『お金は寝かせて増やしなさい』という、イデックス投資ブロガーである水瀬ケンイチさんの著書があります。
この本は、名前からも想像できるとおりインデックス投資をススメている本なのですが、むちゃくちゃ分かりやすく書かれている。というのが大きな特徴の一つです。
『お金は寝かせて増やしなさい』に書かれている内容をざっと紹介すると、
- インデックス投資がおススメである理由
- インデックス投資の実力
- インデックス投資を始める前に最低限必要な準備
- インデックス投資をするうえで年に1回はやった方がいいこと
- インデックス投資に最適な金融機関は?
- NISAとiDeCoについて
- 意外と難しいインデックス投資を続ける方法
- 水瀬ケンイチさん本人の実践記
- インデックス投資の終わらせ方
といった内容が書かれています。
基本的には『これからインデックス投資を始めるひと』に読んでもらいたい本となっています。
しかし、インデックス投資歴5年ほどの私(スパコンSE)が読んでも、
「ほ~」
「そうなんだ」
「なるほどね~」
といった声が出てしまうほど面白い本となっていました。
というわけで、この記事で『お金は寝かせて増やしなさい』の一部を要約、紹介していきたいと思います。
ほんの少しでも投資リターンを高めるべく、最後までお付き合いいただければと思います。
<目次>
- 『お金は寝かせて増やしなさい 著:水瀬ケンイチ』を要約して紹介
- インデックス投資とは
- インデックス投資がおすすめである理由
- 投資信託によるインデックス投資の特徴&メリット
- 投資信託によるインデックス投資のデメリット
- 意外と難しい!インデックス投資続け方
- 水瀬さんのインデックス投資の実績
『お金は寝かせて増やしなさい 著:水瀬ケンイチ』を要約して紹介
ちかごろ『投資ブーム』が起きています。
しかし、
- ハイリスクな投資商品に気軽に投資している
- 自分は『投資するべき銘柄』を見つけ出せると、根拠なく思い込んでいる
- 『安全なインデックス投資をしている』と思いながら、かたよったインデックスに賭けている
- 不勉強のまま、流行りの投資先に投資している
と、「あぶない!」と言いたくなるような投資をしている人があふれています。
あたり前ですが、そういった『危ない投資』をしている投資家は、
「多分もうかるだろう」
と考えて投資しているはずですが、そうなる保証は一切なく、むしろ
- 熟練の投資家達の養分となる可能性が高い
と言ってもいいでしょう。
それもそのはずで、
- 多くの投資はゼロサムゲームであり、敗者がいるおかげで勝者が生まれる
- 新規参入に投資家が、勝者になれる可能性は低い
ためです。
しかし、これは短期投資に限った話です。
長期に渡って、企業や世界の成長にかけ、寝かせたつもりになって投資することで、かなり高い確率でリターンが手に入る。
という事実を知らない人は意外と多いです。
というわけで、その『お金を寝かせて増やす方法』を学んでいきましょう。
インデックス投資とは
水瀬さんは、『お金を寝かせて増やしなさい』で、
「インデックス投資をおすすめする」
と主張しています。
インデックス投資とは、
- 日経平均や、ダウ平均株価のような指数(インデックス)と同じ値動きとなるように投資する投資法
で、もっとざっくり説明すると、
- 大量の企業に分散投資することで、『平均的なリターン』が手に入るよう投資すること
で、水瀬さんは
- 世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有すること
を、『お金は寝かせて増やしなさい』の中での定義としています。
つまり、
- 日経平均やNASDAQ指数だけに投資する
- 短期的に売買を繰り返す
といった行為は、『お金を寝かせて増やすためのインデックス投資』には向いていない、と考えているのだと思います。
(あくまでも「思う」だけなので違うかもしれませんが、少なくとも、私はそう思っています)
最近では広がりつつあるインデックス投資ですが、『どちらかと言うと堅実な投資』というイメージだけを持って、ETFを短期に売買したり、レバレッジをかけてNASDAQに投資(レバナス)するような投資家が増えています。
しかし、これら投資は『インデックスに連動しているが、まったく堅実ではない投資』です(私の意見ですよ!)
その理由は後述するとして、まずは『インデックス投資がおススメである理由』を見ていきましょう。
インデックス投資がおすすめである理由
その理由は下の3つです。
- 手間がかからないから
- 実は世界標準のスタンダードな投資法だから
- お金の基礎知識として日常生活に役に立つから
①手間がかからないから
『手間がかからない』これがインデックス投資最大のメリットといっても過言ではないでしょう。
というのも、一般的な『株式投資』では、
- 投資先の企業を選ぶ(将来有望か?株価は適正か?)
