変なことを書きますが許してください。
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つい先日、超低コストで全世界株式インデックスに投資する投信『Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)』が発表されました。
全世界株式インデックス投資で鉄板とも言える『eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)』の信託報酬が0.11325%であるのに対し、Tracersオルカンの信託報酬は0.05775%とおよそ半分になります。
世界最高の全世界株式ETFと考えられるVT(Vanguard Total World Stock Index Fund)ですら経費率が0.07%であるにも関わらず、それを大きく下回っています。
この低信託報酬が実現できている理由は様々なブログで考察されているので、ここでは詳しく触れませんが、
- 「インデックスの標章使用料(『MSCI オール・カントリー・インデックス』の名を使う使用料)」を信託報酬に入れてないので、見かけ上の信託報酬が低いだけじゃないの?
なんてことが言われており、
- 業界最低水準の信託報酬を目指すeMAXIS Slimオルカンは、「信託報酬に標章使用料を含めておらず、公平に比較することができず、追従しない方針」と答えている(eMAXIS Slim”オルカン“、Tracers対抗の信託報酬引き下げは行わず)
といったことからも、この低信託報酬をそのまま信じ切らない方がよいでしょう。
とはいえ、もし本当にこの信託報酬の差がリターンに直結すると仮定すると、どれだけの差が出てくるのかは気になるところなので、下の条件で確認してみました。
- オルカン、Tracersオルカンそれぞれに100万円を投資した
- どちらも年間リターンは5%とする(除く信託報酬)
- 公開されている信託報酬以外にコストはかからないこととする
とした場合のリターンを比較すると
万円 | オルカン | Tracers | 差額 |
---|---|---|---|
10年後 | 161.34 | 162.12 | 0.8 |
20年後 | 260.32 | 262.81 | 2.5 |
30年後 | 420.01 | 426.06 | 6.0 |
となり、
- 100万円投資していると、信託報酬0.05%の差が30年後に6万円の差を生み出す
ということが分かります。
とはいえ、40年投資していればもっと大きな差が出ることにもなりますし、
1億円投資していれば600万円の差が出るということでもあります。
これを「大きい」と見るか「小さい」と見るかはその人によるでしょうが、個人的には「ボチボチ差が出るなぁ…」という感想です。
実績が出ていない現在で浮かれてしまうわけにはいきませんが、期待できる投信の誕生は非常に喜ばしいことですね。
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と、ここまではそれとなくまともなことを書いてきましたが、少々戯言を…。
Tracersオルカンは、MSCIオール・カントリー・インデックスに追従することを目的とした投信なので、『時価総額加重平均』で投資をすることになります。
各銘柄の時価総額の比率を計算しながら投資をすることになるので、結構手間だということが想像できますね?(もちろん、手計算するわけじゃないでしょうけども…)
しかし、近ごろ
「そんな大変なことしなくても、投資先の銘柄や比率をランダムで選んでもだいたい同じリターンになるんじゃない?」
なんてことを思うのです。
というのも、近ごろ『全世界の株式を対象としたアクティブ投信(近日公開予定)』について調べていたのですが、
- オルカンと、全世界アクティブ投信のリターンがほぼ一緒だった
という事実を発見しました。
んで、そのアクティブ投信は結構な銘柄数に投資するファンドであったため、
「投資対象とするグループ(全世界とか、アメリカとか)が同じであれば、どんな方法で銘柄を選ぼうとも、多くの銘柄に分散投資をしたら同じようなリターンになるんじゃないの?」
「じゃあ、オルカンに含まれる銘柄に投資をするのであれば、ランダムな銘柄に、ランダムな投資比率で投資をしても、オルカンと同じようなリターンになるんじゃないの?」
「つまり、真面目に運用しなくても猿にダーツ投げさせた結果に基づいて運用をしても、オルカンと同じようなリターンになるから、楽に運用できるよね!(運用コストの一部を抑えられるよね!)」
という考えにたどり着いたわけです。
ちょっと整理すると、
- インデックスは市場平均である
- その市場の中から、適当にそこそこの数をピックアップしたら平均くらいになるでしょ
という感じの考えになります(「時価総額加重での平均じゃい!」というツッコミはしないように)
なんとなく正論っぽいですね?
よって、
「低コスト化のために、このような方法で運用するファンドが出てくるかもしれない!」
なんていう想像ができるわけです。
とはいえ、こんなふざけた方法で運用していながらも、
「MSCIオール・カントリー・インデックスへの追従を目的としたファンドです」
なんていう宣言をしたら、総ツッコミによって間違いなく炎上することでしょう。
…しかし、これ、『脱インデックス』のちょうどいい機会になるんじゃないでしょうか?
インデックスファンドは、「○○インデックスを使っています」と宣言するために、○○インデックスの管理者にお金を払っています。
そして、そのコストは当然個人投資家のコストとなっているわけです。
反対に言えば、インデックスを使わなければコストを下げられるわけです。
であれば、特定のインデックスを使わずに
「世界中の株式から、猿が選んだ1000銘柄に、猿が選んだ比率で投資するファンドです!!」
と正直に売りだせば、超低コストな世界株式ファンドが誕生することになります。
こんなファンドに投資しようとする人は少ないかもしれませんが、
- 低コストで運用できることは確かであり、
- 低コストであるがゆえに、運用期間が長期間になれば優れたリターンを上げていき
- 実績ができていくうちに猿ダーツが認められるようになり
- いつかは鉄板のファンドになる
なんてことも夢ではないのではないでしょうか?
夢ではないですね?
私は基本的に効率的市場仮説を支持しています。
よって、極端に言えば
- 現時点では、すべての銘柄の期待リターンは同じである
- よって、各銘柄がどれだけのリターンをもたらすかは、未来に起こるランダムな出来事によって決まる
- つまり、どの銘柄に投資しても同じである
と考えることができます。
であれば、
「投資先の銘柄を選ぶ必要なんかなく、『分散できている』と言える数の銘柄をランダムで買ったら平均的なリターンになる!」
と言ってもよいでしょう(?)
同じようなリターンになるのであれば、特定のインデックスを掲げる必要もなく、インデックスを使用するためのコストを払う必要なんて一切ありません。
というわけで、
超低コストの全世界株式ファンド、猿オルカンが誕生する日も近いであろう!!
と私は予想するわけであります。
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なーんて妄想を『Tracersオルカンが超低コスト』という情報からしてしまいました。
しかし、我ながらなかなかよい妄想だと思ったので公開することにしましたが、いかがでしたでしょうか?
一理ありますよね?
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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