7年前にたてたセミリタイア計画では「2024年末をもっての引退」としているわけですが、引退後のポートフォリオ、取り崩し戦略などについては明確な指針がだせておらず、下のような記事を書くことが増えています。
引退後の戦略の一つとしSNS上では『4%ルール』がよくあげられていますが、原文(Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable)を見ている限り、
- 『30年後に破綻していない(1ドル以上の資産が残っている)』をゴールとしている
- 株式75%、債券25%で運用すれば、30年後にも資産が1ドルでも残っている可能性は98%
- 株式100%で運用すれば、30年後にも資産が1ドルでも残っている可能性は95%
といった内容となっており、
- そもそも『資産を減らさない』というルールではない
- 取り崩し期間が30年以上になるケースを想定していない
- 多くの人が採用している『株式100%』であれば、30年以内に破綻する可能性が5%ある
- 債券を25%含んだ『無難な投資』であっても、30年以内に2%の確率で破綻する
と、
- 4%ルールは『(早期)セミリタイア後の戦略』として適したルールかどうか怪しい
と考えています。
そんなこんなで、 X でつぶやいていたところ、
ぼくも、引退後の最適な比率が分からなくて、けっこう悩みました。
— セミリタイア九条 🌐📈☀ (@kuzyofire) 2024年7月6日
そこで見つけたのがバケツ戦略です。もしご存知なければ、ぜひ♪https://t.co/RQkYhKNVJW
と、セミリタイア九条さんから『バケツ戦略』なるものを教えて頂きました。
詳しくは上記セミリタイア九条さんブログか、charles SCHWABの記事をご参照頂きたいのですが、『バケツ戦略』をざっと整理すると、
- 短期バケツ:現金やMMFなど低リスク資産で構成する『数年分の生活費を確保したバケツ』
- 中期バケツ:債券や高配当株式など比較的に安定している資産で構成する『10年程度の生活費を確保・運用するバケツ』
- 長期バケツ:残りの資産をすべてを株式などで構成する『長期運用するバケツ』
の3つに分けて資産を保有する戦略です。
各資産の保有期間は各々で考える必要がありますが、charles SCHWABの記事では、
といった例が紹介されています。
これ、個人的にはそこそこ納得感のある戦略だと思いました。
とくに、
- 『4500万円でセミリタイア』を計画しているくせに8000万円近い資産がある
- ここ1年ほどで信じられないくらい急激に資産が増えている
という「ちょっと低リスク資産に移しておきたいな」と思いやすい状況にあるいま、この戦略は魅力的にみえます。
では仮に、これを採用するのであれば、検討しなければならないポイントとして
- 各バケツのサイズ(想定年数)をどうするか?
- 中期バケツではどんな商品を入れるか?
- いつバケツ戦略に移行するか?
の3点があげられます。
各バケツのサイズ(想定年数)
charles SCHWABの記事であげられている例から『短期・中期バケツの最大サイズ』を抜き出すと
- 短期バケツ:3年、中期バケツ:10年
と、「低リスクの資産を13年分持っておく」という個人的には過剰なほどディフェンシブなポートフォリオとなっています。
また、最短では、
- 短期バケツ:0年、中期バケツ:6年
となっていました。
我が家は、およそ
- 総資産 :8000万円
- 年間支出: 400万円
ほどなので、
- 短期バケツ:1年
- 中期バケツ:4年
- 合わせて、低リスクの資産を5年分(2000万円)保持しておく
が、直感的に納得できるサイズ感であるように感じます。
charles SCHWABの例から比べる低リスク資産がかなり少なめとなりますが、
- 強欲のため、低リスク資産を多く持つことが耐えられない
- ”セミ”リタイアであるため、引退後にも多少の労働収入が期待できる
中期バケツの商品
中期のバケツには、比較的にリスクの低い投資商品を採用することになりますが、「オルカン!オルカン!」しか言ってこなかった私の脳内にそんな商品は存在していません。
そのスカスカの脳みそから引っ張り出してくると、近ごろは為替の値動きが激しい(このさき円高になると言っているわけではない)ことから、個人的には、
- 為替ヘッジありの全世界債券(例えば、楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ))
といった商品がまず思い浮かびます。
しかし、上記商品の設定来リターンを見ると
と、買う意欲がなくなるチャートとなっていましたw
上記債券のリターンがイマイチなのは急激な利上げ(&円安がメリットとならない為替ヘッジ商品)によるものなので、本来は『優良な低リスク資産』なんだろうと思ってはいるものの、強欲な私にとっては魅力的に見えません。
また、インフレ連動型の個人向け国債も魅力的なのですが、これは『プラスにもマイナスにもならない≒インフレに強い現金』というイメージなので、もうちょいリスクを取っても良いとも思うわけです。
というわけで、債券に比べてリスクは大きくなりますが、
- 為替ヘッジありの全世界株式・高配当ファンド
- 為替ヘッジありの株式・債券バランスファンド
- 国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4資産バランスファンド
といった商品が良い選択肢となってくれそうな気がします。
しかし、
これに当てはまる良い商品を知りません。
また、charles SCHWABの記事では『中期バケツには配当重視の株式などを入れる』と書いてあったものの、
- 本当に中期バケツに配当株を入れていいのか?(ハイリスクすぎないか?)