- 投資するタイミングを選ぶ(チャートはどうなっているか?)
といった行為をおこなったうえで投資しますが、
インデックス投資は、『世界中の企業すべてに投資する』とさえ決めれば、あとは
- 毎月○○日に○○万円投資する
とだけ決めれば、あとはほとんど手間をかける必要がありません。
ゼロサムゲームである株式投資で勝つためには、多くの時間を使う必要があります。
しかし、個人投資家の多くをしめるあるサラリーマン投資家は、投資に大きな時間をさくことは出来ません。
であるならば、
- 中途半端に時間をかけて敗者となるくらいなら、最小の時間で平均的なリターンを手にする
ことが多くの個人投資家にとって最良の道であると言えます。
その『最小の時間で投資する方法』がインデックス投資なわけです。
②実は世界標準のスタンダードな投資法だから
日本において、まともなインデックス投資ができるようになってから、それほど立っていません。
そして『新しい投資法』ほど「アヤシイ…」と思ってしまう投資法はありません。
(仮想通貨しかり、STEPNしかり…)
しかし、実は
- インデックス投資は、世界中のプロ投資家などがスタンダードに使っている投資法
です。
『お金は寝かせて増やしなさい』では、下のような実績も紹介され、インデックス運用がアヤシイものではないことを説明しています。
公的年金を運用する日本最大級の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理独立行政法人)の運用資金145兆円のうち、77%を占める112兆円がインデックス運用されています。(2017年3月末時点・出所は年金積立金管理運用独立行政法人サイト)
また、日本では最近知られるようになったばかりのでインデックスファンドですが、登場は1975年で(ありがとう!ジョン・ボーグル!)、50年近くの歴史を持っています。
そして、世界一の投資家で、個別株への投資で成功してきたウォーレン・バフェットからも
「ほとんどの投資家は、インデックス投資をした方がいい」
と言われるほどの信頼を得ています。
インデックス投資は、「あまり聞いたことがないから怖い」と敬遠する必要のない、安定した投資法です。
③お金の基礎知識として日常生活に役に立つから
現代は、お金・投資に関する知識が必須の時代だといえます。
多くの企業が確定拠出年金を導入し、国もNISAやiDeCoといった制度を準備し、これらを有効に活用するためには、投資の知識が欠かせません。
また、投資の知識は身を守ることにも役に立ちます。
例えば、インデックス投資を実践していれば、
- 年間30%くらいのリターンが期待できる投資
- 絶対に損をしない投資
といった『ありえない投資』を「サギだ!」と見抜けるようになりますし、
- 年利20%のリボ払い
のような『暴利を取られる借金』を回避できるようにもなります。
このように『お金の基礎知識』が身に付くこともインデックス投資がおススメである理由の一つです。
さて、続いては『投資信託によるインデックス投資の特徴&メリット』についても見ていきましょう。
投資信託によるインデックス投資の特徴&メリット
インデックス投資の最大のメリットは、
- 投資のド素人でも、プロ投資家と互角以上に戦うことができる
という点でしょう。
にわかには信じられませんが、事実そうなのです。
さて、そこを証明するべく、まずは『インデックス投資のメリット』を見ていきましょう。
インデックス投資のメリットは、
- 少額から購入できること
- たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資できること
- 運用に携わる金融機関が破たんしても資金が守られていること
の3点です。
少額から購入できる
「投資するためには、まとまったお金を準備しないといけないんでしょ?」
と思っている方が多いです。
実際に、特定の企業を選んで投資する場合では、数万円から数十万円が少なくとも必要となるのが一般的です。
しかし、
- インデックス投資(投資信託を買う)は、100円からでも始められる
というメリットがあります。
よく「お金がないから投資できない」なんていう人がいますが、その言い訳は通用しないわけです。
投資元本が少なければリターンも小さくなりますが、少額であったとしてもコツコツと投資をしていけば、いつかは大金になることが期待できます。
投資に限らず何を始めるにしても『誰であっても最初は初心者』です。
その初心者をごく少額の金額で始められるインデックス投資は、素晴らしい投資だと言えるでしょう。
たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資できること
投資とは、リスクを取るからこそリターンが期待できるものです。
例えば、ある企業の株式を買った場合、その企業が倒産してしまえば株価はゼロとなってしまうこともありえます。
