投資家の間では比較的に『現金』の評価は低いですが、
「状況に応じてキャッシュの量をコントロールしてね!」
というバンガードの記事があったのでご紹介。
それがこれ。
キャッシュは、株式のように価格が下落することがない(価値は変わるけども)代わりに、株式のような大きなリターンをもたらすこともありません。
いわゆる『安定的な資産』です。
よって、
「お金が増えなくてもいいけど、減るのはイヤだ!」
と考えているヒトにとっては『わりと良い資産』と言えるのですが、一部で軽視されすぎているようにも思えるので、紹介することに。
ちなみに、ここで言っているキャッシュとは現金のことではなく、
- 流動性が高く
- 市場リスクが最小限で
- 満期が3か月未満の短期金融商品
を指しています。
バンガードの記事では、投資家が持つべきキャッシュの比率を、
- リスク許容度
- 期間
- 目標金額達成のレベル
の3つの要素から考えるべきとしています。
例えば下のようになります。
(1)退職後の生活費調達を目標としている50代労働者
この人物は、
- リスク許容度:現役の労働者であるため、投資資産の価格変動に耐えられる。よってハイリスク・ハイリターンな資産を組み込むことができる。
- 期間:いったんの目標は『退職日』ですが、退職後も長期運用になる可能性が高いため、高いリスクを取ることが可能。
- 目標金額達成のレベル:現時点で退職後の資金をほとんど調達できておらず、キャッシュによる無難な運用では目標達成が難しい。
という状況にあるため、ポートフォリオ内に多くのキャッシュを持つ必要はありません。
(2)『予期せぬ出費への備え』と『18か月後の住宅購入の頭金を貯める』ことを目標としている労働者
この人物は、
- リスク許容度:『予期せぬ出費への備え』ができておらず、高いリスクを取ることは難しい。
- 期間:『18か月以内に頭金を貯める』という短期目標があるため、値動きの大きい資産は適さない。
- 目標金額達成のレベル:現時点で目標としている頭金に近い金額を確保できているため、ハイリスクな資産に手を出す必要性は低い。
と、短期的な目標があり、かつその達成も間近であるためにキャッシュでの貯蓄が適しています。
完全なる感想ですが、この(2)のような『短期目標があるケースにおいて、どういったアセットアロケーションが適しているのか』が語られることは少ないように感じます。
しかし、人生では
- 住宅や自動車などの購入
- 出産
- 子供の養育費(入学費など)や結婚祝い
- 独立・起業
などなど『この時期までに○○万円必要』という目標を持っていることがあります。
『可能な限り、ポートフォリオ内での株式比率を高くしておく』ことによって、期待リターンを大きくすることは可能ですが、『なんのためにお金を増やそうとしているのか?』も意識しつつポートフォリオを組めるといいですね。
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話は少々変わりますが、『cash』という英単語の意味が
- 現金
- すぐに現金化できる低リスクの商品(MMFなど)
のどちらでもあるというのは面白いですね。
日本だと、こういった『すぐに現金化できる低リスクの商品』はマイナーなものかと思いますが、海外の記事を読んでいるとよく登場してきます。
もしかしたら、現金と同じくらい『すぐに現金化できる低リスクの商品』が一般的なのかもしれませんね。
これが日本でももっと広がれば、多くの人のマネーリテラシー向上につながり、ひいては株式投資も一般的になるんではないかと思います。
しかし、国内の短期債は地味すぎるし、海外のだと為替リスクはあるし、なかなか広がることが予想できない…。
インフレ率が上昇し、金利も上昇、それによって国内MMFに活気が出ることを祈りつつ、この記事を終わりにしようと思います
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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