「タイミングの悪さによって、『ファンドのリターン』よりも『そのファンドに投資している投資家のリターン』は1.7%も低くなっているぞ!!」
という面白いデータがあったので紹介。
Bad Timing Cost Investors One Fifth of Their Funds’ Returns
具体的には、
- 2022年までの過去10年間の『ファンドリターン』『そのファンドへ投資している投資家のリターン』を比較
- ファンドの平均リターンは年7.7%
- 投資家の平均リターンは6.0%
- つまり、投資家は売買タイミングの問題によって、リターンを5分の1も減らしている!
ということが報告されています(信託報酬的なコストがどう扱われているかは不明)
「そう簡単にタイミング投資を成功させることはできんよ!」ということは理解していますが、それにしても損失が大きいですね…。
また、ファンドのカテゴリー別で比較すると、こんな感じです。
タイミングよく売買することができれば、投資家リターンがファンドリターンを超えることも可能ですが、残念ながらどのカテゴリーにおいても投資家リターンの方が下回っています。
とくにセクターファンドがひどく『投資家のリターンはファンドリターンの60%しかない』という状況にあります。
なお、乖離がもっとも低いアロケーションファンドとは、複数の資産に分散管理するファンドで、『株式60%、債券40%』のような形で運用するファンドです。
もしかしたら、こういった『無難なファンド』に投資する人の多くは『頻繁に売買しない』がためにファンドリターンに近しい結果となっているのかもしれませんね。
また、同じカテゴリー内でも『ボラティリティの高さ』別にファンドリターンと投資家リターンの比較もしています。
そこでは、
- 同じカテゴリー内でも、ボラティリティが高いファンドほど、投資家のリターンは減少する
- 最もボラティリティの低いファンド群は、ファンドリターンに比べて投資家リターンは-0.9%ほどだった
- 最もボラティリティの高いファンド群は、それ(最小群)よりもさらに1%低いリターンとなった
という結果が出ています。
二つを整理すると、
- セクターファンドのような投資先を限定するファンドほど、投資家リターンは低くなる
- ボラティリティが高いファンドほど、投資家リターンは低くなる
となります。
ですよね。
感覚的に、ですが、
- セクターファンドやボラティリティが高いファンドを選ぶ人は「良いタイミングで売買して大儲けじゃ!」と考えている割合が高い
のではないかと私は思うのです。
しかし、残念ながらそのタイミング投資は上手くいかず、『ファンド以上の追加リターン』を得るどころか、『持ち続けていれば得られるはずだったリターン』すら手放してしまっているのでしょう。
もちろん、これは『平均』の話だけなので、タイミング投資で成功している人もいることは間違いありません。
しかし、それがそう簡単ではないことが本調査からも明らかなので、
「よほどの自信があるのでなければ、タイミング投資は避けた方がいいと思うよ」
という結論とさせて頂きます。
分かり切った結論ではあるものの、大事なことなので何度でも繰り返し発信していきたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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