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DGRWを評価&構成銘柄確認【高配当・増配当ETF】

高配当株の人気のおされてか、DGWRの評価が高まっていることを感じていますので、ここで紹介、評価していきたいと思います。

 

<目次>

 

DGRWとは

DGWRは『ウィズダムツリー米国クオリティ配当グロース・ファンド』というETFで、その名の通り

  • アメリカ企業の中でも『今後配当が伸びる銘柄』へ投資する商品

です。

 

『今後配当が伸びる銘柄』と聞くと、『過去に増配してきた銘柄』を想像しがちですが、

  • 配当を出していること
  • 収益性が高いこと
  • 利益の成長率が高いこと
  • 時価総額が20億ドル以上であること

を基準にスクリーニングし、

「過去の増配の実績とは関係なく、この条件がそろっていれば自然と増配していくだろう」

という考えによって投資先を選んでいます。

 

また、ウィンダムツリーの担当者は、

金利が上昇する局面では、「DGRW」が上手くワークしているということが出ていますので、今後の金利上昇を懸念するのであれば、「DGRW」が一つのソリューションとなるかと思います。

とDGRWを紹介しており、現在にピッタリの商品だと言えるかもしれません投資信託にはできない海外ETFの活用術とは?

 

DGRWの基本情報

というわけで、そんなDGWRの基本情報を紹介。

経費率

年0.28%
資産総額

79.5億ドル(2023/3/28)

ファンドマネージャ Marlene Walker
運用会社 WisdomTree Asset Management
インデックス WTDGI(WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index)
主要取引所 NASDAQ
保有銘柄数 298銘柄(2023/3/29)
決算日(分配金) 年12回
直近配当利回り 3.72%
1年トータルリターン -3.20%
3年トータルリターン 19.00%
5年トータルリターン 11.16%
設定日 2013/5/22
取扱証券会社 SBI証券、楽天証券、マネックス証券など

DGRW 銘柄 - ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成 投資信託

 

経費率は少々高いものの、

  • 毎月決算型(毎月分配金が支払われる)
  • 直近配当利回りが3.73%

と、分配金に重きをおいている投資家にとっては魅力的な投信であると言えるでしょう。

 

WTDGI(WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index)とは

そのDGRWが、ベンチマークとしているインデックスが『WTDGI(WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index)』です。

 

WTDGIは、上記であげた

  • 配当を出していること
  • 収益性が高いこと
  • 利益の成長率が高いこと
  • 時価総額が20億ドル以上であること

をクリアした企業およそ300社から、ファンダメンタル加重平均で銘柄を組み込んだインデックスです。

 

ファンダメンタル加重平均とは

『ファンダメンタル加重平均』は、

  • 配当
  • 利益
  • キャッシュフロー

といった、『企業価値』をベースに比率を決める手法で、

  • 株価は無視して、実力のある企業ほど投資比率を高める
  • よって、実体の伴わないバブルにある企業への投資を避けることができる

といった特徴があります。

 

ファンダメンタル加重平均は、(みんな大好き、私も大好き)ジェレミー・シーゲル

「市場(時価総額加重平均)に勝てる可能性のある手法である」

と言及しているモノですが、(みんな大好き、私も大好き)ジョン・ボーグル

「機能するかもしれないし、しないかもしれないが、甘言に惑わされてはいけない」

と警告しているモノでもあります。

 

なお、WTDGIはファンダメンタルの中でも配当を重視しているようです(念のためWTDGI紹介ページの原文を載せておきます)

The WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index is a fundamentally weighted index that consists of dividend-paying stocks with growth characteristics.

The primary starting screening universe for this index is the constituents of the WisdomTree U.S. Dividend Index with market capitalization of at least $2 billion.

The Index is comprised of the 300 companies in the WisdomTree U.S. Dividend Index with the best combined rank of growth and quality factors.

The growth factor ranking is based on long-term earnings growth expectations, while the quality factor ranking is based on three year historical averages for return on equity and return on assets.

