バンガード社から今後の投資リターン予想が出ていたのでご紹介。
(Our investment and economic outlook, March 2024 | Vanguard)
今後10年間の予想。
代表的なモノをリターン順に抜き出すと以下のような感じで、
- 先進国株式:6.9%~8.9%
- 全世界株式:6.9%~8.9%
- 新興国株式:6.1%~8.1%
- 米国株式 :3.7%~5.7%
米国株式のリターンが大きく劣る予想をたてています。
ちなみに、米国株式の中では
- 小型株 :4.3%~6.3%
- 大型株 :3.7%~5.7%
- グロース :0.9%~2.9%
と、グロース銘柄(成長株)のリターンの小ささが目につきます。
昨今では、マグニフィセントセブンと呼ばれる『エヌビディアやアップルなどによる大型グロース銘柄』が市場を大きくリードしていましたが、『上げすぎ(割高になっている)』という判断をしているのでしょう。
なお、2月に公開されていた『今後30年間のリターン予想』も同じような結果となっています。
リターンと経済成長率は関係ないよ
ちなみに、『アメリカ株式のリターンが劣る』と予想をしているものの、『アメリカ経済が弱い』と言っているわけでありません。
下は、
- 点線:コロナ禍前のGPDトレンド
- 実線:実際にGDPの推移
となっていますが、
ここかはら、
- EU・イギリスはコロナ禍前のGPDトレンドよりも低いGDPとなっている。
- アメリカは、コロナ禍前のGDPトレンドを超える成長をしている。
と、『アメリカ経済は非常に強い』ということが分かります。
アメリカ経済は堅調で、「大きなリセッション入りすることなくソフトランディングできそうだ」という意見が増えてきています。
で、あるのにも関わらず、『アメリカ株式のリターンはイマイチ』という予想を出しています。
これは単純に
- 成長するモノに賭けたからといって、大きな投資リターンが手に入るわけではない
という投資の基本的な考え方によるものです。
世の中に出回っている情報を見ていると、
「○○が有望な企業だ」
「○○が世界をリードする」
「○○に投資しないとかバカだ」
「○○に賭ければテンバガー間違いなし」
といった魅力的な言葉が聞こえてきて、ときにはそこに賭けたくなることもあるでしょう。
しかし、投資(投機)はそんなに単純なものではなく、
有望なモノは高く、絶望的なモノは格安で売られており、高値で買ってしまえば大きなリターンを手に入れることは難しくなります。
かといって、今回紹介している『アメリカ株式のリターンはイマイチ』を鵜呑みにしてもいけません。
これは隠された予想ではないため、すでに多くの人々が「アメリカ株式にばかり賭けるのは危険だ」と考え、アメリカ株式を売っていても(そして株価を下げていても)おかしくはないためです。
色々な機関・個人がなんやかんや言っていますが、
現在の株価は、いま分かっている情報を織り込んだ適正な価格
であり、高いわけでも安いわけでもありません。
私はバンガードの考え方・態度に共感しており、彼らの報告には信ぴょう性があると考えています。
しかし、彼らの予想が毎回のように的中するのであれば、『投資家の多くが、バンガードの報告を信じて米国株売りに走る』はずですが、現実はそうなっていません。
もし未来を正確に予測できたとしても、その予測に基づいた行動が未来自体を変えてしまう可能性があります。
少しでも多くのリターンを手に入れようと、情報収集を怠らない投資家が生息する株式市場においてはなおさらです。
よって、今回紹介している情報は頭の片隅に置いておく程度にしておき、これまで通りタンタンと広く分散投資しておくことをお勧めいたします。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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