長いこと絶好調でありつづけている株式市場ですが、8月、9月は投資から離れたほうがいいのかもしれません。
というのも、過去30年間のSP&500の月別リターンの平均を分析すると『8月、9月はマイナスリターンだった』ためです。
というわけで、この記事ではそんなことを書いている米債務危機の悪夢再び?夏秋の「株安アノマリー」は投資の好機かという記事を紹介しつつ考察していきたいと思います。
過去30年間のSP&500の月別リターンによると8月、9月は投資すべきでない?
世界の株式市場を代表するアメリカの市場の直近5年間は、以下グラフのとおり順調に推移しています。
出典:S&P 500 Price, Real-time Quote & News
また、世界の市場を占う上で重要となってくる政策金利について、7月27日、28日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利をゼロ近辺にすえおき、
「政策金利の上昇、量的緩和の縮小は、まだ先だ」
と発言したことを好感し、市場は大きく値をあげました。
というのも、米連邦準備制度理事会(FRB)は、量的緩和について
「アメリカの雇用が完全に回復し、インフレ率が2%を超える軌道に乗るまで継続する」
「米経済にさらなる著しい進展が見られるまで継続する」
と以前より発言していたわけですが、今回のFOMCで、
「まだまだ著しく進展しているとは言えない。さらなる雇用の回復を待ちたい。」
と発言し、アメリカ経済の回復が十分でないとの認識を示したためです。
FOMC後の発言によって、
「米経済は、まだまだ回復していない」という、マイナスの事実と
「だから量的緩和を継続する」という、プラスの事実がぶつかり合い、
結果として楽観論が勝ち、株価を上げるようになったわけで、ここら辺が株式投資の面白いところですね。
さて、FOMC後に株価は上昇したものの、冒頭で紹介した米債務危機の悪夢再び?夏秋の「株安アノマリー」は投資の好機かという記事では、
- 8月、9月の投資には注意が必要だ
と警告しています。
8月、9月の投資には注意が必要
その根拠として、過去30年間の月別リターンを調査した以下グラフをあげています。
基本的には、右肩上がりに値を上げ続けている株式市場ですが、6月、8月、9月だけは値を下げています。
また、2021年も同様に株価が下がるリスクがあるとし、
(1)FRBによるテーパリング観測や長期金利の上昇
(2)デルタ型変異株の影響による新規感染者数増加と先行き景況感の鈍化
(3)中国株安や米中対立激化を警戒するリスク回避姿勢
(4)バイデン政権が進める増税や大手IT企業に対する規制強化不安
(5)公的債務上限問題と米国債のデフォルト(債務不履行)リスク
の5つを根拠としてあげています。
確かに、筆者も最近の『好調すぎる株価の推移』を見て「そろそろやばいんじゃないか」と考えていますが、過去の実績から未来の実績を予想するのには注意が必要です。
というのも、
- 過去の実績を分析するなんて初歩的なことは誰もがやっている
- 誰もがやっているレベルの分析で儲けられるほど株式投資は甘くない
と考えているためです。
実際に、株式市場は
- 1月は小型株のリターンが高い
- クリスマスから新年までのリターンが高い
- 月曜日のリターンは低い
といったことが、過去の実績を分析した著書『株式投資』でも紹介されていますが、こういった事実が明らかになったことで
- 多くの投資家が、そのチャンスをついた投資をするようになった結果、それらがチャンスではなくなってきた
ことも分かっており、気軽に過去のデータを分析できようになった昨今では、
- 単純な分析は通用しなくなった
と言っていいでしょう。
よって、平凡なスキルしかもたない個人投資家は、
- バブルに見えようが、過去の実績がイマイチなタイミングであろうが、コツコツ投資を続けること
が着実に資産を増やしていく方法だと言えそうです。
さて、記事の最後に『トムソーヤの冒険』の著書として有名で、投資に関する名言を数多く残しているマーク・トウェイン氏の言葉で、この記事を終わりにしたいと思います。
10月。株に手を出すには、危険な月の1つである。
そのほかにも7月、1月、9月、4月、11月、5月、3月、6月、12月、8月、2月が危険である。
人生には投資すべきできない2つの時期がある。
投資する余裕がないときと、投資する余裕があるときである。
多数派は常に間違っている。
自分が多数派だと知ったら、それは必ず行いを改めるか、一息入れて反省する時だ。
参考記事:お金を呼ぶ29の格言
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