最終更新日:2020/5/31
米中の対立が深まり、世界経済へ悪化への懸念が広がりつつあります。
トランプ大統領は、香港の統制強化などへの対抗として
- 中国人のアメリカへの留学制限
- 香港に対する優遇措置の撤廃
- WHOとの関係解消
を発表しました。
当然、中国も黙っているとは考えられず、何らかの報復行動に出ることが予想され、今後は米中の対立が深まっていくことが予想されます。
また新型コロナウィルスも、ブラジルでは「1日の感染者数が2万人」と世界最大規模で感染が広がりつつあり、まだまだ安心できる状況ではありません。
(日本の累計感染者数1万7千人を1日で超えていくペース…)
とはいえ、こういった世界の動向と株価が一致するとは限りません。
よって、実際の数値を使用して株価の推移を確認していきます。
<目次>
- 【新型コロナウィルス】世界同時株安からの株価の変動を確認【暴落から14週間】
- 【新型コロナウィルス】過去2年間の株価の推移
- 【新型コロナウィルス】過去14週間の株価の推移
- VTI・VT・VWO・TOKの推移を比較
- 今後の株価について
【新型コロナウィルス】世界同時株安からの株価の変動を確認【暴落から14週間】
さっそくですが、株価の変動を「世界全体の株価の指標であるMSCI-ACWIを基準とする投資信託」の推移で確認してみたいと思います。
(世界平均の株価の推移と思ってください)
まずは過去10年の推移から。
※2020年5月29日時点の201,739ポイントに合わせて赤線を引いてあります。
グラフの通りですが、過去10年という長いスパンで見ても急落しているのが一目瞭然です。他に類を見ない角度で急落し、他に類を見ない角度で急上昇しています。
というわけで、随分回復してきていることが長期推移でも見て取れるようになっており、「このまま回復するのかな?」と感じてしまう程にはなっています。
では、次に過去2年間の推移を掲載します。
【新型コロナウィルス】過去2年間の株価の推移
約3か月ぶりに200,000ポイントにまで回復しました。
直近2年間(2018年3月~)の単純平均が204,745ポイントであったため、「ふつーの株価」と言えるレベルにまで回復してきています。
というわけで、直近2年間で現在の基準価格よりも低い値であったことは何度もありました。
むしろグラフだけ見ていると「2019年9月頃からの株価上昇が異常だったんじゃないの?」「その反動で下げただけでは?」と思えなくもありません。
もし本当にそうだったとすると「まだ新型コロナウィルスによる影響が株価に反映されていない」とも受け取ることが可能で、その場合はさらなる暴落が待ち構えていることになります。
また、「株価の推移の傾向」を見る「2か月の移動平均線(オレンジ線)」で見ると、「上昇トレンドが出来てきた」と言える状況が見て取れます。
では次に過去14週間の株価の推移を掲載します。
【新型コロナウィルス】過去14週間の株価の推移
うーん。順調だなぁ…。
というわけで、5/29時点では、先週末(5/22)よりも大きく株価を上げてきました。
また、暴落後の最高値をしっかりと更新し続けています。
さらに、「2週間の移動平均線(オレンジ線)」で傾向を見ると、上昇ペースも加速しているように見えます。
各地で移動制限が解除されつつあり、景気回復に向けての期待が高まりつつあるためだと考えられます。
なお、具体的な株価の変動率としては
- 先週末(5/22)と比べて3%の上昇
- ピーク時(2/21)と比べて15%の下落
- 底値時(3/24)と比べて30%の上昇
となっています。
底値でガツンと購入できていた人は30%もの利益を2か月で出せたことになります。
「株式投資はハイリスク・ハイリターン」ということが、改めて認識できました。
しかし、先にも書きましたが、新型コロナウィルスのダメージの大きさの割に株価が下落していないことから「これから2番底が待ち構えている」と、(当たらない)予想をしています。
というか、このまま株価が情報すると「景気悪化」なのに「株高」となってしまうので、「株価が割高」状態となり非常に困ることになります。
※「困る」の具体的内容は以下記事をご参照ください。
では最後に、投資先地域毎の推移をETFで確認します。
VTI・VT・VWO・TOKの推移を比較
※2020/2/3時点を100ポイントに統一しています。
結果は見ての通りですが、現時点で
- 「黄色線:アメリカ株(VTI)」が最も回復している
- 「赤線:新興国株(VWO)」が大きく出遅れている
という点が目立っています。
新興国株が目立って下落しているのは
- 新型コロナウィルスが新興国で広がりつつある
- (上記によって)新興国通貨の暴落
が起きていることが原因と考えられ、このまま新型コロナウィルスが広がり続けるようなことがあれば、さらに新興国株は後れをとっていくことになります。
今後の株価について
先進国では新型コロナウィルスの最悪期は脱し、これからは経済活動再開のタイミングをうかがっていくフェーズとなりそうです。
しかし、米中の対立が深まりつつあり、場合によっては世界経済に大きなダメージを与える可能性も十分に考えられます。
また、日本国内に目を向けても、緊急事態宣下の解除されてから北九州市での感染拡大が報道されていることからも分かる通り、
「移動制限の解除 → 感染拡大 → ふたたび移動制限」
となることが想定され、しばらくは楽観視できない状況にあります。
何にせよ、世の誰もが新型コロナウィルスの今後について正確に予想出来ない以上、一般投資家にできることは、
- 「今がチャンス!」と買い急ぐ
- 「暴落の前に逃げ切ろう!」と売りに走る
といったことをせず、冷静に市場を見つめながら自分の投資ルールに忠実に従うことしかありません。
というわけで、これからも積立投資を心穏やかに続けていくことにします。
暴落期が長くなればなるほど、 株価の変動が大きければ大きい程、ドルコスト平均法による積立投資の利益は大きくなります。
新型コロナウィルスには迅速に鎮静化してもらう必要がありますが、株価はもっと下落していいよ。
むしろ、下落してくれぃ…。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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