ヴァンガードがここ数年の『セクター別リターン』を出してくれていたので紹介。
(Building resilient portfolios through diversification | Vanguard)
この表では、
- 大型株(Large-cap)
- 小型株(Small-cap)
- アメリカ除く先進国株式(Dev ex-U.S.)
- 新興国株式(Emerging markets)
に分けて、年別にリターンの高い順に上から並べています。
結果は見たまんまですけども、
- 毎年優秀なセクターが入れ替わっている
という状況にあります。
この間、各セクターの成長率の順位がコロコロと変わってきたわけではない(例えば、新興国は常に高成長率であった)のにも関わらず、株式リターンの順位はコロコロと変わっています。
人によっては、これを見て、
「都度都度、優秀なセクターに乗り換えれば、素晴らしいリターンが期待できる!」
なんて思うかもしれません。
例えば、
- 2016年は小型株 (+21.3%)
- 2017年は新興国株(+37.3%)
- 2018年は大型株 (- 4.4%)
- 2019年は大型株 (+31.5%)
- 2020年は小型株 (+19.8%)
- 2021年は大型株 (+28.6%)
- 2022年は先進国株(-15.3%)
- 2023年は大型株 (+26.3%)
と乗り換えに成功していれば、
- 7年間で+243.5%のリターン
というすさまじいリターンが手に入ったことになります。
どのセクターも物珍しいモノではなく、多くの人が投資しているメジャーなものですが、これをタイミングよく売買するだけででこれほどのリターンが手に入りました。
夢がありますね。
が、
世の中そんなに甘くはない!
それが簡単にできるのであれば、多くの人がコロコロとセクター乗り換えを実施し、その乗り換えが通用しなくなります。
よって、攻略法が生まれれて多くの人が採用するようになれば、その方法は通用しなくなります。
短期的なトレードはゼロサムゲームでしかなく、
乗り換えによってリターンが向上する人が生まれるということは、
乗り換えによってリターンが劣後する人が生まれるということでもあります。
プロのトレーダーでさえ勝者になれるかどうかわからない市場において、個人投資家が勝者になれる可能性は極めて低いです。
投資の世界では、過去のパフォーマンスが未来の結果を保証するものではありません。
セクターを追いかけるのではなく、『分散投資』と『長期投資』という個人投資家にとって有力な武器を使うことが、市場の不確実性に対処する鍵です。
結局のところ、賢明な投資家は時間の流れと共に成長するポートフォリオを築くことに焦点を当てるべきです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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