以下グラフは、2000年からのS&P500の利益率の推移(売上に対してどれだけの純利益があるか)です。

見ての通り、右肩上がりのトレンドとなっています。
もちろん、『企業の利益率が上がっている』を『搾取率が上昇している』と直結するわけにはいきませんが、
『純利益』は『人件費』を引いた後の金額なわけですから、これはある意味で
- 売上を従業員には配らずに、企業の利益として残す割合が増えてきている
- すなわち、従業員の出した売上を、企業が搾取する率が上昇している
と言えるわけです。
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なお、この純利益は
- 株主配当
- 自社株買い
などに使われるわけなので、株主と労働者との間の格差が拡大していくことも指しています。

「さすがG7最強の格差国アメリカ!」
と言ったうえで
「そういえば、比較的に格差の小さい我が国はどうなってんだっけ?」
と思って調べてみたらこれでした。

こちらは『経常利益率』なのでアメリカのグラフとはちょっと違いますが、

「大企業の利益率がむちゃくちゃ伸びてるじゃん!」
残念。
昨今の日本では賃金の上昇が始まり、この傾向を維持しつつ高すぎないインフレへのコントロールをすることができれば、労働者も豊かになるのではないかと期待をしている方も多いでしょう。
実際に、日本の上場企業の利益は順調に増えてきており、

それに伴い純利益も増え続けています。

この源泉の一つは、間違いなく『労働者の働き』で『労働者が以前よりも多く稼いでいる』ことが主な要因です。
しかし、労働者の働きによって得られた売り上げの中から、『会社の利益 ≒ 株主の利益』として残される(給与として配られない)割合は上がってきています。
頑張って働いて稼いだのに、ねぇ。
そして、これを取り戻す手っ取り早い手段は株式投資です。
企業の純利益が株主のものとなるのなら、株主となることが手っ取り早いからです。
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との結論を、投資家ばかりが集まるこのブログで書いてもしゃーないので、別の切り口で。
わたしが心配しているのは『右肩上がりを続ける利益率による破綻』です。
直近だけを想像すると、
- AIの発展により、人件費を削減しながらも売り上げを伸ばせる世界がくる
のではないかと想像しています。
つまり、
- より利益率が上昇していく世界
- より格差が広がっていく世界
です。
実際に、アメリカ経済は4%の高成長をしながらも雇用は増えていない(米国の4%成長と雇用創出停滞をどう説明するか)という、説明が難しい状況にあります(AIのおかげとは言い切れませんが)
しかし、いつまでも広がり続ける格差に人々が耐えられるとは思えません。
よって、
- 暴力により、これを解消しようとする人々が暴走する世界がくる
ことが考えられます。
そして、もし『格差が拡大するのにも関わらず、暴力による反旗が起きない』のであれば、それは
- AIがSNSを通じて人々をマインドコントロールし、格差が存在していることすら気づかない世界となっている
と、言えるでしょう。
このAIは『世界平和』を目的とした働きをしているわけですが、これが『良いAI』なのか『悪いAI』なのか、どちらなのでしょうか。
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と、急にSFチックな話になってしまいましたが、あながち冗談とも思えない未来とも思えますから、この先はみなさまの想像力におまかせして、この記事はここで終わりとさせていただきます。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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