スパコンSEが効率的投資で一家セミリタイアするブログ

投資のリターンを0.01%でも上げるための情報を紹介しつつ、子持ち夫婦がインデックス投資”だけ”でセミリタイアするまでの過程を公開

リバランスはしない

まともな人の多くは、

「資産の割合を決めて、定期的にリバランスしよう」

とアドバイスをしています。

 

『敗者のゲーム』のチャールズ・エリスや、『ウォール街のランダムウォーカー』のバートン・マルキールのような投資の歴史に名が残るような偉人だけでなく、日本の著名なインデックス投資インフルエンサーたちの多くがそうです。

 

しかし私はリバランスをしていません。

それは、

  • 資産分散を『比率』で考えていないため、リバランスする必要がない

からです。

 

この記事では、読者さんから「スパコンSEさんはリバランスはされないのですか?」という問い合わせをいただいたので、自分の考えの整理もかねてここで回答させて頂きます。(メールありがとうございました!)

 

<目次>

 

リバランスってなんだっけ?

まずは『リバランス』について整理しておきましょう。

  • リバランスとは、資産の分散比率を事前に決めておき、その比率から大きくはずれたときに資産を売買して比率を元にもどす行為

で、定番は『安定資産○○%、リスク資産○○%』という二分のルールで、具体的には

  • 債券30%、株式70%
  • 現金10%、債券10%、株式80%

のような感じになります。

 

リバランスによる主な目的は

  • 『高くなった資産』を売り、『安くなった資産』を買うことによって、リターンを大きくする
  • 『リスク資産』が大きくなりすぎ、資産のボラティリティ(値動き)が大きくなることを防ぐ

の2点です。

 

『リターン狙い』に関しては、「そういう時もある」というだけで、私は

  • 長期的には期待リターンの大きい株式だけ持っていればOK

と考えているタイプなので、考える余地はさほどありません。

 

しかし、『ボラティリティを小さくする』にちいては、検討しなければならない要素だと考えています。 

 

ボラティリティを小さくするためのリバランス

例えば、

  • 『株式100%』の分散比率にしていた場合、『株式市場が50%暴落したケース』に遭遇すれば、総資産も50%減る
  • 『現金50%、株式50%』の分散比率にしていた場合、『株式市場が50%暴落したケース』であっても、総資産は25%しか減らない

と、安全資産の比率が高ければ高いほどに、市場の暴落によるダメージが小さくなります。

 

『暴落による資産減に驚いて、リスク資産を売ってしまう』というのは、投資において『最悪の行為』の代表でありつつも、『多くの人がやってしまう行為』でもあります。

よって、

  • ダメージを小さくすることで、”逃げ”という最悪の行為を避けられるようにする

という大きなメリットがあります。

 

ただし、安全資産の多くは『お金を(あまり)生まない資産』なので、

  • 安全資産の比率を高めれば高めるほど、期待リターンは小さくくなる

ということでもあります。

 

よって、この観点からは

  • 暴落による資産激減が恐ろしくないのであれば、安全資産を持たなくてもよい

と言えます。

 

しかし、

「暴落したってリスク資産を売るつもりはないから、安全資産なんていらない」

という言葉を口にするコトは簡単ですが、『多くの人が売り逃げることによって暴落が起こる』のも事実です。

そもそも「暴落したって逃げ出さない」が簡単に実行できるようなら、暴落なんて起こりません。

 

つまり、

  • 『多くの人が逃げ出している市場から、自分だけは逃げ出さない』というのは想像以上にむずかしい

ということが言えます。

 

よって、

  • 『最悪の行為』を避けるためにも安全資産・リスク資産の比率を決めておき、その比率から大きく外れてしまった場合にはリバランスするべし

というアドバイスが、ほとんどの投資家にとっての『ノーマルなアドバイス』であると、私は思います。

 

しかし、私はそれをしていません。

 

資産を比率で考えていない

というのも、私は『現金を200万円、残りを株式』という資産の持ち方をしているからです。

つまり『資産の総額に応じて、安全資産・リスク資産の割合が変わる』運用をしており、『リバランスが必要になることがない』ことになるわけです。

 

私は

「少しでも早くセミリタイアしたい」

「そのためには、できる限り多くの資金を株式に投資しなければならない」

「よって、生活に必要な現金以外はすべて投資するべし」

と考えています。

 

そして、それを実現するために『現金を200万円、残りを株式』というルールを採用しているわけです。

 

しかし、このルールによるリスクはかなり大きいです。

 

例えば、このルールを採用している人の資産が5200万円(現金200万円、株式5000万円)という状況にあったとき、『株式の60%の暴落』に遭遇すると、資産が3000万円減る(現金200万円、株式2000万円)ことになります。

 

実際に、リーマンショック時にはこの程度の暴落をしており、歴史的にも『数十パーセントの暴落』はそう珍しいものではありません。

人生100年時代と言われる昨今において、多くの人が生涯で何度も遭遇するレベルでしょう。

 

そんな『よくある暴落』ですら、これに耐えられずに退場してしまう人は多いです。

新型コロナウィルスによる『たった30%程度の下落』ですら、多くの人が退場していきました。

 

しかし、私は『41歳でセミリタイアという普通ではない目標』を持っているため、

「普通の人が耐えられないようなリスクも負わなければならない」

と考え、『現金を200万円、残りを株式』というルールを覚悟をもって採用しているわけです。

 

また、私は投資歴が15年以上あり、『市場の暴落』や『投資による大失敗』をなんどもなんども経験してきましたが、『それでも市場に残り続けて資産を増やしてきた』という経験があります。

