タイトルの通りですが、「NASDAQ100はインデックスではない」と刺激的な記事があったので紹介。
Nasdaq-100 Is Not an Index | Morningstar
この記事は、モーニングスターのリサーチ担当ディレクターであるジョン・レーケンターラーによるもので、記事の冒頭では『インデックスとはなんぞや?』を下のステップに分けて考えています。
1)伝統的
『時価総額に応じて広範囲に投資するファンド』を伝統的としており、それをもっとも定番のインデックスとしています。
例えば、「米国株式市場を最も広範にカバーする時価総額加重平均型の株価指数」と言われているウィルシャー5000がこれに当てはまります。(ウィルシャー5000)
2)イコールウェイト
『イコールウェイトインデックス』もインデックスの一つです。
時価総額加重平均でなく、対象の銘柄すべてに同額投資することになるので、
- 運用方法はパッシブ(ファンドマネージャによる判断を必要としない)
- 加重の考え方はアクティブ(投資家達によって形成けれた株価を無視している)
と、インデックスファンドでありながらも、アクティブファンドに近しい面も持ち合わせています。
3)集中
市場全体をターゲットとするのではなく、一つのセグメントだけをターゲットとしたインデックスもあります。
例えば、『PBRが割安で、かつ利益成長性から見て成熟企業と判断される銘柄』なんてものが対象になります。
4)戦略的ベータ(Strategic Beta)
戦略的ベータ(Strategic Beta)とは、パッシブ投資とアクティブ投資の間と定義されているもので、時価総額加重平均にしばられないルールによって運用されます(What You Need to Know About 'Strategic Beta' | Morningstar)
例えば『配当利回り上位100銘柄』といったルールが用いられます。
(いわゆる『スマートベータ』の一種と言えそうです)
んで、これら4つのカテゴリーを整理するとこんな感じ。
各カテゴリーを分ける明確なラインはないものの、
- 一定のルールに基づいており一貫性があるものをインデックスとする
といった考え方のようです。
しかし、NASDAQ100は、
- 1998年に、Microsoft が巨大化しすぎた(単一銘柄の比率上限である25%を超えた)ためにリバランスを実施。
- 2011年に、Appleが全体の20%に到達したため、12%にまで下げるリバランスを実施
- 2023年に、Apple、Microsoft、Alphabet、Amazon、Nvidia、Tesla、Metaの合計が全体の50%を超えたたため、偏りを避けるためにリバランスを実施
と、
- NASDAQ100は『時価総額加重平均』というルールを守り切れていない
という状況にあるため、「Nasdaq-100 Is Not an Index」と指摘しているようです。
NASDAQには、
- 指数の最大構成銘柄群の割合が予め設定された基準値を超えた場合、特定の状況下で、特別なリバランスが実施される可能性がある
という規定があるものの、投資家の意図せぬタイミングで「特定の銘柄に偏りすぎてきたのでリバランスしまーす」というのはインデックスとしてどうなのか?ということでしょう。
とはいえ、ド定番のインデックスの一つであるS&P500やその他インデックスにも『銘柄の入れ替え』はあるわけなので、『ここまでならインデックスとして認める』と言えるラインを定めるのは非常に難しいところですね。
とはいえ、「NASDAQ100はインデックスではないからダメ」というわけなく、「こういった仕組みってことを理解したうえで投資してね」という話かと思います。
というわけで、
「インデックスってなんだっけ?」
というのを考えさせられる記事を紹介させてもらいました。
インデックスが乱立しているため、
「これが伝統的なインデックスじゃい!!」
と言うことは非常に難しいですね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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