私はオルカンをはじめとするインデックス投資1本で資産形成をしていますが、
「この商品だったら、投機的に買ってみてもいいかもな~」
と思うこともあります。
ほとんどの場合で『ただの妄想』で終わり、実際に「買う」と判断することはありませんが、市場が激しく変化しているいま『買いたい商品』が出てきました。
というわけで、この記事では、
- いま投機的な投資で買うべき商品はどれだろうか?
について考察してきます。
なお、気になっている投資先は、
- 新興国株式
- 全世界株式(3地域均等型)
- グローバル3倍3分法ファンド
の3つです。
それでは見ていきましょう。
<目次>
新興国株式
まずは新興国株式です。
具体的な商品としては『eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンド』となるかと思います。
この記事では新興国株式について何度も取り上げ、
- 『効率的市場』と言い難い新興国株式は、インデックス投資に向いていない
- 実際に、過去20年近くにわたり、リターンがイマイチである
と、ネガティブな意見を述べさせてもらっています。
(オルカンと比較するとこんなですからね…)
また、新興国代表とも言える中国市場を見ていると、
- 不動産バブル崩壊が近い
- ゼロコロナ政策によって、経済がダメージを負い続けている
- 国の命運をかけた一帯一路政策も、縮小傾向にある
などなど、ネガティブなニュースだからです。
そして、だからこそ買いたい…!
新興国株式は、グラフの通り『横ばい』とも言えるような状況にありますが、『経済成長率』を先進国と 新興国で比べると、下のグラフの通り
- 新興国はつねに、先進国の2倍以上の成長率となっている
という状況にあります。
※経済産業省より
つまり、ここ10年20年は、
- 経済成長はしているものの、株価は上昇していない
- つまり、『価値』は高くなっているのに『価格』は上がっていない
- すなわち、日を追うごとに『割安』になってきている
と言えます。
それに加えて『中国経済の危機』で、新興国株式はダダ下がりとなっています。
そして、一時的な危機はあれど、長い目でみれば『新興国の方が経済成長率が高い』という状況が変わる可能性は低いでしょう。
つまり、これは『買い』ですね!!!
と、テンション高くなってしまいますが、いきなり新興国単品を買うのには勇気がいります。
そこで『全世界株式(3地域均等型)』を提案します。
全世界株式(3地域均等型)
具体的な商品としては『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』になります。
この商品は、資金を『日本』『先進国』『新興国』という3つの地域に均等に割り振る投資信託です。
全世界株式(オールカントリー)は、
- 日本 :約8%
- 先進国:約82%(うち50%以上がアメリカ)
- 新興国:約10%
と、新興国への投資額はわずかとなってしまいます。
しかし、
- 『3地域均等型』を使えば、資金の33%を新興国に割り当てることができる
と、
「新興国へも投資したいんだけど、基本的には全世界に投資したい」
といった考えを持っている人にピッタリの投資戦略となります。
『3地域均等型』という一つの商品に手を出さなくても、
- 自分で各地域への投資比率を決める
- 『先進国株式』『新興国株式』『日本株式』などを、それぞれ個別で買う
- 適宜リバランスする
という方法で、自分の好きな比率で各地域への投資をすることができますが、
面倒
ですし、「新興国への投資比率を高めたいんだけど、どれくらいの比率にしたらいいのか判断つかない」という人も多いでしょうから(私もそうです)、『用意されている商品を利用する』という行為はそれほど悪い選択ではないかと思います。
また、実際に3地域均等型は販売元(三菱UFJ国際投信)が行った2002年~2018年のシミュレーションでは、オルカンよりも優秀なリターンを叩き出していたという試算がありますので、『これに賭けてみるのはアリ』だと私は思います。
よろしければ以前考察した記事もご参照ください。
(ちなみに、私も投資していた時期があります…)
さて、最後は方向性を変えてグロ3を見てみましょう。
グローバル3倍3分法ファンド
グローバル3倍3文法ファンドは、全世界の『株式』『債権』『REIT(不動産)』を対象に、3倍のレバレッジをかけて投資する投資信託です。
