近ごろ、しょっちゅうアメリカ株式の史上最高値が報道されてますね。
アメリカ株式は以下のように長期的に見れば右肩上がりに株価を上げ続けているので、ある意味あたり前の現象です。
<アメリカ株式(VTI)の推移 2008年7月~>
そして、全世界株式についても、上昇幅はマイルドになっているものの、アメリカ株式と同じように右肩上がりに上昇しています。
<全世界株式(VT)の推移 2008年7月~>
しかし、新興国株式だけは違うようです。
<新興国株式(VWO)の推移 2008年7月~>
(チャートはすべてVTが誕生した2008年7月から現在まで)
これは悲惨。
この間、『新興国が経済成長していなかった』なんてことはなく、むしろアメリカよりも大きな成長率だったわけですが、株価はほぼ横ばい…。
「これからは新興国だ!」と新興国に全張りしていた投資家にとって、この15年間は投資妙味のない期間だったことになります。
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さて、これを取り上げたわけですが、決して
「新興国株式ワロスwwwww」
「VWOに集中投資していた人たちは残念でしたwwww」
と笑いものにしたかったわけではありません。
この記事を書いている目的は
「同じような衰退が、日本株式やアメリカ株式に起きてもおかしくないぞ!」
と警告することです。
上記新興国株式のチャートであるVWOは中国、台湾、インドなどを中心として、新興国24か国に分散投資しているETFです。
繰り返しになりますが、新興国経済は順調に成長しており『経済成長すれば株価も上昇していく』と単純に考えれば、VWOは順調に上昇していなければなりません。
しかし、残念ながらそのようにはなっていません。
結局のところ株価は、投資家の試算、お気持ちによって決定されるため、実体経済がどのようにあろうとも、多くの人が悲観すれば株価は下がるし、そのまま悲観から脱することがなければ株価は横ばいであり続けることになります。
この『実体経済は成長しているのに株価は低迷する』は、期待値が高ければ高いほど、その後に起きやすくなります。
例えば、
「これからはアメリカ経済は圧倒的に成長していくんじゃああああ!!」
と多くの人が考えていたのであれば、その後の実態が「ボチボチの成長」となった時に、株価が下落、長期にわたって低迷することになってもおかしくありません。
これは、どの銘柄、どのインデックスに起きてもおかしくありません。
2008年~15年間では、それが偶然VWOだったというだけです。
というわけで、新興国株式の低迷から
- どんなインデックスであっても長期低迷するリスクはあるのだから、できるだけ広域に分散しよう
- しかし、どれだけ広域に分散したところで「確実に右肩上がりが期待できる」わけではないことは肝に銘じておこう
を学ばなければなりません。
2008年にあったリーマンショック以降、大きな暴落は起きておらず(コロナショックは暴落と言えるレベルではない)、「インデックス投資していれば余裕www」という慢心が生まれやすい状況にあります。
であるからこそ、この場を使って
- インデックス投資であっても、苦しい時期を経験しなければならない時はある
と警告しておきたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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