世界最大規模のヘッジファンドのマネージャであるレイ・ダリオは、
「間違った判断をしないように瞑想を取り入れている」
と言います。
レイ・ダリオは、ご存じの通りヘッジファンドのブリッジウォーターの創業者・ファンドマネージャで、ブルームバーグによると157億ドル(フォーブスによると180億ドル)の個人資産を持ち『世界で123番目に裕福な人物』とされている投資家です。
ブリッジウォーターは1975年に設立され、2021年3月時点で運用資産が1,400億ドルを超えている世界最大のヘッジファンドです。
そんなレイ・ダリオですが、うえであげたセリフの他にも
「瞑想は、私が成功した最も重要な理由だ」
と、2018年にCNBCのインタビューで、瞑想の効果を説いています。
Bridgewater Associates' Ray Dalio: Meditation is key to my success
レイ・ダリオは2017年にブリッジウォーターのCEOを辞任しており、
「これからは、自分の成功の役に立った知識を広げていきたい」
という発言をしています。
「瞑想が成功のキーとなった」という言葉は、この思いからきている発信であり、各所で繰り返し発言していることから、レイ・ダリオが瞑想に大きな効果があると考えていることが分かります。
他にも、2022年6月にポッドキャストにて、
「私は瞑想を実践することで、平静さと落ち着きを取り戻し、感情に支配されることなく、うまく投資できるようになりました。」
との発言をし、
A chat with Ray Dalio - The Hustle
Youtubeでも
「1回20分の瞑想を1日2回行っており、それによって潜在意識に入ることで創造性が得られる。」
との発言をしています。
「投資のリターンをあげるために瞑想しよう」
なんて考えたことがある人はほとんどいないでしょうが、世界最大のヘッジファンドのマネージャであるレイ・ダリオが「瞑想は投資に重要」と言っている以上、無視はできません。
とはいえ、意外と投資にとって瞑想が的外れな行為ではないということも、少し考えてみれば理解できます。
瞑想には、
- 集中力の向上
- 記憶力の向上
- 注意力の向上
- ストレスの軽減
などといった様々な効果がありますが、レイ・ダリオは
- 感情をコントロールする力の向上
に重きを置いているようです。
感情に身を任せて投資をしてはいけないことは、誰もが理解していると思いますが、それでも時には感情に負けて投資をしてしまうことがあるかと思います。
例えば、『投資先、投資タイミングを選ぶことは、リターンを押し下げる』と考えているインデックス投資家であっても
- 個別の銘柄に手を出す
- 流行りの投資信託に手を出す
- レバレッジ商品に手を出す
- 「これから下がりそう」と考えて売りに入る
- 仮想通貨を買う
なんて余計な行為をしてしまうのは、『感情に負けた結果』と言えるのではないでしょうか。
(こんなブログを書いている私でさえ、感情に負けてしまうことがあります…)
よくネタにされる、
- 成績の良かった人の属性の一位は『亡くなっている人』、二位は『運用しているのを忘れている人』
というフィデリティ証券の調査結果がありますが、これなんかはもろに
- 感情に負けて余計な行為をしてしまうと、リターンを押し下げることになる
ということを表していると言えるでしょう。
なお、瞑想にも色々な種類がありますが、レイ・ダリオは『超越瞑想』を使っているそうです。
レイ・ダリオの行う『超越瞑想』とは
超越瞑想とは、頭の中で特定の言葉(マントラ)を繰り返す瞑想のことです。
例えば「なむあみだぶつ」と頭の中で唱えつづけるような行為です。
マントラは、どんな言葉であってもいいので、
「インデックス投資、インデックス投資、インデックス投資…」
と唱えてもいいでしょう。
近ごろ注目があつまっている(私もよく行っている)マインドフルネス瞑想は、『呼吸に集中する』ことで、心を落ち着かせる、集中力を鍛える、といった効果を狙っているわけですが、(やってみれば分かりますが)これが案外むずかしいのです。
瞑想しながらも、つい呼吸以外のことに意識が向いてしまい、
「明日は仕事で○○をやろうかな~」
「週末は○○に行こうかな~」
みたいな考えが出てきてしまいます。
これは、『呼吸に集中する』という行為が、あまりにもヒマすぎるためです。
