よく「投資家はクズ」と言われます。
その根拠として、
- 投資家は何も生み出していない
- 働いていないくせにお金儲けをしている
という批判があげられます。
『投資』と一口にいっても、
- 株式投資
- 不動産投資
- FX
- 仮想通貨
などなど、多くの種類が存在していますが、どの投資にしても
- 安い時に買って、高い時に売る
ことで儲けることを基本としており、投資家が売買して儲けたところで
- なにかしらのモノが作られるわけではない
- 誰かがサービスを受けられるわけではない
ですし、
- 儲けるために、汗を流して労働するわけでもない
ことも確かです。
よって、日々ストレスにさらされながら、汗水流して働いている善良な労働者からすると「投資家はクズ」となるわけです。
とはいえ、
「投資家だって『買うべきモノを探す』という頭脳労働をしている!」
という反論もあるでしょう。
しかし、最近ではその『頭脳労働』すら放棄している投資家がい多くいます。
『クズな投資家』が増えている
というのも、近頃では『インデックス投資』という
- 『投資先の企業を選ぶ』ということをせずに、数百・数千の企業に分散投資する
投資の方法に注目があつまっています。
これは完全に『頭脳労働すらしていない』と言えるでしょう。
それどころか『ドルコスト平均法』という
- 『投資するタイミングをはかる』という行為を放棄し、一定間隔(毎月など)で同じ金額を投資し続ける
という方法で投資している投資家も多く存在しています。
つまり、
- まったく頭脳労働をせずに、投資だけで金儲けしているクズ
が存在しているわけです。
さらに、タチの悪いことに、
- 『大量の銘柄に、適当なタイミングで投資する』という投資法でも、カンタンに儲けられてしまう
という大きな問題があります。
というのも、全世界の株価は以下グラフのように『右肩上がり』で推移しているため、どのタイミングで株を購入しようとも、時間がたてば高い確率で儲けることが期待できるためです。
こんなにもラクに儲けられることを知っていれば、『投資家はクズ』と言いたくなるのも仕方ありません。
しかし、こうも思うでしょう
「とはいえ、なんでこんなカンタンに金儲けができるんだ?」
と。
クズのような投資家でも、なぜ儲けられるのか?
それは、
- 投資家は、リスクを取っているから
です。
『(株式)投資』とは、
- 成長することが期待できる企業に、お金を投じること
であり、
- 予想通りに企業が成長すれば、儲けられる
- 予想と違い企業が倒産すれば、投じたお金はゼロになる
といった、リスクとリターンが存在します。
企業が株を発行するのは、
- 事業を拡大したり、新しい事業を起こすためにお金を集めたい
と考えているケースが多いです。
そこで投資家は、『株を買う』という行為によって企業にお金を渡して、
- 事業が上手くいったら、株価の上昇や配当金によって儲かる
- 事業が上手くいかなかったら、株価の下落によって損をする
というチャレンジをしているわけです。
多くの人は
「お金がゼロになるようなリスクを負いたくない!」
と考えていることから投資することを避けており、投資家でさえ
「損をする可能性よりも、儲かる可能性が高くなければ投資したくない」
と考えています。
よって、企業が投資家からお金を集めるためには、
- 期待リターンがプラスになる(損をする可能性よりも、儲かる可能性の方が高い)株価で株を発行する
こととなり、『投資をすればするほど儲かる』という環境ができるわけです。
具体的には
- 100万円の株を発行して新規事業をおこす
- 事業が成功する可能性は50%
だったとすると、
- 事業が成功すると、株価は120万円になる
- 事業が失敗すると、株価は70万円になる
- この場合、期待リターンはマイナス(50%で20万円増える、50%で30万円減る、で差額は-10万円)
となり、『投資するべきでない』と判断されますが、
- 事業が成功すると、株価は140万円になる
- 事業が失敗すると、株価は80万円になる
- この場合、期待リターンはプラス(50%で40万円増える、50%で20万円減る、で差額は+20万円)
となり、『投資するべき』と判断されます。
よって、前者のケースでは企業がお金を集めることができないので、投資家のリターンが期待できる状況で株が発行されることとなり、投資家はカンタンに金儲けができることとなるわけです。
(現実は、こんなに単純明快ではありませんが…)
この『投資家に投資させる』という行為を、企業側から見ると
- 投資家がいることで、お金を持っていなくても事業拡大、新規事業に手を出せる
ということもであります。
投資することで企業を助ける
Amazonやテスラが、上場してからも長らく赤字続きでありながらも、巨額の先行投資を続けることで巨大企業になったのは有名ですが、それが実現できたのは投資家の存在があるからです。
というのも、『赤字であった』ということは、『先行投資するためのお金がない』とも言えるわけなので、先行投資するためにはどこかからお金を調達してくる必要があるわけです。
(『研究開発費をつみすぎて赤字だった』という面も大いにありますが…)
そこで、Amazonやテスラに投資家(や銀行)がお金を供給することで、企業が成長する後押しをしたわけです。
つまり、投資家がいたからこそ、
- 世界中の人の生活の質を向上させているAmazon
- 世界の電気自動車業界をけん引するテスラ
といった企業が誕生したわけです。
また、あらたな株を発行するケースだけでなく、既存の株を買うケースでは株価を上昇させることとなり、
- あらたに株を発行する時に高値を付けやすい(大金を調達しやすい)
- 銀行などからの資金調達が容易になる
といったメリットがあり、企業の成長を後押しする効果があります。
『ラクして儲けているクズな投資家』であったとしても、こういった役割があるという点に関しては、「賞賛すべき」と言わざるを得ないのかもしれません。
日本にも『クズな投資家』が増え続けている
『投資についての理解が遅れている』と言われ続けてきた日本ですが、最近は(とくに若い世代の)投資家の数が増えてきました。
実際に、主要な証券会社の口座数を見ると以下グラフの通り、急速に増えており
口座開設者の年代は、以下の通り若者の比率がおおきく上昇しています。
※出典:楽天証券のプレスリリース
確かに、『投資』という行為は
- なにかしらのモノが出来るわけではない
- 誰かがサービスを受けられるわけではない
といったことから『投資家はクズ』と言われても仕方ないのかもしれません。
しかし、投資家がいるからこそ世界が急速に進歩できているのも事実です。
汗水流して労働するコトは素晴らしいコトですが、そうやって苦労して手にいれたお金を使って、(批判覚悟で)投資してみてもいいのかもしれません。
なお、筆者は、
- 投資家の中でもクズ・オブ・クズと言われても仕方のない、『インデックス投資』&『ドルコスト平均法』
で投資しており、そんな投資法ながらも41歳でセミリタイアするための計画を順調にすすめられています。
(詳しくは筆者の資産の推移をご参照ください)
『ラクしてお金を儲けている』ということは分かっていますが、その罪悪感に耐えつつも、これからも投資を続けていき、資産を増やしていこうと思っています。
お許しください。
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