JPモルガンから、今後10~15年の平均リターン予想が公開されました。
代表的な株式の(ドルベースの)リターン予想はこんな感じ。
青色グラフは『2023年に予想した今後10~15年のリターン』で、
黄色グラフは『2022年に予想した今後10~15年のリターン』です。
(予想です)
(『2023年のリターン』ではないので要注意)
リターン順に書き出すと
- ユーロ圏 :10.5%
- 日本 :10.4%
- 新興国 :10.1%
- 英国 : 9.1%
- 米国大型株: 7.9%
という予想となっています。
(日本のSNS界隈では)人気の無い日本株式が2位で、大人気の米国大型株が再開という面白い結果となっています。
実際に、IMFによる予想でも日本の成長率をかなり高く見積もっています。
日本にいると「日本オワコン」みたいな声をよく聞きますが、JPモルガンやIMFといった世界的な機関からすると、そうではないようですね。
(どちらが信憑性が高いのか、比べるまでもないでしょう)
2022年時のリターン予想と比べて2023年のリターン予想が大きくはねあがているのは、シンプルに『株価が下落したから』です。
JPモルガンは「2022年時点で世界株は割高であり、持続不可能な利益率で取引されていた」と言い、昨今の下落によって「追い風が吹くようになった」とレポートしています。
ちなみに円ベースによる、予想はこんな感じになっています。
来年は円高が進むと予想されてため、円ベースのリターンは2.5%ほど落ち込むことが予想されています。
で、JPモルガンのレポートでは株式に限らず色々な観点から市場予想を立ていますので、要点だけをかいつまんで書いておきます。
- 政策金利はすでに正常な値になっている(十分利上げしたでしょう)
- 短期的には景気が後退するリスクがあり、投資家にとって厳しい風がふくこともあるだろう
- 金利の上昇によって、『資本(投資に向かうお金)』が減少しており、『投資対象として選ばれる勝者』と『敗者』に分かれる可能性がある
- 株価の下落と債券利回りの上昇によって、過去10年で最高の買いタイミングとなっている
- 債券利回りの上昇によって『株式60%、債券40%』という伝統的なポートフォリオに有利な状況となった
これを私なりに要約すると、
- 2023年の株価は不安定になりそうで、もしかしたらもっと下落するかもしれないけど、長期的にみたら買うチャンスですよ
となります。
この中でもっとも気になるところとしては、
- 資本(投資に向かうお金)が減っている
というところですね。
ここ10年ほどは、世界人口増やグローバル化、低金利によってお金がじゃぶじゃぶと増え続けていたわけですが、いまではそれが逆転しつつあるようです。
この傾向が続くと結構まずいことになりかねません。
しかし、世界人口はこれからも増え続けるため、これからも人々の生活を満たすための投資は必要であり続けますし、
新型コロナやロシアのウクライナ侵攻によって進んだ『ブロック経済化』しているという意見はあるものの、JPモルガンは「グローバル化は変化するものの消滅はしない」とし、
「過剰な心配はいらない」
と言います。
また、資本が減ることで投資先が集中するようになり、
- 将来的な成長や利益を示すことで低金利で資金を調達し、バランスシートを拡大にばかり注力した企業(ハイテク企業など)にはお金が集まらない
- 安定的なキャッシュフローを創出できる企業(安定している大企業)にはお金が集まる
という予想を立てています。
あくまでも『イチ企業』の『これから10~15年間』の予想であるため、これだけを元に来年の投資戦略を決めてはいけません。
しかし、JPモルガンという超巨大企業の予想であるわけですから、これを理解しておいて損はありません。
個人からの発信だけでなく、こういった『本気の情報』にも触れるように心がけましょう。
なお、紹介した内容はこれら記事から。
- 概要:J.P.モルガンの超長期市場予測
- 詳細:2023 Long-TermCapital Market Assumptions
- 資産別リターン予想:Assumption matrix: Japanese yen
さーて、私もそろそろ2023年予想を立てようかな!
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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