この記事では、著名な米国株トレーダーであり『年間平均リターンは220%』という驚異的なリターンを上げてきたマーク・ミネルヴィニ（Mark Minervini）を紹介したいと思います。
マーク・ミネルヴィニが、
- どのような考え方をし、
- どのような方法で投資先を選び
- どのような実績を挙げてきたのか
を学んでいっていただければと思います。
＜目次＞
- マーク・ミネルヴィニとは
- マーク・ミネルヴィニの投資法概要
- マーク・ミネルヴィニの具体的な投資法
- マーク・ミネルヴィニの著書
- マーク・ミネルヴィニの資産・年齢など
- マーク・ミネルヴィニのTwitterやYoutubeでの発信
- まとめ：脅威の米国株トレーダーマーク・ミネルヴィニを紹介
マーク・ミネルヴィニとは
マーク・ミネルヴィニは『アメリカで最も成功した株式トレーダーの一人』と考えられている、ウォール街で37年以上活躍するベテラントレーダーです。
日本でも、
といった著書を出しており、特にアメリカの成長銘柄への投資をしている個人投資家から注目されています。
マーク・ミネルヴィニの代表的な投資実績は、1994年～の6年間にあげたもので
- 年平均220%のリターンをあげ、6年間トータルで33,554%という驚異的なリターンをあげた
- マイナスリターンになった四半期は一度だけで、それも1%未満のマイナスだった
と、この実績からは
- 大きなリターンを手にすることができるだけでなく、リスク管理もしっかりしている
ということが分かります。
有名なエピソードとしては、
- ITバブルが始まる前である1998年には、「大手IT銘柄に投資せよ」と推奨し、
- 2000年のITバブル崩壊前に「これからはナスダックの人気大型株が落ちていくだろう」と発言していた
といったものがあり、これによって多くの顧客に大きなリターンをもたらしたことがあります。
最近の発言を取り上げると、
- 2020年2月の新型コロナパンデミックによる下落の直前に「売り」を顧客に進言していた
- その後、本格的な上昇が始まる前の2020年4月には「買い」を進言していた
- 2022年の下落が始まる前（2021年11月）に、「売り」を進言していた
と、ほぼ完ぺきとも思えるようなタイミングで「売り」「買い」の進言をしていました。
(参考：S&P500の推移)
では、そんなマーク・ミネルヴィニの『投資法』を見ていきましょう。
マーク・ミネルヴィニの投資法概要
マーク・ミネルヴィニの投資の考え方をざっと説明すると、
- 上場間もない小型株に投資せよ
- 明確な上昇トレンドにのって投資せよ
- 数少ない素晴らしい銘柄に集中投資せよ
- 短期間に大きなリターンを上げて手仕舞いせよ
といった感じになります。
そのマーク・ミネルヴィニの代表的な投資法が『SEPA（Specific Entry Point Analysis）』という投資法です。
SEPA（Specific Entry Point Analysis）とは
SEPAは、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせた手法で、その目標は「株を買ってすぐに利益を手に入れる」ことです。
SEPAとは、その名の通り
- Specific ：特定の
- Entry Point：エントリーポイント（買いタイミング）を
- Analysis：分析する
手法で、
- 「今こそ買い時じゃあああああああ！」というタイミングを見極めて投資する方法
のことを指しています。
そのSEPAには以下5つのポイントがあります。
- トレンド
- ファンダメンタル
- カタリスト（相場に影響する材料、イベント）
- エントリーポイント
- エグジットポイント
具体的には、
- 大きなリターンを手に入れられる局面は、明確な上昇トレンドが見られるのでそれを確認し、
- 企業の売上、利益の上昇、利益率の改善が見られる銘柄を見つけ
- 銘柄の本質的な価値と、相乗効果を生み出すカタリストを見逃さず
- 買うべきタイミング（エントリーポイント）で買い
- 売るべきタイミングで（エグジットポイント）売る
といった内容となります。
どれも『あたり前』と捉えられるかもしれませんが、
