つい先日、持株会を退会しました。
持株会に入会したのは5年ほど前ですが、後半の3年ほどは「やっぱ抜けようかなぁ…」と悩み続けていたのですが、ついに退会しました。
つまり、入会して2年しか満足しておらず、退会を考え出したにも関わらず3年もグズグズとしていたわけです。
大後悔です。
そこで、同じ失敗をする人が生まれないよう、この記事で『持株会の問題点』を書いていくことにします。
<目次>
- 持株会に入ったはいいが株価が上がらない
- 補助金が出るからといって入会するべからず
- ただの社員ごときが「うちの会社は大丈夫」なんて判断できない
- 持株会から退会するのは面倒。マジ面倒。
- 持株会で儲かった?
- まとめ:持株会に入ったところで、株価が上がるとは限らない
持株会に入ったはいいが株価が上がらない
持株会には
- 持株会に入ったはいいが、株価が上がらないこともある
という問題があります。
投資家にとっては、『あたり前すぎるほどあたり前』のはずですが、何故かこれを無視して持株会に入る愚かな人が多くいます。
そして、その『愚かな人』の一人が私なわけです。
そこで、イチ投資家でありながらも何故そんな判断をしてしまったのか、真剣に考えてみました。
当時の思考を思い起こすと…
「10%も補助金出る(1万円出せば、会社が1000円補助してくれる)らしいから、入らないと損じゃないか…?」
「うちの会社は結構安定しているし、売上も右肩上がりだから大丈夫だろ…」
「退会しようと思えばいつでも退会できるし、とりあえず入ってみるか…」
みたいなことを考えていました。
しかし、この考えのすべてに問題がありました。
補助金が出るからといって入会するべからず
私の会社の持株会は
- 持株会に対して毎月1万円を支払う
- 支払い額の10%=1000円の補助を受けられる
という仕組みだったので、
「持株会に入れば、1年で1万2千円も得するじゃん!」
と、考えてしまっていました。
しかし、当然これは危険な考え方でした。
例え10%分のボーナスがもらえようとも、
- 『株価が上がらない』となれば『投資している意味がない』ことになる
- それどころか、『株価が下がった』となれば、『損をする』ことになる
のは、言うまでもありません。
『持株会』と聞くと『投資する』という感覚が薄れてしまいがちですが、実際のところは『持株会=個別株投資』です。
そして、『投資とは、株価が上がっていくことで、投資家にリターンがもたらされるモノ』であることを踏まえると、
- 購入時に補助金をもらったところで、長期的に株価が上がっていかないのであれば、その投資は失敗となる
のは説明するまでもありません。
であるのにも関わらず、持株会に入ってしまっていた理由の一つに
「うちの会社は大丈夫だろう」
という根拠のない自信があったのだと思います。
ただの社員ごときが「うちの会社は大丈夫」なんて判断できない
持株会に入会したとき、私は勤続10年のヒラ社員でした。
自社のことなので、
- 会社の業績が右肩上がりであること
- 従業員数も右肩上がりであること
- これからも、自社の産業が廃れる可能性が低いこと
といった情報を社内報等々から入手しており「うちは今後も大丈夫だから、投資してもいいだろう」と考えていたわけです。
しかし、冷静になって考えてみると
- そんな『外部の人間でも気軽に入手できる情報』だけで、投資先として適しているか判断できるはずがない
- むしろ、そんな情報は『投資先として選ぶ最低ライン』の役割でしかなく、それを満たす企業なんていくらでもある
ということが分かり、『入会は明らかに軽率な判断だった』と今では思います。
よって、
- 『持株会』であろうとも、投資先の個別銘柄を選ぶときと同じくらいの気合で検討しなければならない
というのが、私に欠けていたポイントです。
『自社』ということで「よく知っている」と考えてしまいがちですが、ただの社員が知るコトのできる情報なんてたかが知れています。
むしろ、『将来の株価を保証するような情報』を知って持株会に入会するのであれば、それはインサイダーにあたってしまいます。
(入会後に知ってしまうのはOK。知ったことをきっかけに増額や売却をしたらNG。)
よって、『自社』だからこそ(自分の思い込みを切り捨てるためにも)いつも以上に冷静に企業分析を行った上で投資判断をする必要があるわけです。
