ヴァンガードから『米ドルが基軸通貨のリーダーであり続ける理由(Why the U.S. dollar remains a reserve currency leader)』的な記事が公開されていたのでご紹介。
アメリカ株式にだけ賭けている投資家の中には、『米ドルが世界の基軸通貨である』ことを根拠の一つとしている方もいるかと思いますので、
- 米ドルが基軸通貨である理由
- 米ドルがいつまで基軸通貨でいられるのか
を確認できればと思います。
米ドルが基軸通貨である理由
バンガードの記事では、現時点で基軸通貨である理由を以下3つあげています。
- アメリカは強力な主権国家(世界でも我を通せる)であり、持続的な経済成長を実現していること。
- アメリカの政府と制度は国際社会から信頼されており、安定性があると考えられていること。
- すでに基軸通貨として利用されている米ドルから、別の基軸通貨に切り替えることが困難であること。
適当にまとめると、
- 経済的に強いし、政治は安定しているし、すでに使っているから惰性で。
といった感じですね。
過去には、
- ユーロ誕生時
- 中国の世界的な台頭
といったタイミングで「米ドルが基軸通貨でいられなくなるかもしれない」という議論が沸騰しましたが、現在でも米ドルが世界の基軸通貨であり続けています。
米ドルがいつまで基軸通貨でいられるのか
とはいえ、過去数十年間のあいだに少しずつではあるもの、基軸通貨としての地位を失ってきているのも事実です。
その要因は、グローバル化と世界経済の発展にあります。
世界経済は強く成長しており、これはアメリカの経済成長を上回る速度です。
そのため、世界中からの米ドルの需要にアメリカ経済が追い付かなくなりつつあります。
実際に、世界での取引は、
- ユーロ
- 日本円
- 英ポンド
- 人民元
などに移行しつつあります。
現時点で世界で使われている通貨の割合は、以下の通り半分以上が米ドルですが、
以下グラフにて推移を確認すると、ゆるやかではあるものの『米ドルが地位を失いつつある』ように見えます。
この傾向がこのまま続くかどうかは分かりませんが、近い将来、米ドルが基軸通貨でなくなる可能性はありそうです。
例えば、
- 引き続き世界経済がアメリカ以上に発展し、米ドルの優位性がなくなる。
- これは非常に現実的なシナリオでしょう。
- 中国、ロシア、インドなどを中心に、米ドルからの脱却を促進する。
- 2023年7月のSCO(上海協力機構) では、「国際市場における自国通貨の使用拡大はより真剣に検討されるべきである(米ドルじゃだめだ)」との発言がありました。
- アメリカの政治・経済に置き、アメリカが世界からの信頼を失う。
- 超格差社会の問題、トランプ大統領の誕生など「ない」と言い切れなくなっているように感じます。
といったことが考えられます。
というわけで、
この先どうなるか正確に言い当てることはできませんが、少しでも心配する気持ちがあるのであれば、アメリカ株式一択よりも、オルカンに代表される全世界株式をメインの投資先としても良いかもしれませんね。
何が起きても『自分の行ったアメリカ一択という選択』にゆるぎない自信がもてるのであれば心配いらないかもしれませんが、この記事を読んで「本当にアメリカ一択でいいんだっけ?」と少しでも思ったのあれば、再考してみることをお勧めします。
また、同様に「株式だけでいいんだっけ…?」と思う気持ちが少しでもあるのならば、
- 現金を増やす
- 債券・コモディティへも分散投資する。
などの対策を考えてみても良いかもしれません。
『何が起きても焦らないポートフォリオ』を構築し、世界情勢に影響されることなく、のんびりと長期投資していきましょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
------
あなたのクリックが本ブログの評価を決定します。以下バナーをクリック頂けると嬉しいです。よろしくお願いします^^
ツイッターでは記事の公開を通知したり、投資に関係するニュースを取り上げたりしています。よろしければフォローをお願いします!