The Index is dividend weighted annually to reflect the proportionate share of the aggregate cash dividends each component company is projected to pay in the coming year, based on the most recently declared dividend per share. 

 

ファンダメンタル加重平均のWTDGIは、時価総額加重平均に比べても魅力的に見えますが、『手間がかかる分、コストが大きくなる』というデメリットには注意が必要です。

 

規模別の時価総額投資比率

上であげた通り『時価総額が20億ドル以上』という条件はありますが、

実体としては投資先のほとんどが100億ドルを超える大型株であることから、比較的に安定した値動きとなることが期待できます。

大型株 (100億ドル以上) 96.11%
中型 (20億~100億ドル ) 3.89%
小型株 (20億ドル未満) 0.00%

 

DGRWの構成銘柄・保有比率(2023/3/29時点)

また、具体的な構成銘柄・保有比率は以下の通りとなっており、上位は日本人にもなじみのある企業ばかりとなっています。

マイクロソフト 7.84%
アップル社 5.53%
ジョンソン&ジョンソン 3.52%
プロクター・アンド・ギャンブル 2.98%
ブロードコム 2.75%
コカ・コーラ 2.59%
Merck & Co Inc 2.50%
ホーム・デポ 2.39%
フィリップ モリス インターナショナル 2.30%
シスコシステムズ 2.25%
その他 65.34%

DGRW

 

セクター別の保有比率(2023/3/29時点)

また、セクター別の保有比率は以下の通りで、特定のセクターだけに偏っていないことから好感が持てますね。

情報技術 26.99%
生活必需品 18.11%
工業 14.95%
ヘルスケア 13.29%
金融 12.21%
一般消費財・サービス 9.61%
材料 2.14%
不動産 1.22%
公益事業 0.53%
エネルギー 0.52%

 

続いては、実績を見ていきましょう。

 

DGRW、VYM、S&P500のチャートを比較

単体で見てもなんなので、米高配当ETF(VYM)、S&P500(VOO)と比較しながら見ていきましょう。

 

過去10年のチャート

WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Fund (DGRW)

DGRW、素晴らしいですね!

 

具体的には以下のような結果となっていました。

  • DGRW(赤線):+148.94%
  • VOO(紫線) :+142.86%
  • VYM(青線) :+  80.90%

 

直近配当利回りを比べると、

  • DGRW:3.72%
  • VOO :1.61%
  • VYM :2.76%

と、DGRWは(直近は)配当でも圧倒しているわけですが、それでもS&P500(VOO)を超える推移となっていますので、配当を含んだリターンはかなり大きな差となっていると考えられます。(DGRW,VOO,VYM)

 

過去3年のチャート

 

新型コロナウィルスによる下落(2020年3月頃)直前から比較をしても、DGRWが優秀であることに変わりはありませんが、

  • 上昇局面においては、S&P500(VOO)に劣っている
  • 下落局面においては、S&P500より優れている

と、良くも悪くも『安定している』という一面が確認できます。

 

というわけで、チャートからも『非常に魅力的である』という評価ができるでしょう。

 

配当金の推移

では、続いてはDGRWにおいて重要なポイントである配当金を見ていきましょう。

 

毎月分配型なので、配当金実績をそのままグラフにすると下ようになります。

DGRWの配当金の推移

配当が少ない月を無視すると、

  • 基本的には右肩上がりで配当金が増えている

ということが分かります。

 

年間の配当合計をグラフにすると、右肩上がりがあることがさらに明らかになります。

DGRWの配当金の推移(年別)

 

増配率の推移

また、年別の増配率は以下グラフの通りです。

DGRWの増配率の推移


新型コロナウィルスにる影響が顕著に出た2020年をのぞき、常に増配を続けてきており、

  • DGRWの平均増配率は12%

となっています。(2013年5月スタートなので2013年実績は除いています)

 

うーん、魅力的…。

 

DGRWは長期投資に向いているのか?