- 候補としている『為替ヘッジあり』は良い選択となるのか?
- 国内・国外に分散しても、円高=国内株下落となるだけでヘッジにならないのではないか?
といった懸念もあるので、ここについてもしっかり調査・検討する必要がありそうです。
これまでは『長期投資』ばかりを主軸としていたので『長期リターンが劣っても、安心して保有できる商品』を知らないのです。
というわけで、
「良い商品を教えてください!」
自信をもって言えます。
そこのあたなたなら私に提案できるはずです。
「ドーン!」
バケツ戦略に移行するタイミング
最後にバケツ戦略に移行するタイミングですが、
「資産が急増しているいまこそ、ある程度の低リスク資産保有するこになるバケツ戦略に移行する絶好のチャンスなのでは!?」
と思わないでもないのですが、反対に
「それってただのタイミング投資なんじゃねーの?」
とも思うわけです。
というわけで、
- 基本的には、セミリタイアしたタイミングでバケツ戦略に移行する
ということになりそうです。
基本的には、ね。
とはいえ、「私にタイミング投資をする能力はない!」とは思っているものの、
「短期間で資産がバンバン増えていく」という状況が精神衛生上よろしくなことを現在感じているわけなので、上記基本ルールに加え
- 資産が8000万円~1億円(20~25年分の生活費)を超えたら、余った分は低リスク資産に振り分けていこう
という考えが、おぼろげながら浮かんできました。
『短期・中期的に必要なお金を別のバケツに確保しておく』というバケツ戦略とは反対に、『あまったお金をバケツに避けておく』という変形バケツ戦略ですね。
私は、株式投資による平均年間リターンを5%と想定しているので、
- 長期的には8000万円が生み出す資産だけで生活していける計算になる
- しかし、5%リターンを期待した投資では暴落に耐えられない
- よって、8000万円とは別に、暴落時に耐えられる資産を確保しておく
という考え方になります。
これによって『あまったお金を入れるバケツ』が大きくなればなるほど、暴落耐性が強くなっていくことになりますので、
- 『あまったお金を入れるバケツ』が十分になったタイミングこそ、セミリタイアを実行に移せるタイミング
と言えそうです。
というわけで、
- 8000万円~1億円貯まる前にセミリタイアしたら、短期1年、中期4年のバケツ戦略に移行する
- 現役中に8000万円~1億円以上たまったら、それを超えたお金をバケツに移す変形バケツ戦略に移行する
というのが現時点での考えとなりました。
最後に
というわけで、引退後の資産運用として使えそうな『バケツ戦略』に関する考えを整理させてもらいました。
引退後の戦略としてよく取り上げられる『4%ルール』よりは自分に合っている戦略であるように感じました。
にしても、最近書いたばかりのとにかく怖い『機会損失』で、
「機会損失が嫌だから、株式100%で行く…!」
と言っておきながら、
「ある程度を低リスク資産で保有するバケツ理論もいいなぁ…」
と、新しい情報を入手するたびにコロコロと意見が変わっていますね。
やはり、
- 『引退後』という未経験のステージにおける、自分にあった資産運用戦略を考えるのは難しい
ということなんでしょうね。
しかし、反対に色々と勉強してきたのにも関わらず
- 「現役時代には、オルカン一本でOK!」という考えに変わりはない
という事実は、私のブログ活動に自信をもたらしてくれています。
というわけで、
- 現役世代の人には引き続きオルカンを推しつつ
- 引退後の戦略をじっくり考える
という日々を送ろうと思います。
そして、繰り返しになりますが
自信をもって言えます。
そこのあたなたなら私に『素晴らしい低リスク商品』を提案できるはずです。
「ドーン!」
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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