以前も紹介した「バンガード運用者、パッシブ投資で巨額利益-債券投資の革命を主導」という記事に、
3月の銀行破綻を受けて債券相場が歴史的な上昇を演じた時、バンガード・グループのジョシュ・バリックマン氏を上回る利益を上げた人はほとんどいなかった。
バリックマン氏はシリコンバレー銀行(SVB)の破綻も、クレディ・スイス・グループの救済合併も予想していなかった。
米金融当局の次の行動についても、他者と共有したいと考えるほどの自身の見解はない。
という良い言葉が書いてあったので、改めて紹介。
このバリックマン氏は、インデックスファンドの運用者なので『投資で儲けた』わけではありませんが、インデックス投資にも似たようなことが言えます。
私はインデックス投資をはじめて6年になりますが、およそ1500万円程のリターンを手に入れました。
このリターンを手に入れるために、何かしらの予想を当てたわけでもないですし、他に人にないような戦略を持っていたわけではありません。
ただタンタンと、インデックスファンドのバイアンドホールドを続けているだけです。
資本主義社会は、基本的には『能力を発揮した人が大金を手にし、能力のない人は貧困に落ちる仕組み』となっているはずですが、インデックス投資では『能力のない人でも大金を手に入れられる仕組み』となっているようです。
(『忍耐力』や『鈍感力』的な能力はあった方が良いですが…)
これ「チートなんじゃないの?」と思うほど凄いコトだと私は思うのです。
もともと、
- 投資とは、有望な投資先を見つけてそこにお金を託す行為
であるため、『有望な投資先を見つける能力』がなければリターンが期待できませんでした。
しかし、『投資は儲かる』という認識が広まることによって『能力のある人』が市場に集まるようになりました。
市場にいる人々が『能力のある人』ばかりになると、
- 大きなリターンが見込める投資先は割高となる
- あまりリターンが見込めない投資先は割安となる
と、市場が『効率的市場』に近づいていくことになります。
これによって、極端に言ってしまうと『どこに投資してもリターンに大差はない』とも言えるような状況となってしまいました。
ここで、
- どこに投資してもいいんだけど、投資先が少ないと不測の事態によって大ダメージを負うコトになるので、広く薄く投資しよう
と、分散投資≒インデックス投資なるものが有効なものとなり、これを活用することで『能力のある人と互角以上に戦える』ようになりました。
そして、この『分散投資≒インデックス投資』をするためには、個人の能力は必要ありません。
整理すると、
- 『能力(選定眼)があれば、投資によって大金を儲けられる』ということが周知されていった。
- 才能もあり、努力もしているアクティブ投資家ったちが集まり、『効率的市場』が作り上げられた。
- それによって、アクティブ投資で市場平均を超えるリターンを手に入れることが難しくなった。
- コストを抑えたまま市場平均を狙えるインデックス投資が、アクティブ投資に並べる(勝てる)ようになった。
- なんの能力もない人でも、インデックス投資を活用すればそこそこ儲けられるようになった。
といった感じでしょうか。
インデックス投資家にとってのバイブル的存在である『敗者のゲーム』では、
個人投資家が市場の90%であった1960年代には、プロの投資家のリターンが市場平均を超えていた。
といったことが紹介されています。
『個人投資家が市場の大半をしめていた』ということは『インデックス投資によるリターンは、個人投資家の平均的リターンに近しいものとなる』と考えられます。(当時インデックス投資なるものは無かったかと思いますが)
つまり、
- 1960年代は、インデックス投資するよりも、高コストを支払ってでもアクティブファンドに賭けたほうが良いリターンが期待できる(かもしれない)時代であった
というわけです。
それが今や
- 低コストなインデックス投資をしていれば、平均的なアクティブファンドを超えるリターンが期待できる
なんていう時代になってしまいました。
いや~、良い時代に生まれてきたなぁ…。
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