しかし、インデックス投資であればそういったそのような『ゼロになるリスク』はほとんどありません。
例えば、日経平均に投資していれば、225社に分散投資していることになるため、そのうちの1社が倒産したところで、影響はほとんどありません。
投資信託を使わずとも分散投資をすることはできますが、手間がかかりますし、1銘に投資するために数万円~数十万円かかると考えると、分散投資するためには大金が必要となってしまいます。
特定の企業が成長していくかどうかを見定めるのは難しいです。
しかし、世界全体で見れば経済成長していくことはほぼ間違いないでしょう。
投資信託を使って、広く、薄く、世界中に投資していれば、世界経済全体の利益を受け取ることができます。
さて、ここまではある意味『あたり前』の内容ばかりで、「どれもこれも知っている」と思った人も多いでしょう。
というのも、
- 投資信託を広めようとする人たち(主に金融機関)は、商品を売ろうとメリットばかりを並べるから
です。
しかし『お金は寝かせて増やしなさい』の著者である水瀬さんは、イチ個人投資家でありるため、『金融機関が言いづらいデメリット』もしっかりと解説しています。
つまり、ここからがこの本の真骨頂だと言えるわけです。
投資信託によるインデックス投資のデメリット
『お金は寝かせて増やしなさい』で紹介されている投資信託のデメリットは、次の2つです。
- 持っているだけで手数料がかかる
- すぐに大儲けはできない
①持っているだけで手数料がかかる
投資信託は、『プロに運用をまかせる』ことになるため、手数料を払わなければなりません。
手数料は、投資リターンに直結する要素であるため、ここを見逃してはいけません。
手数料には、
- 購入時手数料
- 信託財産留保額(解約時の費用)
- 運用管理費(信託報酬)
の3つが主にかかってきます。
『1.購入時手数料』、『2.信託財産留保額』の2つは、売買時にかかる費用ですが、『優良』といわれる投資信託は、これがゼロであるケースが多いですし、一時的な費用であることから(長期投資をするのであれば)あまり気にしなくても良いでしょう。
しかし、
- 『3.運用管理費(信託報酬)』は、投資信託を持ちつづけている限り払い続ける費用
であるため、かなり重要です。
ちかごろの『優良』と言われる投資信託のほとんどは、信託報酬が1%未満と『ごくわずか』に見えなくもありませんが、
- 株式投資によるリターンは、年5~7%程度といわれているため、わずかな手数料でもリターンを大きく減らす
ことになりますので、ここは非常に大切なポイントです。
②すぐに大儲けはできない
私は、この『すぐに大儲けはできない』が、最大のデメリットだと思っています。
個別の企業へ投資したケースでは、その企業が予想外の大成長をすることで、株価が数倍、数十倍にまでふくれ上がることがあります。
しかし、インデックス投資では広く分散投資しているため、投資先の企業1社だけが急成長したところで、手に入るリターンへの影響は少ないです。
これは、分散投資によって1社の暴落によるダメージをほとんど受けないことの裏返しで、致したない面でもあります。
なお、全世界を対象としたインデックスをしていれば、おおよそ5%~7%くらいのリターンが期待できると言われています。
参考までに1900年~の株価の推移をのせておきます。
見ての通り、先進国インデックスに賭けたままお金を寝かせていれば、およそ120年で資産が12,877倍になっています。
年間のリターンは小さいかもしれませんが、時間を味方にすることでインデックス投資は大きなリターンをもたらしてくれることが分かります。
意外と難しい!インデックス投資続け方
さて、『長期間お金を寝かせておくことで、大きなリターンが期待できる』インデックス投資ですが、『寝かせたまま』にできず、ついつい手を入れてしまうことでリターンを減らしてしまうことがよくあります。
というのも、株式市場には歴戦の猛者たちの戦場となっており、
- ただの素人である個人投資家が「いまは売りだ!」「買いのチャンスだ!」と余計な行動をすることで、カモられる可能性が高い
ためです。
であるのにも関わらず、『インデックス投資をしたまま何もしない』というのは意外にも難しいものです。
というのも、
- 日々、自分の資産額が増えたり減ったりし、気になってしまう
- 市場がちょっとでも暴落すると、ニュースなどで取り上げられ、どうしても目に付いてしまう
といったことからです。
世間から入ってくる情報が「株はもうダメだ…、これからは下がる一方だ…」みたいな言葉ばかりであれば売りたくなるのがあたり前で、「これからはメタバース銘柄に注目だ!」と毎日報道されていればメタバースに投資したくなるのもあたり前です。
実際に、SNSなどを見ていると、世間が悲観一色となったタイミングには
「もう引退します」
「株なんかやるんじゃなかった…」
