ビックリする記事があったので紹介。
その記事はこれ。
この記事の要点の一つは、
- コストよりもリターンを重視して投信を選びなさい
という内容。
つまり『コストを最重視して選んでいる投資家がいる』ということになります。
まじ?
昨今では、コストの重要性があたり前のように語られるようになっており、「高コストな商品に手を出すべからず」なんてことは多くの人が理解しているでしょう。
しかし、リターンよりもコストを重視している投資家がいるとは思いもよりませんでした。
しかし、せっかくなので真剣に考えてみました。
「コストが大事」だと語られるようになったのは、
- どのファンドに投資をしたら、どれくらいのリターンが得られるか分からない
- だから、確実にリターンを押し下げることになる『コスト』を重要視しなさい
といった理由からです。
そう考えれば、
- 「リターン狙いでなく、コストを最も大切な指標として選ぶのだ!」という考え方は、あたり前の考え方である
なんてことも言えるのかもしれません。
また、『市場が完全に効率的である』と仮定したとき、株価が20年先までを織り込んだ価格となっているのであれば、
- 特定の銘柄だけに集中投資するのと、全世界株式に分散投資するのとでは、20年間の期待リターンは同じである
ということになりますので、「じゃあコストの低い商品一択だ!」となってもおかしくありません(おかしいですけど)
他にも、信託報酬がかなり高い商品ばかりだった時代であれば、
- まずは信託報酬でふるいにかけ(スクリーニングし)、残った商品の中から投信を選ぶ
なんてことは、あたり前にされていたでしょう。
そう考えれば『コストを重要視するべし』というのは、重要な考え方であることが分かります。
しかし、問題は
- 低コストな商品は、低分散であるケースが多い
ということです。
言わずもがなですが、(維持コストが)もっとも低コストな商品は『個別銘柄』で、これであれば信託報酬はかからず、究極の低コスト商品だと言えるでしょう。
しかし、それだとあまりにも極端なので、人気の投資信託の信託報酬(税込み)を並べてみると
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0937% |
eMAXIS Slim先進国株式 | 0.1023% |
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン) | 0.1144% |
と、分散先が増えれば増えるほどに信託報酬は上がっていることが分かります。
この状況にあれば『人気商品から投資先を選ぼうとしている投資初心者』が、
「うーん、どれも人気商品で安心できそうだから、信託報酬の一番低いS&P500にしよう!」
なんていう選択をしてもおかしくはありません。
S&P500であればまだしも(個人的にはS&P500もおススメしませんが…)
「あれ?自分で個別銘柄に投資したら信託報酬かからないじゃん」
「10銘柄くらいに分散投資しておいたらいいかな」
なんてことになってもおかしくありません。
そんなことになったら大変です。
というわけで、「コストを最重要視するなかれ!」という元の記事の主張には賛同させて頂くこととしました。
しかし、それでも「将来のリターンを予想することはできない」ということに変わりはないため、
- コストよりもリターンを重視して投信を選びなさい
ではなく、
- コストよりも分散レベルを重視して投信を選びなさい
といいうのが、私ができるアドバイスということになります。
(とか言いながらも、私は小型株を含まない全世界株式へ投資しているわけですがw)
「リターンよりもコストを重視している投資家なんていないよ。ワロス」
と思って書き始めた記事ではあったものの、予想外の結論となり、私は満足です。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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