金融所得課税の増税に注目があつまっているようです。
これに対して
「絶対に増税は許さない!」
とまで言うつもりはありませんが、
「株式投資をしている人は金持ちなんだから、好きに増税せーや」
とも言えません。
というわけで、
「増税するのならこれくらいの対応が必要なんじゃないの?」
みたいな考えを書いていきたいと思います。
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まず、税の役割の一つは『富の再分配』にあります。
つまり『お金のあるところから、ないところへの移動』ということになります。
よって、増税対象は『お金のあるところ』にならなければなりません。
NISA制度の拡大
現在はNISA制度があるため、ざっくりと考えると
- 金融所得課税の増税対象は、NISA枠(1800万円)を超えた金融資産を保有している人
ということになります。
が、たった1800万円を超えただけで『お金のあるところ』と認定されてよいとは思えません。
インフレのない世界でさえ『老後2000万円問題』が提起され、『賃貸であれば4000万円必要』という試算もあったわけですから、これに備えて少額を保有しているだけで『お金のあるところ』とされるべきではありません。
よって、
- 金融所得課税の増税をするのであれば、合わせてNISA枠の拡大が必要
と言えるでしょう。
拡大するのであれば、
- 賃貸の場合は『平均』でさえ4000万円の貯蓄が必要
- そのうえで、平均を大きく超えている(少なくとも2倍ほど)8000万円の貯蓄を『お金のあるところ』とする
がスタートラインになり、ここからインフレを考慮し、
- スタート時のNISA枠を8000万円に拡大し、自動インフレ調整機能(インフレに連動してNISA枠を拡大)を付ける
- または、将来のインフレを考慮し、40年間(労働者である期間)2%のインフレが続いたと想定した1.76億円をNISA枠とする
のどちらかが最低ラインであると私は考えます。
考えます、が、この程度の金額では『将来が不安なので貯蓄を大きくしておきたいと考えている、所得の多くない一般人』も入ってしまう恐れもありますので、違う方向からも考えてみましょう。
1億円の壁
そこで、金融所得課税の議論で『問題』として取り上げられることの多い『1億円の壁』を取り上げます。
1億円の壁とは
- 所得金額が1億円を超えたあたりから税負担率が低下する
ことを指しており、これが
「お金持ちを優遇する税制となっているのだから是正するべし」
「お金持ちに対して増税するのであれば、金融所得への税制を見直すべし」
とつながっていきます。

この是正を目的に『増税』を考えるのであれば、
- 『金融所得+労働所得など』が1億円を超えたラインから課税対象とするべし
ということになります。
よって、
- 労働所得などが1000万円であれば、『金融所得が9000万円を超えた』が増税ライン
となります。
また、話題に上がることのある『資産課税(資産を持っているだけで課税される)』の方向に向かっていくとすると、
金融資産からのリターンが3%だと仮定した時、
- 金融所得が9000万円を超えるには、29.97億円を超える金融資産が必要
となりますので、
- 金融資産30億円超が課税ライン
となります。
これくらいであれば『庶民』がターゲットとなる可能性は低いでしょうから、受け入れられる人も多くいるかと思います。
まとめ
というわけで、ここまでを整理すると
- 金融所得課税を30%にするのであれば、NISA枠を1億前後まで拡大するべし
- NISA枠が拡大できないのであれば、金融所得9000万円超えに増税すべし
- 資産課税をするのなら、30億円超が対象とすべし
といった内容となりました。
これならば『負担できる人に負担をしてもらう』と言える”かも”しれません。
繰り返しになりますが、増税の目的が『富の再分配』にあるのであれば、『ただの庶民』を増税の対象とするべきではありません。でなければ、『庶民からとった税金を庶民に返す』という意味のない仕組みになってしまいます。
そもそも、
- 株式投資には、豊かではない個人投資家であっても、『上場企業』という超裕福な団体の利益を受け取ることができる
という『富の再分配』が起きる仕組みが備わっています。
よって、『富の再分配』をするためには、庶民がより株式投資ができるような仕組みを推進していくべきです。
せっかく広がってきた『普通のサラリーマンによる世界中の上場企業からの搾取』に対して、水を差すようなことをしないで頂きたいと思います。
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税制や歳入・歳出を詳しく理解できているわけではないので、ハッキリと「○○するべし!」「○○は間違っている!」と言うことはできませんので、ただの意見表明でしかありません。
しかし、『多くの人が納得する説明をした上での増税』をしていただきたく、「増税はお金持ちによろしく!」という声をあげさせてもらいました。
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とはいえ、ネコちゃんが「増税やむなし」と判断したら従わざるを得ませんね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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