更新日:2021/3/27
インデックス投資家の多くを悩ませている、
- 投資信託とETFのどちらを利用するか?
について取り上げている投資信託とETF。インデックス投資をするならどっち?という記事があったので、紹介&考察していきたいと思います。
本ブログでは、以前【投資信託 vs ETF】世界分散の株式投資の選び方という記事の中で
- ズボラな人は、投資信託が向いている
- マメな人であれば、ETFでもいいかも
ということを紹介させてもらいましたが、その記事からおよそ1年たったので、今回あらためて考えていきたいと思います。
投資信託とETFの扱い方の違いは
ETFとは、『上場投資信託』とも呼ばれることからも分かる通り『市場に上場している投資信託』です。
『市場に上場している』ということは、
- 市場が開いている時間であれば、いつでも売買できる
という性質を持っていることになりますので、株式と同じように「いまだ!」と思ったタイミングでの売買ができます。
しかし投資信託は、ETFと違って上場していないので、買い・売り注文を出したからといって、即座に確定するわけではなく、買った投資信託が自分のものとなるまで数日かかります。
よって、長期投資家にとってこの違いは大した差ではありませんが、デイトレーダーのような投資家にとっては大きな差となります。
なお、『インデックス投資の生みの親』とも言えるジョン・ボーグル氏は自書インデックス投資は勝者のゲームの中で、
ETFはTIF(インデックス投信)をおもちゃに変えたものだ。
賢明なる投資家には実績あるインデックス運用にとどまることを強く求めたい。
と発言しており、
- 長期に渡って資産運用を続けるには、ETFを使って即時取引する必要はない。
- 即時取引が出来ることによって、トレーダーの無駄な取引が増え、手数料を払った分だけリターンがおとる
と警告しています。
さて、『手数料』という単語が出てきましたので、投資信託とETFの手数料を比べていきたいお思います。
投資信託とETFにかかる手数料の違い
インデックス投資であっても、投資先を選ぶ段階で『どの商品を買えば、どれだけのリターンが得られるのか?』を知ることはできません。
しかし、『どの商品を買えば、どれだけ手数料を取られるのか?』は、事前に知ることができます。
つまり、少しでも高いリターンを狙うために『手数料のかからない投資を選ぶ』のは重要なポイントだと言えるわけです。
そこで、紹介する記事では
- 買う時の手数料(投資信託が有利)
- 信託報酬(ETFが有利)
- 売却時の手数料(投資信託が有利)
- 為替手数料(投資信託が有利)
の4つを手数料を紹介しています。
残念ながら、投資信託、ETFのそれぞれに有利な項目があるため、簡単には優劣を決められませんが、ざっくりと言えば
- 売買が多ければ投資信託を
- 売買が少なければETFを
となります。
ETFの『投資信託よりも信託報酬(保有し続けるかぎり払い続けるコスト)が低い』という点は、長期投資家にとって大きなメリットに見えます。
(ETFの保有コストは『経費率』と表現されていますが、ここでは『信託報酬』で統一)
具体例として、代表的な全世界株式分散投資の
- eMAXIS Slime 全世界株式(投資信託)
- VT(ETF)
の『信託報酬』『実質コスト(信託報酬+その他経費)』を比較すると、
- eMAXIS Slime 全世界株式:0.114%(実質コスト0.2%程度)
- VT:0.08%(これが実質コスト)
となり、ETFの方が実質コストが0.134%ほど有利となっています。
具体的には、
- 100万円分の商品を買っている場合、ETFに比べて投資信託のほうが毎年1340円おおくの手数料を支払う
ことになります。
小さな差かもしれませんが、資産が大きくなればなるほど、投資期間が長くなればなるほど、この差は大きく広がっていきます。
ETFには、売買時に手数料を取られることから、手数料についてだけ見ると
- 長期投資するのであればETF
- そうでなければ投資信託
と言えそうです。
というわけで、ここまでを見ると『資産形成には、ETFの方が有利』と見えますが、『筆者が投資信託を選んだ理由』も書いておこうと思います。
投資信託を選んだ理由
投資信託を選んでいる理由をひとことで説明すると『楽だから』となります。
確かにETFを長期保有した時のコストの低さは魅力的ですが、以下の点で投資信託に劣っています。
- 定期購入の容易さ
- 分配金を再投資することの容易さ
投資信託は、
- 毎月○○日に○○円分の購入をする
といった設定が容易にできます。
『タイミングをはかった投資が難しいこと』を考えると、(自分の思考が入り込む余地がない)『定期購入』は非常に便利です。
さらに、『サラリーマンのように定期的に収入のある人』と『定期購入』は相性がよく、
『できるだけ早いタイミングで、できるだけ多くの金額を投入するのが、インデックス投資のリターンを最大化するための方法』だと考えると、非常に効率的です。
(給料日を定期購入する日に設定してしまえばいい)
また、投資によるリターンを最大化するためには、
- 配当金(分配金)の再投資が必須
なのですが、投資信託はそれを自動でやってくれる商品が多く準備されています。
しかしETFは、『配当金を再投資を自動でしれくれるサービス(DRIP)』が一般的ではなく(ないわけではない)、配当金が支払われるたびに、自分で再投資する必要があります。
この2点をもって『楽に投資できる投資信託』を選んだわけです。
個人投資家が投資をするうえで最も重要なことは
- 途中で退場しないこと
であると考えると、『楽に投資できること』は大切な要素かと思います。
よって、
- まずは投資信託を始めてみる
- 投資についての理解が深まり、ETFのデメリットを理解した後でも「ETFに投資したい」と思うのであればETFにも手を出す
というのが、多くの投資家にすすめられる内容かと思います。
投資信託とETFには、それぞれ特長があるため、『○○に投資するべし!』 と言い切ることは難しいですが、いち意見として参考にして頂ければと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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