最終更新日:2020/10/22
バンドワゴン効果とは、株式市場に頻繁にあらわれては投資家に大ダメージを与える事象のことで、人気が人気を呼ぶ効果のことを指しています。
『バンドワゴン効果』の由来は、『バンドワゴン(楽隊車)』の名が示す通り、バンドワゴンに人が集まると、その集まった人を見てさらに人が集まる、という現象です。
別の事象で言い換えると『行列の出来る出店の行列がどんどん長くなる効果』とも言えます。
また、世界三大投資の一人、ジョージ・ソロスの言う『再帰性』とも同じような内容で、
- 株価が上昇したことが要因で株価が上昇する
- 株価が下落したことが要因で株価が下落する
と、いう考え方です。
参考記事:バフェットに並ぶ投資家ジョージ・ソロス
なお、『バンドワゴン効果』は『バブルの発生原因』とも言えます。
バンドワゴン効果が起きている(と思われる)実例
バンドワゴン効果が起きている実例、すなわちバブルと思われる実例として真っ先に思い浮かぶのは『テスラ株』です。
テスラ株は以下グラフの通り急激に上昇しています。
2020年5月には、テスラのCEOイーロン・マスクが160ドル程度まで上昇した株価に対して「テスラ株は高すぎる」と発言したのにも関わらず、8月には480ドルを超える株価にまで急上昇しました。
とうぜん、5月-8月の3か月の間に、テスラの価値が3倍にまで上昇するような事態は起こっておらず、(『期待が高まってきた』という面があるにせよ)『ただ単に人気が上昇して株価が上昇した』と見える状況にあります。
これはまさに『バンドワゴン効果によって株価が高騰した』と言えそうです。
バンドワゴン効果の行く末
バンドワゴン効果の恐ろしいところは、
- 自分ではバンドワゴン効果に惑わされているか気付きづらい
ところにあります。
バンドワゴン効果が生じれば『株価は割田になる』わけですが、『株価が割高かどうか?』と判断することが容易ではないことが理由の一つとしてあります。
株価が割高かどうかは、PER(株価収益率)といった数値で測ることが多いですが、これらは参考にしかならず、結局のところ『どれだけ人気があるのか?』が株価を決めます。
つまり、
- バンドワゴン効果によって、今まで興味を持っていなかった投資家100万人の興味を引くことができた
と聞くと「バブル崩壊が近い!」と考えたくなりますが、
- さらにバンドワゴン効果が広がり、1000万人の興味を引くことができた
となれば、前者の時点では『まだまだ伸び盛りだった』と言えるわけです。
ということは、
- 企業価値を大きく上回る株価で投資したとしても、さらなる人気が集まればリターンが得られる
ことになるので、『俺の投資は間違っていない!』となり『俺はバンドワゴン効果に乗せられてなんかいないんじゃ!』となってしまうわけです。
しかし、本来の企業価値を大きく乖離した株価がいつまでも続くことはなく、一時的には含み益を得ていたとしても、いつかはバブル崩壊と共に大きなダメージを受けることになります。
バンドワゴン効果に惑わされないために
よって、投資家は「含み益が膨らんできているから大丈夫!」と過信することなく、冷静に判断する必要がありそうです。
とはいえ、テスラのように急激に上昇した場合はまだしも、GAFAMのようにゆるやかに上昇を続けている銘柄は、なかなか「これはバンドワゴン効果じゃ!危険じゃ!」と判断することはできません。
参考記事:【アメリカ株のけん引役】絶好調のGAFAMはバブルなのか?
よって、筆者(ひょしおんぬ)は「SNS等で銘柄名をよく見かける」というのを、バンドワゴン効果が生じている or 生じていない、の判断基準にしています。
人によっては、SNSで「○○が買い!俺は投資して儲かってる!」という意見を繰り返し見ると、「わしも買いたい…」と流されてしまう人もいるかもしれませんが、全く逆の考え方です。
「気軽に多くの人の考えを知ることができる、便利な時代になったなぁ…」と思う次第でございます。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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