投資比率は
- 株式: 60%(20%×3倍)
- REIT: 40%(13.3%×3倍)
- 債券:200%(66.7%×3倍)
と、債券比率が高くなっています。
つまり、
- 金利が上昇し、債券価格が低下した今こそグロ3を買うべし
と考えることができるわけです。
※中身の詳細はこちら。
実際に、『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』と『グローバル3倍3分法ファンド』を比較すると(両ファンドとも、2018年10月31日を100ポイントとする)
と、2021年末ごろからあった金利上昇フェーズにおいて、
- グロ3ばかりが値を下げている
ということが分かります。
繰り返しになりますが、
- グロ3は債券比率が高いため、金利上昇局面(債券価格が下がる)に弱い
- 反対に、金利下降局面(債券価格が上がる)に強い
性質のものです。
ここ1年ほどは急激に金利が上昇(債券価格が下落し)してきましたが、そのターンの終了が見えてきました。
それどころか、景気後退期に入ることで『景気刺激先として金利を下げる』というフェーズに入っていくことが予想されます。
ブルームバーグの調査によると、以下グラフの通り2023年5月、6月あたりが金利のピークとなり、それ以降は金利が落ちていくと予想されています。
出典:ウォール街割れる「5.75%から5%」「5%から3.25%」
そして、その金利の下落フェーズにおいて
- レバレッジをかけて200%の債券投資をするグロ3は、大きなリターンをもたらしてくれると期待できる
と考えることができます。
これこと買いでしょうよ!!
と、短絡的に思ってしまいましたが、そう上手い話はありません。
こちらでも考察している通り、
- レバレッジ商品の値動きは複雑であり、レバレッジなしが右肩上がりに上昇していくケースでも、レバレッジ商品が上がるとは限らない
という問題があり、
「なんだか上がりそうな気がするな~」
という軽い気持ちで手を出していい商品ではありません。
現時点においてグロ3が魅力的に見えることは確かですが、
「将来は確実に○○になる」
ということが断定できない以上、レバレッジのようなハイリスクな商品に手を出すべきではない。というのが私の意見です。
まとめ
といった感じで、『いま投機的な投資をするならコレを買う』というテーマでお届けしてまいりました。
取り上げた
- 新興国株式
- 全世界株式(3地域均等型)
- グローバル3倍3分法ファンド
は、現段階においていずれも魅力的な商品です。
しかし、これら商品は、
- すべての株対象とする『オルカン』よりもリスクが高い
- 時価総額に応じて均等に投資する『オルカン』よりも偏っている
- レバレッジがかかっているため、将来の価格予想が困難でいる
といった問題をはらんでおり、「よーし買うか」と気軽に手が出せるものではありません。
確かに、これら商品を選択し、それによって将来のリターンが大きなものとなれば、資産を増やすことに成功できるだけでなく、大きな喜びを味わうことができるでしょう。
しかし、私が投資に求めているのは『確実に資産を増やすコト』であり『嗜好性』ではありません。
よって、「通常のインデックス投資よりも儲かる”かも”しれない」という程度の商品に手を出すことは控えることとします。
また、正直に言って「でも3地域均等型は魅力的だな~」と思ってはいます。
しかし、
- 「新興国が来るかもしれない」と予想するので、新興国比率高めの投信を買う
という行為は、
- 「GAFAがくる!」と予想したので、GAFAに集中投資する
- 「中国一強の時代がくる」と予想したので、中国に集中投資する
といった投資法と何らかわらず、
- 自分の予想に応じてコロコロと投資先を変えることが、もっともやってはいけない行為
であることから、
気軽に乗り換えたらいかん!!
と、声を大にして言いたいと思います。
とはいえ、『確実に資産を増やすコト』よりも『嗜好性』を重視しているのであれば、買ってみてもいいかもしれませんね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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