その点、超越瞑想は『マントラを唱え続ける』という『やること』が存在しているため、マインドフルネス瞑想に比べて実践しやすい、と言えるでしょう。
個人的には、
- マインドフルネス瞑想は、集中しづらいことに集中しようとするため、集中力を鍛える効果が大きい
- 超越瞑想は、『やること』をしている限り余計な考えが浮かんでこないので、心を落ち着かせる効果が高い
と思っています(ただの素人の意見ですが…)
その点で、『投資の判断を迫られているため、冷静にならなければならない』という状況に向いているのは、超越瞑想だと言えそうですね。
レイ・ダリオの瞑想のきっかけはビートルズから
ちなみに、レイ・ダリオが瞑想を始めたきっけかは、ビートルズにあるようです。
ビートルズは1968年にインドを訪れたときに瞑想に出会い、それから瞑想を始め、普及にも力を入れるようになりました。
ビートルズファンのレイ・ダリオは「そのことを知り瞑想を始めた」と言います。
2017年にツイッターで、「48年間瞑想を続けている」と発言しているので、1969年ごろから瞑想を開始し、2022年時点では53年ものあいだ瞑想を続けていることになります。
I have meditated for 48 years. It's been the biggest reason for my well-being and whatever success I've had. https://t.co/DXqIvhES0O
— Ray Dalio (@RayDalio) 2017年5月24日
毎日おこなう20分×2回の瞑想は、結構な時間をうばうことにもなりますが、であるにも関わらず53年も続けていると聞くと、「瞑想の効果は本当にあるんだなぁ…」と考えさせられます。
と、「考えさせられる」と書きましたが、超越瞑想の効果はハーバード大学メディカルスクールや、スタンフォード大学、イェール大学など多くの機関で研究されており、600以上の研究結果から「効果あり」ということが実証されているので、いまさら疑う必要がないところにまできています。
レイ・ダリオのすごさは、『瞑想が科学的にも効果あり』だと実証される前から(おそらく『スピリチュアル扱い』されている時代から)瞑想の効果を見抜き、続けてきたところにあるのだと思います。
レイ・ダリオの瞑想の師について
最後にレイ・ダリオの瞑想の師匠である、非営利の瞑想組織であるデビッドリンチ財団のCEOボブ・ロス(Bob Roth)を紹介したいと思います。
ボブ・ロスはレイ・ダリオから「私が知っている最高の師」と言われる人物で、各業界のリーダーたちに『瞑想の科学』を伝える活動を行っています。
ボブ・ロスの代表的な著書は、Strength in Stillness: The Power of Transcendental Meditationで、レイ・ダリオも「瞑想をしたことがない人にもおススメの本だ」と、紹介しています。
実際に、レイ・ダリオが代表を務めたブリッジウォーターでは、社内研修にておよそ700人の従業員にこれを利用させています。
このことからも、レイ・ダリオの瞑想に対する信頼が分かりますね。
まとめ:レイ・ダリオの成功の秘訣は超越瞑想にあり!
といった感じで、レイ・ダリオと超越瞑想の関係につて紹介させてもらいました。
レイ・ダリオは、超越瞑想を「成功の秘訣」と言い、現役を引退してからは超越瞑想を広めようと活動しています。
『瞑想をしていなかったら、レイ・ダリオは成功できなかった』ということはできませんし、『成功者が偶然成功していただけ』なのかもしれませんが、瞑想に様々な効果があることは科学的にも実証されています。
よって、投資に関して、
- いっときの感情に流されて売買してしまうことがある
- つい流行りものに手を出してしまう
- 株価が下落してくると、先が心配になってしまう
- 株価が上昇局面にあるとき、「これからも上がり続けるだろう」と妄想してしまう
などの『一時の感情』に流されそうになる方は、瞑想を通じて『自分をコントロールする力』を身に付けることで、投資のリターンを上げることが期待できそうです。
なんによせ、瞑想は無料で行うことができるものなので、試しにやってみてはいかがでしょうか。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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