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市場が非効率になってきたぞ【非効率的市場仮説】

AQRキャピタル・マネジメントの代表取締役・創設者Clifford S. Asness氏が2024年9月に

「市場は非効率になってきているぞ!」

と主張する『非効率市場仮説』という論文を発表しておりました。

 

「市場は完璧に効率的である」と考えている人はいないとは思います。

しかし、「そこそこに効率的だからこそインデックス投資をしている」という人は多いと思いますし、「市場が完全にでたらめに動くのだったら、個別株投資であっても怖くてやれない」とも言えますので、『非効率的市場仮説』を紹介していきたいと思います。

 

<目次>

 

増大しているバリュースプレッド

「市場が非効率になってきている」という主張の根拠として最初に出てくるのが、

  • バリュー・スプレッドの増大

です。

 

これは、

  • 大型株のみを対象に、PBR(株価純資産倍率)が上位 30%の株式のPBRを、下位 30%のPBRで割ったもの

となっています。

 

PBRとはカンタンに言うと、

  • PBRが高い:持っている資産は少ないのに時価総額が大きい企業(将来に期待されれている人気のある企業)
  • PBRが低い:持っている資産が多いのに時価総額が小さい企業(将来にあまり期待されていない人気のない企業)

なので、上記グラフが昨今上昇しているということは

  • 人気のある(PBRが高い)企業により人気が集まり(株価が上昇し)、人気のない(PBRの低い)企業が売られている

ということになります。

 

なお、これは、PBRだけでなくPER、PCFRなど5つのバリュー指標で計っても同様の結果となっています。

つまり、

  • 『割高である企業がより割高になっている』か『割安な企業がより割安になっている』か、または両方が進んでいる
  • これは「市場が非効率になっている」と考えられる根拠の一つとなっている

と主張しています。

 

インデックス投資が広がったことによる非効率化

著者は、この原因の一つとして

  • インデックスファンドの台頭

をあげています。

 

これは、仮説ではあるものの、

  • インデックスファンドの台頭により、アクティブ投資をする投資家が減ってきた。
  • そして、実力をもった投資家ほどインデックス投資に移行し、アクティブ投資を続けているものは弱者(論文ではminnows(稚魚、小魚)と表現w)ばかりとなってきた
  • この状況は『投資弱者が市場の値を決めるようになってきた』といえ、これによって価格が適切に調整されづらくなり、市場が非効率になってきた。

としています。

 

なお、この論文には乗ってたわけではありませんが

  • アメリカ市場の個人投資家の売買(ファンドを経由しない)は、2010年の10%から、2025年には20.5%にまで増えている(barrons.com)

という情報からも、

  • 個人投資家が、市場の値を決めるようになってきた

と言えるのかもしれません。

 

---小ネタ---

なお、ジョン・ボーグル氏は、「市場のどれくらいの割合を時価総額加重のインデック
ス運⽤に回したら、株価は暴落するだろうか」と問われ「75%」と答えたそうです。

その理由は「I made it up.」でしたがw

--小ネタ終わり--

 

超低金利が続いた

他の要因としては『長く続いている超低金利』をあげています。

 

著者は

「低金利が直接的に市場を混乱させるとは言い切れない」

とはしていますが、それでも一定の根拠はあるとしています。

 

ここら辺は、論文では詳しく書かれていませんでしたが、

エドワード・チャンセラー氏の『金利 「時間の価格」の物語』に詳しく書かれており、

  • 低金利は、リターンが見込めない国債や預金からお金が逃げ、ハイリスク・ハイリターンな投資先へ向かっていく。
  • 事業者は「成功の目途はたっていないが、金利も安いから借金してチャンレジしようかな」と実現性の低い事業が増えてしまう。
  • 低金利であると、借金やレバレッジをかけた投資が増え、バブルが起きやすい

といったことから

  • 長期間つづく低金利は市場をゆがめる

と主張しています。

 

 

 

テクノロジーの影響を受けすぎた

効率的市場仮説の中には、

  • テクノロジーの進化で情報伝達が高速化し、すぐに株価に反映されるようになった

との主張があります。

しかし、著者は反対に、

  • テクノロジーの進化、手数料の減少により、株式取引の中毒になっている人々が存在している。
  • ソーシャルメディアによって、人々の偏見が強化され、暴徒化し、合理的な判断ができなくなっている。

と主張しています。

 

うん。分かる。

 

株式投資には間違いなくギャンブル的要素があります。

ギャンブルの代表格の一つであるカジノは期待値が1.0より低いのにも関わらず、多くの人々があつまり、中には中毒に陥っている人もいます。

もし、カジノの期待値が1.0を上回っていれば、カジノの盛況はいまの比ではないでしょう。

 

そして、期待値が1.0を上回っているギャンブルがこそが株式投資であると考えれば、『株式投資中毒になっている投資家がむらがっている』となっていてもおかしくないでしょう。

 

現在の株式投資は、

  • スマホからいつでもできる
  • 売買手数料もたいしてかからない
  • そして期待値が高い

と、ギャンブラーにとって最高の遊び場となっており、人々がこれに熱中していくことで、価格が実態以上に高騰したり、考えられないような値動きをしてもおかしくありません。

 

2021年ごろに実際にあったゲームストップ株騒動では、

  • 機関投資家が、業績不振のゲームストップ株を大量の空売り
  • Reddit(ネット掲示板)で個人投資家が結託し、ゲームストップ株を大量買い
  • ゲームストップ株の株価が急上昇し、空売りしていた機関投資家が株を買い戻し、大きな損失をこうむる

といった事態が起きました。

 

これは『投資』とはいえず、株式市場がただの投機の場となったと言え、明らかに『効率的市場』とはかけ離れています。

 

非効率さを突くことの難しさ

というわけで、「市場が非効率的になりつつある」とも考えられるわけですが、

  • 市場が非効率になったからとて、個別株投資で勝てるようになったわけではない

ので注意が必要です。

 

先にあげたゲームストップ株のように、

  • 効率的な投資をしていたとて、非効率な投資家が大多数であれば非効率な意見が市場に反映される。

ことになります。

よって、

  • 割安な銘柄に投資していたとて、非効率な市場がそれに気づかずに、いつまでたっても株価が上昇しない

となることも考えられます。

 

とはいえ、長期的には『それなりに適正な株価』に修正されていく可能性は高いと考えられますが、適正な株価に修正されるまで保有し続ける胆力が必要となります。

 

ジョン・ボーグルも

 

「インデックス投資が有利なのは、効率的市場仮説とは関係ない」

 

と言っています。

 

『非効率な市場』であったとしても、これと戦うには相応の能力・胆力が必要であり、それを持たない投資家にとってインデックス投資が良い選択肢であることに変わりはないでしょう。

 

追伸

ちなみに、私はこの論文を読んで「非効率化が進んでいる!!」と強く断定しているわけではなく、「非効率になってきている感があるよね?」くらいの主張であると受け取りました。

ここら辺についてはぜひ(AIに要約させずに)原文を読んで、各々で解釈していただければと思います。

 

いずれにせよ、インデックス投資が有力な投資法であることに変わりはないので、引き続きほったらかし投資を続けていきたいと思います。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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