charles SCHWABから『2025年の世界展望(2025 Global Outlook: Clearing the Hurdles)』なる記事が公開されていたのでご紹介。
ざっとまとめると、
- 2025年の世界GDP成長率は約3%となる見込み(2024年と同程度)
- アメリカ・中国という2大国の経済成長率は、2025年に鈍化すると予想。
- しかし、他のほぼすべての国は成長率が改善すると予想。
- 世界経済は平均以下の成長率となるが、回復傾向にあるため堅調なリターンが期待できる。
とのことでした。
では、個別に見ていきましょう。
世界経済成長に対する最大のリスク
charles SCHWABは、
- トランプ次期大統領による関税強化が、世界経済成長にとって最大のリスクとなる可能性がある
としています。
トランプ案の関税が実現されれば、以下グラフの通り、過去に例を見ない税率となり、その影響は計り知れません。
とはいえ、charles SCHWABも
- 極端な関税シナリオがそのまま実行されることはないだろう
- なぜなら、第一期トランプ政権時にも「強い関税をかける」との脅しをしていたものの、実際は交渉による貿易協定を終結していたからだ
- 「強い関税をかける」という言葉は、ただの交渉ツールにすぎない
と分析しています。
実際に、この交渉ツールを利用しているのはトランプだけではなく、最近だけでも
- 欧州による中国製EVへの最大45%関税
が話題になりましたが、関税撤廃にむけての交渉がされています。
というわけで、トランプ関税による大混乱はないだろうと予想はできるものの、ある程度は関税が強化される可能性はあります。
しかし、それによる経済成長の下振れリスクは大きくなく、
- IMFによる「アメリカがすべての輸入品に10%関税。欧州、中国も10%の関税を課したケース」では、「世界GDP成長率は0.1%しか低下しない」と発表されている
としています。
その他リスク
charles SCHWABは、関税以外にも以下2つのリスクをあげています。
- 地政学的紛争:現時点では、ウクライナ・イスラエルでの紛争が市場経済へ大きな影響を与えてはいないものの、『紛争の長期化』や『ロシアやイランの石油施設が標的となったケース』においては、大きな影響を及ぼすおそれがある。
- インフレと利下げ:市場は「2025年、主要国は利下げをしていくだろう」と予想しているものの、これが逆転するリスクもある。実際に(利上げ・利下げを先取りしていた)ブラジルでは再利上げが進んでいる。
日本経済予想
日本経済については以下予想をしています。
- 2025年は経済成長率が1.1%に回復する(2024年は0.3%)
- 日銀は2025年にも金利を引き上げる可能性が高いが、賃金上昇に支えられて悪影響を及ぼす可能性は低い。
- 1株当たり純利益の成長率は。長期平均に近い9%となる予想。
- 日本株が世界平均を超えるためには、内需増加だけでなく、世界的な個人消費の回復の恩恵を受ける必要がある。
- また、利上げにより、国内投資家が資本を日本に戻す可能性がある。
ヨーロッパ経済予想
続いて、ヨーロッパ経済予想です。
- 2025年は、経済成長率が1.2%に回復する(2024年は0.8%)
- 金利引き下げという刺激先が続いているため、2025年には成長の回復が期待できる。
- ただし『輸出が不調』『政府支出の削減』によって、成長率は平均(過去30年平均は成長率1.5%)を下回る可能性が高い。
- 自動車や高級ブランドなどの輸出需要の低迷が一因となり、1株当たり純利益の成長率は、8%をやや下回ると予想。
中国経済予想
最後に中国経済予想です。
- 『不動産市場の還俗』『急激な政策変更による信頼感の低下』などにより、消費者心理が妨げられており、2025年も引き続き減速する可能性が高い。
- 貿易リスクも加わり、1株当たり純利益の成長率は。ウォール街のコンセンサスである9%を下回るリスクがある。
- これらリスクがあるため、中国株は安値となっており、成長改善につながる刺激策が成功すれば、他国を超えるパフォーマンスを出す可能性がある。
---------
といった感じで、charles SCHWABの『2025年の世界展望(2025 Global Outlook: Clearing the Hurdles)』を紹介させてもらいました。
基本的には、
- 2025年は去年よりも良い年になるぞ!!
と感じられる内容だったかと思います(中国除く…)
ただ、もちろん「来年は良くなる!」という予想はすでに株価に織り込まれているため、予想通りに素晴らしい経済成長をしたところで、株価がそれに応じて上昇していくとは限りません。
よって、これらを見て「これだ!」と安直に投資行動に結びつけないよう注意しかねればなりません。
とはいえ、経済成長によって生活が多少なりとも豊かになるであろうことは想像できます。
最後に、
- これからも世界経済が成長していき
- ひいては私の生活が豊かなものとなり
- 読者のみなさまの生活も豊かなものとなり
- 心がすさんでいる人々もゆとりが持てるようになり
- やさしい世界が爆誕する
ことを祈ってこの記事を終わりにしようと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
------
あなたのクリックが本ブログの評価を決定します。以下バナーをクリック頂けると嬉しいです。よろしくお願いします^^
ツイッターでは記事の公開を通知したり、投資に関係するニュースを取り上げたりしています。よろしければフォローをお願いします!