「1925年以降、約7.4%の期間で株式の実質10年リターンがマイナス」
と、モーニングスターが言っておりましたのでご紹介。
1925年以降、10年リターンがマイナスになったケースは
- 1928年~の大恐慌
- ITバブル~リーマンショック
- 1960年代~スタグフレーション期
の3度だけでした。
大恐慌時のリターンがこちらで、

例えば、もっとも低いリターンになっている1939年8月時点は、
- 1929年8月に投資を開始した場合、1939年8月時点で年率-5%のリターンとなった(配当込みの"はず")
ことを指しています。
同様に『ITバブル~リーマンショック』時は以下グラフの通りでした。

また、上記は『名目リターンでマイナスだった時期』でしたが、インフレを考慮した実質リターンとすると、『1960年~スタグフレーション期』も同様に残念なリターンとなっていました。

いずれも、
- 10年間投資を続けたのにも関わらず、結果としてマイナスリターンとなった
という悲惨な期間です。
これを『過去100年間で約7.4%の期間が10年リターンがマイナスだった』と言うとそこそこ高い可能性で遭遇するように思えますが、『過去100年間で10年リターンがマイナスになったイベントは3回だけ』という見方をすると「あまり恐れなくていいな」と感じてしまうかもしれません。
しかし、人生100年時代と言われる昨今において『100年に3回』は低い確率ではなく、繰り返し遭遇するものであると考えねばなりません。
この『株式不遇の時期との遭遇』は労働者であれば『長期買い時の到来』と受け取ることもできますが、FIREやセミリタイアをしている人にとっては大きいな痛手となってしまいます。
よって、モーニングスターは
「暴落を予想して回避するのではなく、暴落があっても耐えられる設計をしておくべし」
と言っています。
『暴落の回避(株式の売却)』は失敗するとただの機会損失にしかなりません。これは、市場が好調であるのにも関わらず自らの手でFIRE生活を苦しいものとしてしまうリスクがあり、選択することは難しいです。
よって、暴落が来ても大丈夫なように計画を立てておくことで暴落に備える方が賢明です。
モーニングスターはその方法として、以下3つを挙げています。
- 余裕のある引き出し率を設定する
- バランスの取れたポートフォリオを構築する
- バケツ戦略を採用する
余裕のある引き出し率を設定する
近ごろの株式は絶好調であり続けているため、今後もこれが続くと想像してしまい、
「毎年、資産の7%を取り崩そう」
と考えてしまいたくなります。
株価が好調な時期であればこれでも問題ないのでしょうが、『10年間のトータルリターンがマイナス』という時期に遭遇すれば、間違いなく悲惨なことになってしまいます。
よって、『期待している株式リターンよりも低い取り崩し率』を設定する必要があります。
とはいえ、余裕のある引き出し率を設定していたとて『株価の50%超の暴落』といったアクシデントに遭遇すると、アセットアロケーションによっては取り返しのつかない事態を引き起こすことになるかもしれません。
バランスの取れたアセットアロケーションを構築する
そこで、株式よりも安定性のある資産を債券を組み込んでおくことが重要となります。
代表例としては債券で、
- 短期的には、株式の暴落時に債券も大きく(株式の半分程度)下落することも多いが、株式下落時に債券がプラスリターンとなるケースも多い
ため、非常に心強い資産と言えます。
例えば、ITバブル~リーマンショック時のS&P500と米国10年債のリターンは以下グラフの通りで、

S&P500がマイナスの年も、米国10年債はプラスリターンとなっていました。
この間、株式60%+債券40%で投資していた場合

6040-portfolio-150-year-markets-stress-test
と、株式100%が残念な期間であったのに比べ、株式60%+債券40%では安定した値動きをしていました。
これよこれ。
そのうえで、バケツ戦略を採用すると完璧です。
バケツ戦略を採用する
バケツ戦略とは、(一般的には)1~2年分の生活費を現金で持ち、さらに5~8年分を低リスク資産(債券など)に、残りを株式に配分する戦略のことで、私も採用しています(中期バケツ資産はこれに決めた!)
これによって、株式市場が長期にわたって下落した場合、『現金』または『下落の小さい債券』のバケツから資金を引き出すことで、株価が下落している最中に株式を売却する必要性を回避できます。
素晴らしきバケツ戦略。
最後に
というわけで、
- 株式投資が10年間報われない時代はそこそこやってくるぞ
- そこに備えて色々と考えておいたほうがいいぞ
といった内容をお届けさせてもらいました。
相も変わらず世間の需要を無視した『絶好調な市場に逆張りした記事』ではありますが、市場の不調は急にやってくるので、こんな記事でも読んでくださる数少ない読者さんに響いてくれることに期待しています。
なおここで紹介したデータは米国株式だけが対象となっているので、「アメリカが悲惨なことになっていても、オルカンがここまで哀れなことになることはないだろう」とは思っています。
しかし、もしかすると『アメリカが落ちぶれた時、オルカンはもっと大きく落ちていった』なんてことになる可能性も考えられます。
よって、『株式の分散によるリスクコントロール』には限界があります。
そこで債券のような低リスクのような資産に注目するべきであると考えます。
昨今では、『株式の好調』ということもあって『FIREムーブメント』に注目が集まっています。
しかし、FIRE後の生活を安定させるためのツールとして有用な債券には注目が集まっていません。
おかしいぞ。
というわけで、大きな暴落が発生する前に、世間で債券が話題となることを祈って、この記事を終わりにしたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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