『高配当銘柄』には、

  • 『成長が見込めない』など、ネガティブな理由によって人気が集まらないために株価が上がらず、配当利回りが高くなっているだけのイマイチな銘柄

が含まれていることが多々あります。

 

しかし

  • DGRWは、ファンダメンタル加重平均によって『これからも増配が望める優良な銘柄』への投資比率を高めている

という特徴があります。

 

また、実績を見ている限り増配を続けているため、この戦略は成功しており

  • DGRWは長期投資に向いているETFである

という評価を下してもいいのではないでしょうか。

 

DGRWの評判

というわけで、参考までにDGRWの評判をTwitterから拾ってきて紹介します。

 

ポジティブな評判が多いのはあたり前ではありますが、増配に対するコメントが多いですね。

 

分配金はただでさえ投資家にとって大きな喜びではありますが、『増配』となると、その喜びはさらに大きなものとなるでしょう。

一般的には『配当金は再投資するべし』と言われていますが、投資に『喜び』を求めているのであれば、良い投資先だと考えられます。

 

ウィンダムツリーとは

最後にDGRWを運用しているウィンダムツリーを軽く紹介したいと思います。

 

ウィンダムツリー(ティッカーシンボル:WETF)は2006年に設立された、米国市場に唯一上場している『ETFに特化した運用会社』です。

 

最大の特徴は、

  • 時価総額加重平均に囚われない指数(モダンアルファ)を開発し、それに連動するETFを販売している

という点です。

Modern Alpha ETFs

 

時価総額加重平均は『効率的市場仮説』に当てはまる市場において大きな効果を発揮する手法ではりますが、ウィンダムツリーは「市場は効率的ではない」と考え、モダンアルファによる運用を行っています。

 

シニア投資戦略アドバイザーとして、ジェレミー・シーゲル教授を招き、彼の投資アイデアを参考にしたETFを多く作り出しています。

 

なお、全世界の運用資産総額は709.3億ドル(2022年9月時点)という巨大な運用会社で、2016年にはフォーブス誌の「アメリカで最も信頼できる金融会社 50 社」に選ばれました(America's 50 Most Trustworthy Financial Companies)

 

現在米国で運用しているウィズダムツリーETFは81本あり、うち日本で届け出がされている銘柄は27本です(2018年時点)

 

まとめ:DGRWを評価、紹介させてもらいました

といった感じで、DGRWを評価、紹介させてもらいました。

 

ETFなどの紹介記事を書いているとき恒例ですが

「DGRW買っちゃおうかな…」

という誘惑にかられるほどに魅力的なETFでした。

 

特に今回は、

  • ファンダメンタル重視で買うからバブルに巻き込まれないよ!
  • 実績もすごいよ!
  • ジェレミー・シーゲルの息がかかっているよ!

などなど、非常に魅力的なポイントが多くありました。

 

しかし、それでも私は買いません。

 

DGRWは非常に魅力的な商品であり、実績も申し分ありません。

しかし、それは『過去の話』でしかありません。

 

世界中の投資家は、つねに「いい投資先はないか~?」と探しています。

 

そんな餓鬼だらけの世界において「こんな方法で投資したら儲かるよ!」という方法が広まるようなことがあれば、多くの投資家がそこに群がることになります。

そうなれば、対象の銘柄の株価はどんどんと上昇していき、配当利回りが落ちることになってしまいます。

 

『他人よりもリターンを上げられる投資法』は『他人が知らない投資法』でなければ成立しません。

 

しかし、DGRWは、10年以上に渡り素晴らしいリターンを上げてきており、私のような個人投資家の耳にも届くほどに定番のETFとなってしまいました。

 

そんな状況になったETFに今さら投資をしたところで、大きなリターンが見込めるとは思えません。

 

というわけで、非常に名残惜しいのですが、ものすごい高評価を下したDGRWを買うコトなく、

  • 『世界中の銘柄に時価総額加重平均で分散したインデックス』をメインの投資先にする

という、何の面白味もない結論とさせて頂きます。

 

いや~、それにしても魅力的なETFですことw

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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