「私自身も株は大好きですし、いくつか所有しています」
と言いつつも、投資に対してネガティブな発言が目立つことが多く、投資家界隈で何かと話題に上がることの多い荻原 博子さん。
個人的には、この動画が「荻原の投資に対する考えはおかしい」と考える人を増やしたきっかけとなっているのではないかと思います。
確かに、この動画における荻原さんの発言は支離滅裂で、『聞くに堪えないレベル』で、まったくもって理解できない考え方の持ち主であるように感じます。
しかし、荻原さんの本を何冊か読んでいると、
- 私とは投資に対するスタンスがまったくく違うものの、考え方については似ている個所が結構ある
ということが分かります。
例えば、最近読んだ荻原さんの著書『コツコツ投資が貯金を食いつぶす』には、
- 投資信託はよく分からない商品でも「プロ任せだから安心」と検討せぬまま買いやすいので危険
- 高い販売手数料・信託報酬の商品は、販売元が儲けるための商品である
- 毎月分配型投信は危険
- 為替はセオリー通りに動いてくれず、読むことは困難である
- NISAは5年という制限があるから、単純にはおススメできない
- 暗号資産は投機である
などなど、『あたり前のコト』が結構書かれています。
んで、
「それなのに何で「投資なんかおやめなさい」という結論にたどり着くんだろうか?」
と考えていたら、以下の仮説にたどり着きました。
それが、萩原さんは
- 日本の株式のことしか見ていない
- 『長期投資』を『数年間の投資』だと考えている
- 『高手数料の投資信託』ばかり存在している時代しか見ていない
ということです。
日本の株式しか見ていなければ、
- 日経平均は、1989年12月29日の大納会に日経平均が3.9万円の最高値をつけ、いまだそれを大幅に下回っている
という事実を見れば、「投資なんかおやめなさい」という言葉が出てくるのは自然なことです。
また、投資を数年レベルでしか考えないのであれば、過去を見ている限りマイナスリターンになっていたケースは数えきれません。
また、10年、20年ほど前までは
- 株式投資といえば日本株
- 投資信託はぼったくり商品
といった考え方が広がっており、その時の考え方からアップデートできていないのであれば、「投資は危険である」という主張もよく分かります。
さらに、『コツコツ投資が貯金を食いつぶす』に書かれている
「投資信託で分散するのでなく、身近な企業に個別投資しなさい」
というアドバイスは、世界最高の投資家の一人に数えられるピーター・リンチによる個人投資家へのアドバイスと同じ内容となっています。
投資信託に『ぼったくり商品』しかないのであれば、投信を利用することなく、身近な銘柄に投資した方がマシであることには同意です。
しかし、現代は、
- 日本以外の株式へも気軽に投資できる
- 優良な投資信託が数多く存在している
という状況にあるため、『コツコツ投資で資産を増やす』ことが比較的容易にできる時代となっています。
そんなわけで、
「荻原さんは、情報をアップデートできていないだけで、『過去のごく狭域の投資』に対しては、わりかし正しいことを言っている」
なんてことを思ったわけです。
もちろん、『オモシロ経済評論家』という自分のポジションを守るためのトークである可能性もありますが、私は「真剣に考えた結果がアレ」という気がしています。
現代において『投資は必須』であり、投資を避けている人々は、投資家に比べてかなり苦しい状況を招くことが予想されます。
しかし、これは『まともな投資』に限った話であり、極端にかたよっていたり、ハイリスクな投機を『投資』とするのであれば、やらない方がましです。
というわけで、『投資』と『投機』の区別のつかないように人に対しては、「投資なんかおやめなさい」というアドバイスは非常に理にかなったものであると、考えさせられました。
投資に対するポジティブな本を読んでばかりいると考えが偏ってしまいがちなので、たまにはこういった本を読んでみるの重要だと思い、著書『コツコツ投資が貯金を食いつぶす』を参考に、荻原さんの主張を紹介させてもらいました。
とはいえ、投資家が本棚に置いておくのもアレな本なので、図書館で借りてきて読むくらいにしておきましょうw
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