しかし、私にはそれが出来ませんでした。
その理由の一つに、
「たかだが月1万円だし、辞めようと思えばすぐ辞められるからいいか」
という慢心もありました。
持株会から退会するのは面倒。マジ面倒。
冒頭でも書きましたが、「やめようかなぁ」と考え出したのはおよそ3年前です。
つまり、退会を考え出してから実際に退会するまで3年もかかったわけです…。
その理由はシンプルで
- 退会する手順が分かりづらくて、実行するのがめんどくさい
と思っていたからです。
もしかしたら、これは私の会社だけかもしれませんが、
- 入会の手続きはすぐに見つかるが、退会の手続きが見つからなかった
- 退会の手続きは電話でしかできなかった
- 退会するためには、野村証券の口座を持つ必要があった
という問題がありました。
1つ目は持株会に限らず、『クレジットカード』や『保険』『映画見放題のサブスク』などにもよくある問題ですが、気軽に入会できるくせに退会にはハードルがあるケースが多いです。
それはもちろん『退会させないため』で、私は見事にその罠にハマり退会を3年間も後回しにしてしまったわけです…。
その後、苦労して退会する方法を見つけたものの
- 「退会したいなら電話してね」と取り決められていた
ことで、「電話しないといけないのか…。面倒だな…。まぁ、損するわけじゃないしもう少し続けるか…」となってしまっていました。
それが、最近になってようやくWEB経由で解約できるようになり、やっとこさ着手できたわけです。
しかし、退会に向けて動き出してまた驚きました。
まさかの
- 退会時に『株を引き取る口座』として、野村証券の口座が必須
だったのです。
私は楽天証券をメインの口座にしており、新たに野村証券の口座を作るメリットは全くありません。
しかし、持ち株会を退会するためだけに野村証券の口座を作らないといけなかったのです。
新たな証券口座を作るめんどくささは皆さんご存知の通りで、それを躊躇したことによってまた退会作業が一旦ストップしてしまいました。
とはいえ、いつまでもその状況を引きずるわけにもいかないので、最近になって「えいやっ」と退会作業を進めたわけです。
持株会で儲かった?
ちなみに儲からなかったから持ち株会を退会した、というわけではありません。
トータルでは
- 56万円を投入し
- 退会時には89万円分の株が払い戻された
- つまり33万円もうけた
ということで、割と良いリターンでした。
しかし、これは『運が良かっただけ』であり、持株会には上であげたような問題点があることから退会を決意したわけで、『いまのところは順調だから、入り続けていてもいいか』なんていう選択肢はありえませn。
まとめ:持株会に入ったところで、株価が上がるとは限らない
持株会に入り、補助金をもらって投資をしたところで、株価が上がるとは限りません。
また、ただの社員が「これから、うちの会社の株価は上がっていく」なんて予想することはできません。
持株会に参加することで、
- 自分が仕事で成果を出すことによって、自分の給与も増え、株価を上げることにもなる
と考え、仕事に対するモチベーションが上がる方もいるかもしれません。
しかし、持株会における最悪のケースでは、
- 会社が破綻し、持株会で持っている株の価値がゼロになる
- 退職することになり、給与所得がなくなる
という2つの致命的ダメージを同時に負うこともあります。
また、破綻しないにしても、経営難に陥ることで『株価の暴落&給与の減少』が同時に襲ってくる可能性は十分に考えられます。
もし持株会に参加する or 既にしているのであれば、こういったリスクがあることを理解しておく必要がありそうです。
最後に、持株会に入っている方に向けて少しだけ。
行動経済学には『保有効果』というものがあり、これは『すでに持っているモノが、実態以上に魅力的に感じてしまう効果』のことです。
あなたが持株会に参加し続けている理由は、
- 保有効果によって、持株会が実態以上に魅力的に見えている
だけなのかもしれません。
こういった効果があることを理解したうえで、もう一度「持株会に入り続けていいのだろうか?」と再考してみることをおススメします。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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