- 上昇トレンドがあるから買い
- 業績はボチボチだけど、割安だから買い
- 企業にとっていいイベントがあったから買い
などのように、単一の要素だけでは買わずに、
- アレもコレもソレも、全部の条件に当てはまったら買い
と、厳選しているところが重要なポイントとなります。
そして、この『厳選』に当てはまる銘柄は、『新しい銘柄』である可能性が高いとしています。
『新しい銘柄』に賭ける
マーク・ミネルヴィニは、
「超パフォーマンス期は、IPOから10年以内の比較的に新しい銘柄にやってくることが多い」
「ほとんどの企業は、比較的小規模なときに大きな成長を見せ、企業が洗練されてくると企業の成長が落ち着いてくるのに合わせて、株価の上昇ペースも下がってくる」
と考えています。
また
- 小型株は流動性が低いため、少しでも需要が集まることになれば、大きく株価が上がることになる
という面でも、『新しい小型株』をメインターゲットとして選択しています。
ただし、マーク・ミネルヴィニは、
「SEPAで正しく銘柄を選べるようになるためには、時間をかけ努力する必要がある」
とも言っているので、残念ながら一朝一夕でマネできるようになるわけではなさそうです。
（出典：Specific Entry Point Analysis: The SEPA Strategy）
また、マーク・ミネルヴィニは『ボラティリティ収縮パターン (VCP) 』を利用していることでも知られています。
ボラティリティ収縮パターン （Volatility Contraction Pattern） とは
ボラティリティ収縮パターン (VCP)は、
- ジェシー・リバモア(元祖投機家)
- ウィリアム・オニール
- リチャード・ワイコフ
といった有名なトレーダーによって広められた考え方です。
ボラティリティ収縮パターンは、市場のボラティリティ（変動性）が徐々に縮小していくパターンを指しており、このパターンの発現によって「買い」と判断をすることができます。
ボラティリティ収縮パターンが発生すると、株価の変動が通常よりも小さくなり、横ばいに推移するようになります。
つまり、投資家の関心が減っている状態を指します。
しかし、このパターンが発生した後には、急激にボラティリティが増加（株価が上昇）していくトレンドに移行する傾向があります。
そこで、マーク・ミネルヴィニはボラティリティ収縮パターンの発生を、投資するための材料の一つとして利用しています。
（出典：How to trade the Volatility Contraction Pattern - GO Markets）
マーク・ミネルヴィニの具体的な投資法
そんなマーク・ミネルヴィニは、以下8つをトレーディングの重要なポイントとして挙げています。
1- リスクを管理を徹底する
『売り』を重視し、必要以上にマイナスリターンを広げないように、
- 取引を開始する前に、『取引を手仕舞うタイミング』を決めておく
ことが重要。
2- 不利な状況では投資しない
トレードするのに不利な状況にあった場合は、きっぱりと損切りする。
代わりに、有利な状況であることを見定めることができたタイミングで、再度トレードを開始すること。
3- 利益を確保する
トレーダーとして最もやってはいけないことの 1 つは、『大きな利益を小さな損失に変えること』である。
利益のあるポジションを持っている場合は、慎重に今後についての状況を分析し、できるだけ早く利益を確定する必要がある。
4- 損益分岐点を守る
『売り』のポイントの一つとして『買値』を指定しておく。
理想的には、価値が上昇する前に株を所有し、買値よりも高い価格で『売り値』を設定しておき、保証された利益を確保する。
5. 底値で買おうとするなかれ
『底値で買う』を目指そうとするのではなく、『明確な上昇トレンドが見えたら買う』を徹底する。
6- ポートフォリオを集中させる
優れたリターンを生み出すことができる銘柄は限られている。
分散投資するのではなく集中投資せよ。
7- 取引のタイミングを計る
長期投資するのではなく、
- テクニカル的にも、ファンダメンタル的にも有望なタイミングで買い、十分な上昇をしたら売る
スタイルを崩すな。
8- リードする企業に賭ける
