最終更新日:2020/12/31
各所から2021年の『市場予想』が公開されつつあり、なかには具体的な期待リターンを発表しているところもあります。
この記事では、アメリカ最大のヘッジファンド部門を持つ『JPモルガン・チェースグループ』の公開情報を元に考察していきたいと思います。
まずは、主な地域の期待リターンを列挙します。
- 全世界株式:3.70%
- 先進国株式:3.40%
- 新興国株式:5.80%
以下国別
- 米国大型株:2.70%
- 米国小型株:3.20%
- 日本大型株:5.10%
- 日本小型株:5.40%
- 中国株式 :6.10%
※いずれも、為替ヘッジなし、円ベースです
上記を、ざっくりまとめると。
- 先進国より新興国の方が期待リターンが大きい
- 大型株よりも小型株の方が期待リターンが大きい
となります。
また、国別に見ていくと
- 人気のアメリカ株の期待リターンが低い
- 不人気の日本株の期待リターンが高い
という結果となっているのも面白いポイントです。
これはシンプルに、『割高なアメリカ株』よりも『割安な日本株』の方が期待リターンが高くなっているだけなので、『日本が大きく経済成長する』わけではありません。
実際に、IMF(国際通貨基金)は、2021年の各国の経済成長率を
- 日本:1.9%
- 米国:3.9%
- 中国:7.1%
としているので、先ほど記述した期待リターン
- 日本大型株:5.10%
- 米国大型株:2.70%
- 中国株式 :6.10%
とは、さほど関連していないことが分かります。
さて、この予想を見ると
「2021年は日本、中国に投資しよう!」
と考えてしまうかもしれませんが、それは止めておいた方がいいでしょう。
なぜならば、正直にいってこの予想は当てにならないからです。
リターン予想は当てにならない
このブログでは繰り返し繰り返し言及していますが、『世の中の株価予想に信じられるものはない』と言っても過言ではありません。
それは世界有数の金融企業であるJPモルガンの予想であっても同じです。
というのも、株式投資は『人気の有無で価格が決まるもの』であるためで、もし『JPモルガンの予想が当たる』のであれば、JPモルガンの予想が公開された時点で、
- 日本株、中国株に人気が集まり、株価が暴騰する
- アメリカ株の人気がなくなり、株価が下落する
といった事態が発生するはずですが、現実ではそんなことは起きていません。
また、人気が集まった銘柄は『割高となり、期待リターンが落ちる』ことになりますし、人気のなくなった銘柄は『割安となり、期待リターンが上がる』ことになります。
よって、例え『JPモルガンが翌年のリターンを正確に予想できる』としても、その予想を公開した時点で、予想が崩れる(未来が変わる)こととなってしまうわけです。
これが、予想が当てにならないの根拠です。
参考記事:勝てない投資法【プロ・Youtuber・ブロガーの意見を信じるな】
とはいえ、このまま「どの予想も当たらないよ!」と言ってしまっては、味気ない記事になってしまうので、最後に筆者(ひょしおんぬ)の予想を載せておこうと思います。
ひょしおんぬの2021年の予想
順位を発表すると、
- アメリカ株式
- 日本株式
- 中国株式
となります。
本ブログでは『アメリカ株はバブルじゃ』という方向性の記事を多く書いてきていますが、まだ『バブル崩壊』は遠いと考えています。
と、いうのもネット界隈だけで見ていると『アメリカ株ブーム』が来ているように感じますが、『投資に力を入れていない知人(や、投資家ではない知人)』と話をしている限り、『アメリカ株ブーム』の到来を感じないからです。
『ブーム=バブル』は、少数の専門家から静かに始まり、多くの一般人が手を出すようになった時点で弾けます。
そして、現在は『一般人に広がりだした』というステータスだと考えているため、まだ膨張する余地があると考えているわけです。
よって、2021年にアメリカ株のリターンは『さらに加速』し、2022年かそれ以降に『弾ける』と予想しています。
というわけで、2021年、筆者(ひょしおんぬ)はアメリカ株に集中投資…、するはずもなく、全世界株式に分散投資を続けていきますw
予想をするのは娯楽的な意味合いでは楽しいものですが、『娯楽』と『資産形成』を切り分け、『確実に、無難なリターンが得られる投資』を選ぶのがインデックス投資家の生きる道ではないでしょうか。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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