なんだか、
「円安になってきて、日本円の価値が下がってきているから、急いで海外の資産を買え!」
なんて声が聞こえてきますが、納得いかない。
私は、
『円安になったから海外の資産を買う』という行為は、『事故にあってから保険に入る』という行為にひとしい
と考えているからです。
それを考える上で、まず考えなければならないポイントは
- 資産のすべてを日本円だけで持っているのは、非常にリスキー
という点で、このことを今回の円安・インフレのおかげで気付いた方も多いでしょう。
資産を守るためには、何が起きても大丈夫なように、リスク分散しておくことが重要です。
例えば、
- 円安になるかもしれないから、外貨も持っておく
- 反対に円高になるかもしれないから、円も持っておく
- インフレになるかもしれないから、資産(株や土地など)を持っておく
といった感じです。
んで、これをする上で最も重要なのは
- 「○○が起こるかもしれない…」が現実のものとなる前に備えておく
ということです。
つまりは、
- 円安になる前に、保険として外貨を持っておく
ことが重要なわけです。
しかし、円安になったいま、『外貨を買う』という行為は、まったく持って備えにならず、『事故にあってから保険に入る』ような効果しかありません。
(もちろん、次の事故に備える効果はありますけどね)
それどころか『価格の下がった円』を使って、『価格の高い外貨』を買うことになるので、かなり高い買い物をすることになってしまいます。
さて、そんなことを書くと
「これからも円安になっていくんだから、いまのうちに海外資産を買っていくべきだろ!」
なんて思う人もいるかと思います。
もし、本当に円安がこれからも進むのであれば、その選択は正しいでしょう。
しかし、今後の為替が予想できるなんて思ってはいけません。
為替が予想ができたらボロもうけ
マスコミの報道などを見ていると、
- 外国は金利を上げ続けているが、日本は金利を上げていないので、円安傾向はつづく
- 黒田総裁がいる限り、金利をあげることはないので、円安傾向はつづく
なんて言われていることがあります。
しかし、そう簡単に為替が読めるはずありません。
もし、『これからも円安が進む』のが確実視されているのであれば、世の中の投資家が、『円売り』を加速することになります。
そうなれば、円は一瞬で下落していきます。
みなが『円は落ちていく』と考えている限り、無限に下落していきます。
しかし、実際には無限に下落しつづけることはなく、「こんなところだろう」と多くの投資家が納得した価格で落ち着くことになります。
そして、この価格の調整は短時間で一気に起きます。
「今後は、ちょっと円安になるかも」と投資家が思う報道があれば、その瞬間に少し円安が進みますし、
「もう円はダメだ!」と投資家が思う報道があれば、その瞬間に円は暴落します。
つまり、
- 投資家は、最新の情報で即座に投資しているため、いまの為替は『知りうるすべての情報を含んだ適正価格』と言える
わけです(株価と同じですね)
言い換えると、
- これから円が上がっていくか、下がっていくかは、新たにでてくる情報しだい
だという訳で、つまりは、
- 為替が今後どうなっていくかなんて分からんよ
- ってことは、今から外貨を買っても遅いかもよ
ということです。
それでも「分かる。間違いない。」と言える人は、数十倍、数百倍のレバレッジをかけて円を売ってみてください。それで大金持ちになれるはずです。
『知っている』と『経験した』には雲泥の差がある
さてさて、そんなこと考えているため「円安になってきたから海外資産に投資するっておかしくない?」なんてタイトルを付けた記事を書いてきました。
しかし、うえでも軽く触れた通り
- 事故にあってから保険に入っても、次の事故に備える効果はある
のも確かなので、これを機に資産を分散する人が増えたらいいなぁ、とも思うのでした。
あたり前ですが、いままで「日本円での貯金100%でもOK!」という間違った認識が広がっていたのは、長らく『円の価値が下がる』『お金の価値が下がる』という経験をする機会がなかったためかと思います。
それどころか『デフレによってお金の価値が上がってきていた』なんて時代を過ごしてきたことも大きな要因でしょう。
とはいえ、「資産は分散しておいた方がいいよ」なんてことは、様々なタイミング・場所で語られていたので「なんとなく知っている」という人も多かったのではないでしょうか。
そういう意味で、「知っている」や「学んだ」なんてことはさほど重要ではなく、『経験』がなによりも重要だなぁ、と改めて思ったのでした。
保険に入るきっかけとなりうるもっとも重要なイベントは、『保険の重要さを説かれる』なんてことではなく、『事故にあうこと』であるのは間違いありません。
てことは、私の狙いである「投資未経験者を投資家にする」という目標を達成するには、「投資をさせる」ってのが重要だってことになります。
やっぱり、無理やりにでも投資させる制度を作ってもらうのが手っ取り早いのなかなぁ…。
私も恐ろしいほどのギャンブラー
最後におまけです。
この記事では
「資産が『円の貯金だけ』なんてのは危険だ!ギャンブルそのものだ!」
なんて批判してまいりましたが、私も負けていません。
私は資産のほぼ100%を株式に投入しているので、世の中で大した事件が発生しなくても、平気で資産が数十%くらい減るようなことがあります。
ただ、『円しか持っていない人』との違いをあげるとすれば、『価値が下がることを覚悟している』という点でしょうか。
覚悟があるので、資産が減ったとしても「想定通りだぜ!」とドッシリ構えていられます。
反対に覚悟がなければ「黒田のせいだ!」「岸田のせいだ!」「コロナのせいだ!」と犯人探しに走ってしまいかねません。
資産の持ち方には色々ありますが、
- 円だけ持っておく
- 株式ばかりにしておく
- 色々な資産をバランスよく持っておく
- レバレッジをかけて短期勝負に徹する
のどれにもメリットがあれば、デメリットもあります。
よって、「○○すべし!」と狭く考えるのではなく、「○○していると、こんな時には○○になるよ」と理解しておくことが重要なのかもしれませんね。
そうすれば、心穏やかに生活できるのではないでしょうか。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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