『セクター』に注目するのであれば、その中をリードする企業に集中的に投資せよ。
（出典：Mark Minervini’s Trading Strategy: 8 Key Takeaways）
マーク・ミネルヴィニのは、このトレーディング戦略により、米国の投資チャンピオンシップで
- 1997 年に、年間255%の収益をあげて優勝
- 2021 年に再びエントリーし、334.8%のリターンをあげて優勝
と、複数回投資チャンピオンに輝いています。
いやはや、すごいリターンですね…。
マーク・ミネルヴィニの著書
マーク・ミネルヴィニは主にアメリカで活躍しているトレーダーですが、日本語の著書もいつくか出版しているので、紹介します。
この本は、マーク・ミネルヴィニが中学校を中退してから億万長者になるまでに用いた『自分の力を最大限に発揮する手法』が書かれています。
投資に限った話ではなく、マーク・ミネルヴィニの思考を学びたい人に向けた本となっています。
マーク・ミネルヴィニやデビッド・ライアンなど、米最高峰の成長株投資家が130の質問に答えた著書。
例えば、
- 一貫して利益を出せるようになるまでに、どれくらいかかる？
- レバレッジはかける？
- 高水準のトレードに生まれつきの才能が必要？それともスキルは学べる？
- 少額の資金から株取引をはじめて、お金持ちになれる？
- 大型株と小型株では銘柄選択の基準が異なる？
- 利益率かROEを利用する？
といった質問に対して、マーク・ミネルヴィニの考えを知ることが出来ます。
その名の通り『マーク・ミネルヴィニの投資法』が書かれている著書です。
例えば、
- 最良の銘柄を大幅に上昇する前にどうやれば見つけられるのか
- ほとんどの投資家がする手痛い間違いをどのように避けるか
- いかに損失をコントロールして、利益を守るか
- 高リスクの状況をいかに避けるか
- 正確にいつ買って、いつ売るべきか
- 新規公開株を買う方法
- 急上昇して並外れたパフォーマンスを達成する銘柄に伝統的な株式評価が通用しない理由
- マーク・ミネルヴィニが行ったトレード例
といったことが書かれているので、気になる方はどうぞ。
さて、ここからはマーク・ミネルヴィニの個人的な情報を紹介しようと思います。
マーク・ミネルヴィニの資産・年齢など
マーク・ミネルヴィニは、アメリカ在住のキリスト教徒です。
SNSでは頻繁に発言する人間ですが、生い立ちや家族の情報などの発信はほとんどなく、私生活名では謎が多い人物です。
マーク・ミネルヴィニの年齢
マーク・ミネルヴィニは1965年1月22日生まれで、現在(2023年)の年齢は58歳です。
まだまだ『現役』という年齢ですね。
マーク・ミネルヴィニの資産・年収
マーク・ミネルヴィニは2022年末時点で約3,000万ドルの資産をもっていると推定されています。
また、年収は約300万ドルだと言われています。
（出典：Mark Minervini Age, Net Worth, Height, Wiki, Wife）
マーク・ミネルヴィニのTwitterやYoutubeでの発信
マーク・ミネルヴィニは、Twitterで多くの発信をしているので、気になる方はこちらからどうぞ。
また、Youtubeには以下の動画がアップされています。
まとめ：脅威の米国株トレーダーマーク・ミネルヴィニを紹介
といった感じで、マーク・ミネルヴィニを紹介させてもらいました。
私はインデックス投資家なので、マーク・ミネルヴィニのことを学びはすれど実践に移すことはありません。
しかし、
「アクティブ投資家（というかトレーダー）は、こうやって考えて投資しているのか…」
と非常に学ぶことの多い人物でした。
多くの個人投資家にとって、インデックス投資はよい選択であると確信を持ってはいますが、個別銘柄への投資で力を発揮する投資家がいることも確かです。
また、トレード方法を学び、自分なりの戦略を考案していく行為に喜びを見出す人もいます。
そういった人にとって、マーク・ミネルヴィニはよい教材になってくれると言えるでしょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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