「FIREした後に、資産を4%ずつ取り崩していけば資産を減らさずに済む」
といった言葉をよく見かけますが、私の知っている4%ルールはそうではありません。
私の知っている4%ルールは、
- 退職後の資産取り崩しを想定している
- よって『30年後に破綻していない(1ドル以上の資産が残っている)』をゴールとしている
- 株式75%、債券25%で運用すれば、30年後にも資産が1ドルでも残っている可能性は98%
- 株式100%で運用すれば、30年後にも資産が1ドルでも残っている可能性は95%
という研究結果がベースであり、
- そもそも『資産を減らさない』というルールではない
- 取り崩し期間が30年以上になるケースを想定していない
- 多くの人が採用している『株式100%』であれば、30年以内に破綻する可能性が5%ある
- 債券を25%含んだ『無難な投資』であっても、30年以内に2%の確率で破綻する
と、世間が思っているルールとは大きく違います。
そして、私の認識している4%ルールのベースとなった研究結果は、テキサス州のトリニティ大学による『Retirement Savings: Choosing aWithdrawal Rate That Is Sustainable(老後の蓄え 持続可能な持続可能な引出率の選択)』というレポートです。
(原文はこちら)
タイトルからも分かる通り『老後』が対象となっている研究結果で、以下の表に調査結果がまとめられています。
これが4%ルールの根拠であるならば、
- 4%ルールに期待してFIREした人は、30年以内に5%の確率で破綻する
- 30年以上先に破綻する確率は未知数
ということになってしまいます。
また、この研究では
- 1926~1995年という、たった70年間の実績のみを元に検証している
という大きな問題もあり、
- 人生100年時代といわれる今、たった70年間の実績を根拠に将来のリターンを予想することは危険である
と言えます。
とはいえ、
- 過去の実績から、株式投資のリターンは5~7%程度である
- よって、4%ルールを守っていれば、資産が増え続ける可能性が高い
というのも事実ではあります。
よって
「4%ルールを守ってさえいれば、資産を増やすことができるん可能性が高いけども、数%くらいは破産する可能性もあるよ」
と理解しておけば良いかと思います。
4%ルールに限らず、『人生を多きく左右するであろうルール』を『ちまたでこう言われている』というだけで信じることは危険です。
よって『そのルールの根拠』も確認するよう心がけましょう。
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以前、FIREにおける4%ルール(トリニティスタディ)の問題なんて記事を書いたこともありますが、
「4%ルールさえ守れば万事OK!!」
みたいな空気感がまだまだあるので、ちょっとした警告をさせて頂きました。
とはいえ、トリニティ大学の研究結果の他にも4%ルールの根拠となるデータもあるかもしれないので、それをご存じの方は(エビデンスをセットで)教えて頂けると幸いです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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