはありませんが、株式市場は
『クイズにチャンレジしてなくても、その会場に参加しているだけで儲けが期待できる』
という特徴があるからです。
お金が増える可能性が高い会場なのであれば、できるだけ多くの会場に参加せよ
株式市場というクイズ会場には、クイズに答えるだけでなく、
- その場に参加しているだけで、お金が減ったり増えたりする
という仕組みが導入されています。
また、このクイズ会場はいくつも存在しており、
- 最悪お金がすべて消えてなくなることもあるが、最大では1年間でお金が10倍に増えることもある
- すべてのクイズ開場のリターンを平均すると、年間でマイナス50%~プラス30%くらいになる
- どの会場でどれだけのリターンが期待できるかは、完全にランダムである
- ただ、すべての会場の20年以上の儲けを平均すると、年間でプラス5%くらいになる
と設定されています。
そんな環境において
「あなたは、一つの会場だけに参加することもできますし、複数の会場に参加することもできます。」
と問われたとすると、どうしますか?
ひとつだけの会場に参加すれば、最悪で掛け金がゼロに、最高で10倍にまでお金を増やすことができます。
すべての会場に参加すれば、平均して年間5%ほどお金を増やすことができます。
そして、『敗者のゲーム』では後者をススメています。
株式投資も上の例と同じように、
- ひとつの企業だけに投資すると、すごく儲かるかもしれないし、すごく損するかもしれない
- 多くの企業に投資していれば、すごく儲かるコトがなくなるけど、すごく損することもなくなる
- 数十年単位で多くの企業に投資していれば、年間数%くらいのリターンが期待できる
という性質のものです。
投資に『ギャンブル性』を求めているのなら、少数の企業に集中投資した方がスリルを楽しむことができるでしょうが、
- 『お金を増やしたい』と思っているのであれば、例え小さくても『高い確率』でリターンが手に入る方法を選ぶべきである
と言えるでしょう。
そして、
- 『高い確率でリターンが手に入る方法』=『多くの企業に投資する』が、敗者のゲームで推奨している『インデックス投資』
というわけです。
つまり、インデックス投資を使えば、『どこに賭ければいいか』が分からないハイリスクな株式投資においても、長期的にはリターンが期待できると、敗者のゲームでは説いているわけです。
まとめ:敗者のゲームを「難しい」と思う人向けに超要約しました
といった感じで『敗者のゲームを”難しい”と感じる人』をターゲットにして超要約をしてまいりました。
まとめると
- 正答率50%のクイズに参加費を払うのであれば、チャレンジすればするほどお金が減っていく
- クイズの内容は、『未来』に発表されるので、正答率を上げることはできない
- ハイリスク・ハイリターンな会場が多くあるのであれば、できるだけ多くの会場に参加することで、安定的なリターンが期待できる
といった感じになります。
これを1文でまとめると、
「問題が空白の○×クイズにチャレンジするのであれば、クイズに答えれば答えるほど参加費がかさんでいく」
となりました。
もちろん、特別な才能があったり、血のにじむような努力をすることで、『○×クイズの問題』を事前に予想し、正答率を50%以上に引き上げられる人も存在しています。
しかし、残念ながらほとんどの人はそこまで達することは出来ません。
これはプロの投資家においても同じことだと、敗者のゲームの著者:チャールズ・エリスの調査によって判明しています。
もし、株式市場にチャレンジしていくのであれば、それを理解し、それなりの覚悟をもってチャレンジしましょう。
そして、そのチャンレジに失敗したのであれば、『インデックス投資』を検討することをおススメします。
なお、こちらの記事では、敗者のゲームをより詳しく解説していますので、興味があればチラっとのぞいていってください。
また「直接本を読んでみたい」という方はぜひチャレンジしてみてください。
すべて読み切ろうと思うと、結構ハードルが高く、時間も取られることは確かですが、それ以上に学びがあることは保証いたします。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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