あまり注目されてはいないものの、『優良な投信』だと言えるであろう商品は色々とあります。
例えば『先進国株式の投信』なんてモノもそこに含まれるでしょう。
- 『インデックス投資は効率的市場においてこそ真価を発揮する』わけだが、新興国市場は効率的市場とは言いがたい
といった理由からです。
そして、今回取り上げるのは、伝統的投資法である『株式+債券』の組み合わせをしている『楽天インデックスバランスファンド』です。
楽天インデックスバランスファンドは、『全世界株式』と『全世界債券』を組み合わせて投資するファンドで、
- 株式重視型(株式70%、債券30%)
- 債券重視型(株式30%、債券70%)
- 均等型 (株式50%、債券50%)
の3種類があります。
短期的目線では、いまのように『債券価格が下落(金利が上昇)』しているタイミングで買うにはもってこいの商品ですが、
本来の役割としては『安定感のある投資ができるため、安心して長期投資できる』といった投信です。
私は「結構いい商品だよね~」と思っているわけですが、あまりにも話題に上がるコトが少ないので、ここで紹介したいと思います。
<目次>
楽天インデックスバランスファンドの基本情報
楽天インデックスバランスファンドの基本情報は以下の通りです。
信託報酬 |
年0.132%(税抜0.120%) |
---|---|
信託財産留保額 | なし |
為替ヘッジ | 部分的にあり |
委託会社 | 楽天投信投資顧問株式会社 |
受託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
分配金 | 1回/年 |
投資形態 | ファンド・オブ・ファンズ |
設定日 | 2018/7/20 |
なお、この信託報酬に加えて保有商品(ETF)の経費率がかかってくるので、実質信託報酬(経費率)は、
- 株式重視型:0.211%
- 債券重視型:0.223%
- 均等型 :0.217%
となります。
債券ETFの方が経費率が高いので、債券比率が高くなれば経費率も高くなってしまいます。
信託報酬の内訳
委託会社(資産運用) | 年0.055%(税込) |
---|---|
販売会社(情報管理など) | 年0.055%(税込) |
受託会社(資産保管) | 年0.022%(税込) |
楽天インデックスバランスファンドの具体的な投資先
楽天インデックスバランスファンドの投資先は、
- 全世界株式:VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
- 全世界債券:バンガード・インベストメント・シリーズ・ピーエルシー -バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド -インスティテューショナル・プラス円ヘッジAcc
の二つです。
全世界株式:VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
全世界株式(VT)については説明するまでもないかもしれませが、世界中にある8000近くの企業に分散投資をする『全世界株式に投資するための王道のETF』です。
管理報酬も0.08%/年と非常に優秀なファンドです。
全世界債券:バンガード・インベストメント・シリーズ・ピーエルシー -バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド -インスティテューショナル・プラス円ヘッジAcc
全世界債券については聞いたことがない人が多いかと思いますが、
- アイルランド籍の投資信託
- 円建て・為替ヘッジをしている
- ブルームバーグ・グローバル総合浮動調整スケールド・インデックスと連動する商品
- 世界中にある1.3万を超える債券を対象にしている
- 管理報酬は0.1%/年
といった商品です。
投資先の地域は以下の通りで、全世界株式(VT)の投資比率に近いものとなっています。
国別にするとこんな感じ。
※MF Bond | Vanguard UK Professionalより
保有率が高い順にアメリカ、日本、フランス、ドイツとなっています。
また、投資先の債券の格付けは以下の割合となっており、格付けがAに満たない債券の保有率は20%未満となっています。
よって、
- 楽天インデックスバランスファンドの全世界債券は、王道な比率で、かなり無難な投資をしている
と言えるでしょう。
楽天インデックスバランスファンドの実績
さて、ここからは実績を見ていきましょう。
比較対象として、オルカン(eMAXIS Slime 全世界株式(オールカントリー))と並べながらみていきましょう。
また、楽天インデックスバランスファンドが誕生したのは2018年7月ですが、オルカンの誕生が2018年10月から比較していきたいと思います。
結果は、
- オルカン:167.38ポイント
- 株式重視:142.64ポイント
- 均等型 :127.63ポイント
- 債券重視:113.27ポイント
と、『株式比率が高い順にリターンが高い』という結果になりました。
あたり前ですね。
とはいえ、『2020年のパンデミックによる下落』にだけ注目すると、
となっており、最大で
- オルカン:33.8%下落
- 株式重視:25.6%下落
- 均等型 :19.2%下落
- 債券重視:12.8%下落
と、『債券は下落相場に強い』ということがよく分かる推移となっていました。
また、直近3年間の年間リターン平均は、
- オルカン:10.94%
- 株式重視: 6.44%
- 均等型 : 3.38%
- 債券重視: 0.09%
となっており、『金利が急上昇し、債券にとっては不利な相場であった』ことを踏まえると、
「株式重視の6.44%という年間リターンは、なかなか優秀だな~」
という感想を持ちました。
投資をする上では『自分のリスク許容度を見極めて、その範囲内で投資をする』ことが非常に重要ですが、投資を始めたばかりの人などリスク許容度を理解できていない人も多いでしょう。
そういった方は、債券を含んだこういった商品への投資をしておいたほうが無難であろう、と私は思います。
まとめ:楽天インデックスバランスファンドを評価しました
といった感じで、楽天インデックスバランスファンドを評価してきました。
たったの3年分の実績しかないので「参考までに」としか言えませんが、個人的には
「株式重視型だったら、他人にもおススメできるかなぁ…」
と思います。
基本的には
- 債券の比率が高ければ、市場の暴落によるダメージが少ない
- 債券の比率が高ければ、長期リターンは小さくなる
と考えられます("絶対"じゃないよ)ので、
- どれくらいのリスクを受け入れられ、どれくらいのリターンを求めるのか
によってこれらファンドの評価が変わってきそうです。
具体的には、
- 「莫大な資産を持っているので、大して増えなくてもいいからリスクを抑えたい」のであれば、『債券重視型』を選択する
- 「投資をしたことがなく、暴落に出会った時の心理的ダメージが読めない」のであれば、『均等型』を選択する
- 「FIREしたので、リスクは抑えたいけどしっかりと増やしていかないといけない」のであれば、『株式重視型』を選択する
なんていう使い方になるのではないでしょうか。
近ごろは『投資=株式』というイメージが付いており、「債券への投資なんてしないよ」という方が増えている印象がありますが、状況に応じてこういったバランスファンドも活用されるようになればと思います。
参考:
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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