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バートン・マルキール「売るな」

インデックス投資家の聖典と言いえる『ウォール街のランダムウォーカー』の著者であるバートン・マルキール氏が

「最適な売買タイミングを判断するのは実質不可能だ」

と、投資家に向け警鐘を鳴らしております。

「暴落が近づいている!」と思っても、決して現金化してはいけない。『ウォール街のランダムウォーカー』の著者がアドバイス

 

一部流用すると、以下のような発言がありました。

投資家が犯す最大の凡ミスは売りと買い戻しのタイミングを計ろうとすることだという。

老後の資金が目減りするのを見ると、売らなければと焦る気持ちは理解できるとしながらも次のように言う。「とてもつらいのはよくわかる。だが現金化は常に間違った判断だ」

 

資産が減るのは辛いです。

 

よって売りたくなる気持ちは分かりますが、そもそも

  • 投資の原則の一つである『減っても困らないお金で投資する』を守っているのであれば、減ったところで「しゃーなし」と諦められる
  • 投資の原則の一つである『減ってもビビらないですむポートフォリオ』を準備することができていれば、「想定内じゃ」と受け入れられる

はずです。

 

よって、まずは「暴落するかも?」という気持ちに備えるために、『暴落が起きる前』『暴落しそうだと感じる前』に適切な準備(ポートフォリオの構築など)をしていおくことが重要です。そのうえでイザ暴落が発生した時には、『現在のポートフォリオにした経緯・理由』を振り返ることで、「売りたい」という気持ちを制御できるのではないでしょうか。

 

また、バートン・マルキールはレバレッジ投資に関しては強い口調で批判しています。

一方、株式や指数の何倍ものリターンを約束するレバレッジドETF(上場投資信託)を批判する。「これらは純粋な投機商品の類に過ぎず、イライラする」

「どのギャンブラーもそうだが、ツキに恵まれて儲かるときもあるだろう。だが、長い目で見れば負けるだろう」と、マルキール氏は指摘する。「市場の長期パフォーマンスに勝つのが難しいことに変わりはなく、自信過剰は大失敗を招く可能性が高い」

 

投資の怖いところの一つは『勝てるときはバカでも勝てちゃう』です。

 

とくに、ここ数年は市場が絶好調であったことから、目隠ししてレバレッジドETFを買っていたとしても、多くのケースで大勝できていたであろうことから、

 

「私には秘めたる才能があったのだ…!」

 

と勘違いしている人も多いかもしれません。

 

わたくしもビギナーズラックで成功してきた経験があります。

 

しかしその後、レバレッジ投資に手を付け、見事リーマンショックで全財産を失いました。

 

将来のことは不明で、もしかすると『いますぐ売却』が正解となるような事態が起きるかもしれません。しかし反対に、ここであげたバートン・マルキールの「売るな」という主張を聞くことで大きなリターンが手に入るかもしれません。

 

正解がどちらかは分かりませんが、それでも、ハーバード大学で学士号、プリンストン大学で博士合を取り、1973年に『ウォール街のランダムウォーカー』を上梓、アメリカン証券取引所理事などに付き、現在でもウェルスフロント(Wealthfront)の最高投資責任者(CIO)であるという、生涯をかけて市場を研究してきたバートン・マルキールが、私や一般的な個人投資家よりも市場に精通していることはまず間違いないでしょう。

 

じっくり時間をかけ、市場を分析することで、もしかするとタイミング投資で成功できるかもしれません。

しかし、市場でタイミング投資を成功させるためには、無尽蔵にいる「他の投資家を出し抜いて儲けてやるぜ…!」と考えている優秀な投資家を超えていかねればなりません。

 

これを実力で成功させるには膨大な時間をかける必要があります。もしかすると、直感により運よく成功できるかもしれませんが、その成功は将来『悲惨な失敗』を呼び込む種となるかもしれません。

 

もとより、株式は株主にとって有利な制度となっているわけですから、売買で成功できなくとも、株主である期間が長ければ大きなリターンが手に入る可能性は高いです。

よって、投資を『手間をかけずに行える資産形成の手段』として捉えているのであれば、『なんとなく』で売るのではなく、『なんとなく』で持ち続けたら良いのではないかと私は考えます。

 

 

「暴落しそう」と考えながらも、株式を持ち続けるのは怖いですよね。

しかし、株価を売った後に『好調に上り続けていく株価』を見せつけられるのは、もっと怖いですよ。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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