名著「投資なんておやめなさい」で有名の荻原博子さんが、
という記事を出していました。
ざっとまとめると、
- 投資は減ったり増えたりするものであり、必ず儲かるものではない。
- アクティブファンドが長期目線で投資しているとは限らない。
- インデックス投資であっても『日本のみ』では、長期投資でもほとんど儲からない時期もあった
- 10年間の実績でも、グラフの切り取り方によって素晴らしく見えたり、怖く見えたりする
- 1週間後は多少予想できても、10年後はまったく分からない。
とのこと。
「完全に同意」
たまに、
「つみたてNISAで長期投資なら儲かる」に根拠ゼロ
「長期投資」を考えて運用しているプロは、1人もいないと言っていいでしょう。
のような、極端に偏った意見が書かれている箇所もありますが、基本的には同じ意見です。
特に最後の
- 1週間後は多少予想できても、10年後はまったく分からない。
については、思うところがあります。
1週間後は多少予想できても、10年後はまったく分からない。
私は「長期的には株価は右肩上がりに伸びていく可能性が高そうだ」と考えていますが、「必ず儲かる」とは思っていません。
ただ、
- 長期的に賭けるのであれば、現時点で投資家にとって有利なルールが提供されている『株式』に賭けよう
と考えているだけです。
勝率が5割を超えるような有利なゲームは、繰り返せば繰り返すほどに勝率が上がっていくことになるわけですが、それでも「長期的には必ず勝てる」とは言い切れません。
(かなり高確率で勝てると信じていますがw)
また、私が考える投資における最悪のケースは、
- 世界が核の炎につつまれる
- 人間の手に負えない自然災害・パンデミックが発生する
- 宇宙人に支配される
といった、『世界が激変するような事態』を想定しています。
これらが、発生する可能性は『1週間以内』よりも『10年後』の方が大きいのは明らかであり、「長期投資であれば安心」とは言い切れません。
(まず起きないとは思っていますし、起きたら投資とか貯蓄とか関係なく大惨事ですがw)
極端な例をあげましたが、個別株投資については『長期投資でも安全ではない』がよく当てはまります。
東京商工リサーチによると(未上場を含んでいますが)『主要産業別平均寿命は23.1年』とされており、上場企業はそれより長く30年程度と言われているため、
- 投資先企業Aは、1週間後も変わらず残っている可能性が高いが、10年後には消えている可能性がそこそこある
と言えるでしょう。
荻原博子「私自身も株は大好きです。が…」
なお、投資嫌いであると思われている荻原博子さんは、過去に「私自身も株は大好きですし、いくつか所有しています」といった発言をしています。
また、インデックス投資についても以下のように見識あるコメントをしています。
あの世界的に有名な投資の神様のウォーレン・バフェットも「すべての投資家にとって最良の方法は、最も手数料の安い”インデックスファンド”を持つことである」と言っています。
投資の世界では、プロ同士が常にしのぎを削っています。
みんな少しでも儲けようと、隙間をつくような投資を繰り返していて、そのために常に隙間は埋められ、株価は適正な水準に収斂されていくと考えられています。
その適正価格が、インデックスと言われています。
であるのにも関わらず、投資に対して批判的な意見を述べることが多いです。
その理由は、荻原博子さんが様々な投資を紹介する著書『ちょい投資』に書かれています。
なぜ、現金主義の私が、投資の本を書いたのか。
それは、金融機関の言うがままに投資して、財産を増やすどころか減らす人があまりにも多いからです。
投資をしたいという気持ちにつけ込まれ、投資初心者がカモにされている!
だとすれば、カモにされずに投資を楽しむためには、どうすればいいのかという本が必要だと思い、執筆した次第です。
今、投資初心者をカモにしているのは、金融機関だけではなく、巷に溢れかえるインフルエンサーたちの中にもいます。
なかには、
「長期投資なら大丈夫!」
「インデックス投資なら心配ない!」
といった、極端に投資に楽観的な発言が聞こえてくることもあります。
こういった極端な楽観論と戦うには、極端な悲観論が必要です(?)
昨今、投資に対するポジティブな意見が支配的となりつつあると感じています。
しかしヘーゲルの弁証法のように、正しいと言われている理論(テーゼ)に対して、あえて反対の理論(アンチテーゼ)をぶつけることにより、よりよい考え(ジンテーゼ)が導き出されることがあります。
そこで、荻原博子さんのように投資に対してネガティブな発言をする人が一定数必要であると私は考えます。
対極する意見がぶつかりあうさまを見ていると、
- お互いに批難・批判しあっているだけで、建設的な会話がまったくない
なんてことがよくあります。
しかし、私たちは第三者となることで批難・批判から一歩引いてその状況を見つめ、よりよい考えを導けるはずです。
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最後に、
投資に批判的なことを口にすれば、たちまち罵詈雑言が浴びせられるのが今の世の中です。
であるのにもかかわらず、ブレずに投資について批判的な発言を繰り返す荻原博子さんを、これからも応援していきたいと思います。
というわけで、荻原博子さんを好きになったあなたのための記事を紹介して終わりにします。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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