「そろそろリセッションかも?」
みたいな声をよく聞くわけですが、そこを見定めるためには『雇用統計』が使いやすいと個人的には考えています。
そこで、バンガードがまとめてくれていたアメリカの雇用データがなかなか面白かったのでご紹介していきます。
Data show labor market strength despite slower hiring
ジワジワと下がっていく雇用成長率(Employment growth rate)
まずは、雇用数の増減です。
下のグラフでは二つのデータを並べており、
青色線である政府データは『非農業雇用者数の増減』で、
黄色線であるバンガードデータは『採用数から離職数を引いた雇用増減』となっていますが、どちらも減少しています。

ここから「雇用市場が弱い」ということが分かります。
この傾向は21歳から25歳にかけて強く見られます。

それでも伸びる賃金
『雇用者数』は低下しつつある昨今ですが、賃金は上昇しています。

2025年8月時点でインフレ率は2.9%ほどですから、青色線の時間給で働く労働者、黄色線の給与所得者ともにこれを超えています。
「雇用数が伸びていなくても、賃金は伸びている。」
面白いですね。
なお、解雇率・離職率は上昇していないことから、
- すでに雇っている社員の賃金を上げ、新規労働者を雇おうとしない傾向にある
と見ることができます。
さて、この事態を
「AIによって新規雇用が増えなくなったが、既存の労働者の賃金が上がっている」
と想像することはできますが、現時点ではそこまでハッキリと言うことはできないでしょう。
また、既労働者の賃金ばかりが上昇していることから「格差が広がる」ようにも思えますが、(少々古いデータになりますが)2025年4月時点では
- 低賃金層ほど賃金の上昇率が高い
となっていました。

(Labor market pulse: Will recent resilience continue? )
なお、低賃金層ほど賃金が上昇した理由は、Economic Policy Instituteの分析によると、
- 失業率が低かったため、賃金をあげざるをえなかった
- コロナ禍から、低賃金労働者の交渉力が高まった
- 各州で最低賃金の大きな引き上げがおきた
とのことで、「これからもこの傾向が続くとは言いづらい」としています。
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というわけで、労働市場に関するアレコレをお届けさせてもらいました。
「好調な賃金」と「不調な雇用者数」ということで、労働市場が好調なのかどうか悩ましい状況にあるように見えます。
が、個人的には、
「少数の優秀な労働者が、さらに多くの賃金を受け取る世界に向かっていくのではないか?」
とボンヤリと想像しています。
これ、『いますにで高賃金の人間は安泰』という世界ではありません。
高賃金の人間ほど、AIなどに代替するコスト面でのメリットが大きいからです。
これはSE業界にいてとても強く実感しましたが、
- SE不足により、世界的にSEの賃金が大きく上昇(数年前にはよく話題に上がりましたね)
- その後、クラウドサーバやローコーディング(やノーコーディング)開発言語が急速に発展
- 多くのSEを確保せずともシステム構築ができる世界が到来
との流れがありました。
そして、現在は「AIに何を代替させようか?」とみなが考えている時代です。
AIがどれほどに職を奪うことになるのか想像することは難しいですが、いまよりは『労働』が不安定になる可能性は高いです。
よって、『労働収入以外の収入源』を確保しておく必要性が、今後ますます増していくのではないかと想像しながら、この記事を終わりとさせていただきます。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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