「早く逃げないと大変なことになるぞ!」
といった声があふれ、これに流されないのは意外と難しいものです。
具体的には、2000年以降で最大の暴落であったリーマンショックの時は悲惨そのものでした。
その時のことを『お金は寝かせて増やしなさい』で水瀬さんは下のように言っています。
「100年に1度」と言われた世界的大暴落のリーマン・ショックのときは、米国株式市場が直近のピーク時(2007年10月)から大底(2009年3月)までに55%もの下落をしました。
新聞やテレビでは、連日、「世界同時株安」「バブル後最安値更新」「数千人規模のリストラ」「○○工場閉鎖決定」などと、まるでこの世の終わりのようなトーンの報道ばかりしていました。
私がインデックス投資ブログで相互リンクして懇意にさせてもらっていた30ほどのブログのおよそ半分は、その後更新が停止したか、もしくは、インデックス投資をやめて怪しい投資法に鞍替えしてしまいました(その後、大儲けしたという話は寡聞にして聞きませんが…)
『インデックス投資ブロガー』という、『ただの個人投資家より、職業投資家に少し近い投資家』でさえ、こんな状況であったわけです。
この話からも、『インデックス投資を続けることは意外と難しい』ということが分かります。
しかし、著書の水瀬さんはそんな暴落も乗り越え、いまも投資を続けており、その実績を『お金は寝かせて増やしなさい』の中で公開しています。
水瀬さんのインデックス投資の実績
例えば
- リーマンショックで大暴落
- 自民党政権が誕生して株価が上昇
- 黒田バズーカによってさらに株価が上昇
といった、現実で起きた事象と著書の資産推移がリンクしている形で載せられています。
経験の浅い投資家は「途中で暴落しようとも、長期投資し続ければ資産は高確率で増える」ということを、理解はしているものの、実際にリーマンショック級の大暴落は経験したことがありません。
よって、実際に暴落に遭遇した際に「長期投資すれば資産は高確率で増える」ということを信じ、落ち着いて行動できるかどうかは分かりません。
しかし、著者の実体験を通じて長期投資によるリアルな資産の推移を感じ、自身の投資経験として疑似体験することが可能となります。
これは個人投資家だからこそ読者に伝えることが可能なことです。
この章には、実際の資産額(○○年に、○○万円あった、リーマンショックで○○万円にまで減った)まで書かれており、ドキドキしながらも楽しんで読み進められることができます。
しかし、さすがに他人の資産の推移をここに書くのははばかられるので、興味のある方は実際に本を読んでもらえればと思います。
まとめ:『お金は寝かせて増やしなさい』は投資初心者向けの勉強本
といった感じで、『お金は寝かせて増やしなさい 著:水瀬ケンイチ』の一部を要約して紹介させてもらおました。
繰り返しになりますが、とにかくむちゃくちゃ分かりやすく書かれている本です。
世には投資本が大量に出回っていますが、多くの本は経済学者や経済評論家といった方が書いています。
そういった方々の書いた本には当然有益な情報が記載されていますが、「プロであるが故の思惑」が著書の中に潜んでいます。
それは例えば、
- 証券会社など著者や関係者の所属組織にとってメリットとなる発言
- 著者の「こうであって欲しい」という願望
- 著者の過去の発言を正当化する言い訳
といった内容です。
しかし、本書の著者は一般投資家であることから、そういった内容が(ほとんど?)含まれておらず、著者の本音が読み取ることが可能となっています。
よって、本書はフラットな投資知識を身に付けるために適していると言えます。
本書は販売が13万部を突破して、マンガ化もされるほどの名書です。
それは数多く存在している投資初心者から「読みやすい・分かりやすい」と支持されている為かと思います。
インデックス投資を長期にわたって続けた(日本の)人は多くはいません。
(昔は優秀なインデックスファンドが少なかった為)
本書は、そういった意味でも投資家にとって非常に貴重な情報を提供してくれる本と言えそうです。
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本ブログの読者に”最も伝えたい内容”を整理した記事です。
筆者はこの記事で紹介する本たちの力によって、
- 大きな資産を手に入れ、セミリタイア計画を遂行出来ている
と考えています。
本ほど「”低コスト”で”人生を豊かにする”道具」は他には考えられません。
本ブログのメインテーマとなる記事です。
平凡なサラリーマンがセミリタイアする方法をまとめてあります。
その気にさえなれば誰にでもセミリタイアできることが理解頂けるはずです。
一般投資家は優秀な投資家や優秀な経済学者から学ぶことで、最短ルートで成長することが可能となります。
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