その経験のおかげで「また暴落があっても逃げ出すようなことはないだろう」という自信を身に付けています。

 

だからこそ『現金を200万円、残りを株式』というかなりのリスクをとったルールが採用できているわけです。

 

とはいえ、これは万人にお勧めできるわけではないので、もしも私が「え?一生働くけど?」と考えていたと仮定してたケースで採用しているであろうルールを考察します。

 

もしセミリタイアを目標としていないなら…

恐らくは、

  • 現金200万円、(現金を除いた資産のうち)安全資産を30%、株式を70%

なんて感じにするでしょう。

 

安全資産には

  • 債券(eMAXIS Slime 先進国債券インデックスなど)
  • 物価連動型の個人国債
  • 財形貯蓄
  • 貯蓄型の生命保険

などが含まれています。

また、『老後専用』にもなりますが、

もかなり優秀な安全資産なので、活用しているでしょう。

 

『貯蓄型の生命保険』は投資家に忌み嫌われているような印象もありますが、

  • 安全資産のひとつとして節税効果の範囲内で活用すれば『貯蓄型の生命保険』は非常に有効である

と私は考えています。

 

また安全資産の代表格とも言える『現金』ですが、

  • 『現金』はお金を生み出さない
  • 『額』は目減りしなくても、『価値』はインフレによって目減りする
  • しっかりと分散した債券であれば『安全資産』に含めてもよいレベルのリスクしかない(と考えている)

の3点から、「現金よりも、お金も生む債券の方が良い」と考えて採用しません。

 

債券をちょっと詳しく紹介

んで、その債券ですがリーマンショックの時に(債券インデックスにもよりますが)先進国債券は15%くらいの下落をしていました。

 

「”安全資産”と言うくせに結構落ちているな~」と思うかもしれませんが、リーマンショック級の暴落を想定し

  • 5000万円の資産をもっており『株式が60%下落』『債券が15%下落』したケースを想定
  • 安全資産を『現金』にしているケース、『債券』にしているケース、それぞれで試算

して比べてみると、

  • 株式70%、現金30% → 2900万円
  • 株式70%、債券30% → 2673万円

となり、私としては「現金でも債券でも、そんなに心理的ダメージは変わらないかなぁ」という感想を持ちます。

 

また、安全資産・リスク資産の割合を変えても

  • 株式50%、現金50% → 3500万円
  • 株式50%、債券50% → 3125万円

と、印象はそれほど変わりません。

 

よって、

「多少リスクは上がるけど、少しでもリターンが狙える債券でいいや」

と考え、『安全資産には債券を採用』としました。

 

しかし、債券を対象とすると、気にしなければならないポイントとして『為替』がでてきます。

 

為替は無視

海外の国債への投資比率が高い状態で円高が進むと、いっきに資産額(円ベース)が減少します。

これは、株式についても同じことです。

 

しかし、私はこれを無視しますw

 

それは、

  • 為替は、株式のように一方方向に進み続けるものではないため
  • 先進国の為替であれば、それほど激しい値動きはしないため
  • 円高になれば輸入品の価格が下がるので、安い海外産を活用することで生活費を下げることができるため
  • 耐えられないほどの円高になったら海外移住すればいいため(かなり極端ですが…)

という理由からです。

 

…なーんてことを書きましたが…、これを書きながら

「私は為替のことを軽視している傾向にあるな~。」

と思ってしまったのも事実です。

 

例えば、

  • 世界の株価が60%下落
  • 円が30%下落

といったことが同時に起きると

  • 世界株式に投資していた資産が、円ベースで72%減少

なんてことになるわけで、「無視するには少しばかり影響が大きい」と思ってしまいました。

 

というわけで、株式と比べて『為替は比較的に安定している』とはいえ、もっと真面目に勉強せねば、と反省しました。

 

最後に

と、少しばかり不安を残す内容となってしまったかもしれませんが、「これくらいでちょうど良い」とも思っています。

 

というのも、どれだけ用意周到に準備をしたところで、「これで100%何が起きても対応できる!」なんて状況を作り出すことはできないためです。

 

例えば、余裕でFIREできるだけの資産を作ることに成功していたとしても

  • 急激に世界人口が減りだして、経済(株価)が一気に下降する
  • シンギュラリティに到達し、すべての人類が働く必要がなくなる
  • 宇宙人がやってきて地球人を奴隷にする
  • 勢い余って核戦争が勃発する
  • 猫を助けてトラックにひかれる

なんてことが起き、これまでの貯蓄がまったく役に立たなくなることだってありえるわけです。

 

なので、「これで多分大丈夫だろう」という域にまで到達したら「想定外の何かがあったら、その時々に応じて頑張ろう」と割り切ってしまうことも大切ではないかと私は思います。

 

先が予想できないのは投資だけではありません。

 

よって、

  • 『完璧』を求めずに『そこそこ』で妥協しながら投資していくしかない

と、私は思います。

 

これはリバランスについても同じで、

  • どれだけ計算しつくされた資産分配にして、きっちりとリバランスをしていたところで、想定外の事態を回避することはできない

と言わざるを得ないため、多少アンバランスであろうとも『本人が納得できるルール』を採用するのが一番ではないかな~、と思うのでした。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

スポンサーリンク

 

 ------

あなたのクリックが本ブログの評価を決定します。以下バナーをクリック頂けると嬉しいです。よろしくお願いします^^

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ にほんブログ村 株ブログへ

 ツイッターでは記事の公開を通知したり、投資に関係するニュースを取り上げたりしています。よろしければフォローをお願いします!

PVアクセスランキング にほんブログ村