最終更新日:2020/5/11
このまま株価が下落せず推移すると株式リターンが減少します。
新型コロナウィルスによって短期的に株価は暴落しましたが、すぐに上昇に転じています。
株価が回復しようとも、新型コロナウィルスによって経済的ダメージは確実に発生するため、このままいくと「低い業績」&「高い株価」という、整合性の取れない状況となりかねません。
<目次>
- このまま株価が回復すると株式による利益が減少する【新型コロナウィルス】
- 過去の暴落時には「低い業績」&「超低い株価」となった
- 株式による高いリターンは過去の話か?
- 株式を保有することで、労働者を自分のものにできる
- まとめ:暴落しない経済停滞は投資家にとってダメージが大きい
このまま株価が回復すると株式による利益が減少する【新型コロナウィルス】
新型コロナウィルスによる経済へのダメージは着実に広がりつつあり、全世界で倒産する企業も出てきています。
当然この状況は今後も継続し、例え移動規制が解除されたとしても新型コロナウィルスの対策が確立(薬の開発など)されていない以上、人々は感染を恐れて経済活動をなかなか再開できません。
実際に、「新型コロナウィルスの抑え込みに成功した」と公表している武漢では、人々の行動が元通りに戻っていません。
よって、世界中で同様の事態が発生することが予想され、しばらくは経済が停滞した状況が続くと考えられます。
であるのにも関わらず、株価が回復基調にある現在は、長期投資家にとって危機的状況です。
過去の暴落時には「低い業績」&「超低い株価」となった
現在の「低い業績」&「高い株価」は、「株価が割高」となるわけで、投資家にとって望ましくない状況と言えます。
「株価が割高」ということは
- 配当利回りが悪化する
- 今後の株価の上昇の余地が少ない
ということであるため、特に積立投資をしている投資家にとって、ダメージは大きいです。
過去の暴落を振り返ると、「企業価値の下落」以上に「株価の下落」が大きかった為、「株価が割安」となり、「配当利回り」は向上していました。
具体例として、「過去最大の暴落(暴落前の株価に回復するまで25年間要した)」ともいえる世界恐慌時を挙げます。
世界恐慌直前(株価のピーク時)に1000ドル投資し、25年に渡り配当金の再投資を続けただけで、資産額は4440ドルにまで膨れ上がっていました(配当金以外の資金の追加は無し)
年間リターンにすると6%以上です。
つまり株価の暴落は
- 短期的には資産を大きく減らす
ものの
- 長期的には資産を大きく増やす
という効果があったわけです。
※詳しくは以下記事をご参照ください
しかし、今回の暴落ではそうならない恐れがあります…。
株式による高いリターンは過去の話か?
全世界の株式への投資による年間リターンは、過去100年以上の実績を見るとおよそ5%程度です。
このリターンは、他のメジャーな投資先である「債券」「不動産」よりも高い値であることが、過去実績より証明されています。
それは、株式への投資は「業績悪化」や「倒産」という大きなリスクが潜んでいるため、リスクを嫌う投資家から避けられていました。
つまり、「リスクを取った分だけリターンが大きい」となっていました。
しかし、昨今では「株式投資は長期・分散投資で高いリターンが得られる」と広く知れ渡っており、その「長期分散投資」が容易に可能な環境(インデックスファンドの普及)が整っています。
よって、「インデックスファンドへの投資で大きなリターンが得られる」との認識が広がり、実際に人気が集まりつつあります。
そして
- インデックスファンド(株式)に人気が集まる
ということは
- 株価が割高になる
といことで、すなわち
- 株式投資による長期リターンが下がる
と、いうことになります。
(短期的には株価が押し上げられ、リターンが得られますが)
しかし、それでも株式投資には大きなリターンが期待できます。
株式を保有することで、労働者を自分のものにできる
「株式を保有する」ということは「会社のオーナーになる」ということで、すなわち「自分の為に働いてくれる労働者を手に入れる」ことでもあります。
株式が割高になろうともこれが変わるわけではないため、株式投資のリターンが下がろうとも、「利益が出る」ことに変わりはありません。
また、株式投資への人気が高まれば「株式投資のリターンが下がる」こととなり、その結果、「株式投資の人気が落ちる」こととなり「株式投資のリターンが戻る」ことになります。
よって、一時的に人気が集中することで「株式投資のリターンが下がる」ことはあっても、長期的には「年間5%程度の期待リターン」に変わりはないと考えられます。
まとめ:暴落しない経済停滞は投資家にとってダメージが大きい
ここまで記事にさせてもらった通り、過去の暴落は投資家にとって恵みとなったケースもありますが、新型コロナウィルスによる暴落は(今のところ)そうではないようです。
このままの流れでいくと「低い業績」&「高い株価」という、投資家にとって最悪の事態となってしまいます。
とはいえ、株式投資そのものに悲観する必要はなく、短期的には低リターンとなっても、長期的には過去同程度のリターンに戻ることが予想されます。
ただし「新型コロナウィルスによるダメージが小さい」ことは、「株式投資の人気がそう簡単には落ちなかった」こととも言えるため、今後10年・20年程度の低リターンは覚悟しておいた方がいいのかもしれません。
いずれにせよ、今後の株価の推移に注視していく必要がありそうです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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