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「2023年には180円と市場は予想」

「2023年には180円と市場は予想」

なんて記事があり、失礼ながら笑ってしまいました。

 

というのも、

  • 『将来180円になる』と市場全体が予想しているのであれば、すでに180円(近く)になっているはずだ

と考えられるからです。

 

為替に限らず、ほとんどの金融商品は『将来を見込んだ価格』となっています。

 

というのも、『いま1株100円のA社株』が『1年後に1株200円になる』と多くの人が予想していると仮定しましょう。

そのような状況であれば「いまのうちにA社株を買っておこう!」という人が続出し、それによってA社株が急騰することになります。

 

つまり、

  • 「これから○○の価格が△△になる!」と予想している人が大多数であれば、その時点で○○の価格は△△になる。

というわけで、

  • いまの価格は、将来を織り込んだうえでの適切な価格

となります。

 

であるのにも関わらず、「2023年には180円と市場は予想」というタイトルの記事があったので、笑ってしまったわけです。

 

なお、この発言は、『ミスター円』と呼ばれる榊原英資インド経済研究所理事長によるものだと紹介されており、引用すると

「市場の予測では今年末までには160円ぐらい、来年末には180円くらいまでいくんじゃないかと言われている」と話します。

と書いてありました。

 

おそらく「このまま日本が何の対策も打たなければ」という言葉が隠れているのでしょうが、この記事からはそういった説明が見つかりませんでした。

 

んでまぁ、そんな記事があるせいか、外貨定期預金が大幅増なんていう報道もされています。

 

円安が急激に進んだことで、外貨預金をする人が大きく増えているようです。

 

私は、外貨預金そのものに否定的な意見はもっておらず(「投資したらいいのに」と思うくらい)、

  • 日本円の資産ばかりに偏らせるよりも、ある程度を外貨でもっておくべきだ

と考えています。

よって、基本的には「いい流れだな~」と思っています。

 

しかし、この『外貨預金を始めた人』が『2023年には180円と市場は予想』という話を信じている人、言い方を変えると

  • これからも日本円は下がり続けるので、「儲けよう」と外貨預金をする人

なのであれば、話は変わってきます。

 

うえでも書いた通り、『いまの価格は、将来を織り込んだうえでの適切な価格』なので、「これからも円は下がっていくはずだ!」と外貨預金をするのは、ギャンブル以外の何ものでもありません。

 

そして、そのギャンブラーを生み出しているのが「2023年には180円と市場は予想」のような記事なのではないかと思ってしまいます。

 

そんなわけで、

「多くの日本人はマネーリテラシーが不足していると言われているが、メディアのマネーリテラシーもまぁまぁひどいな」

「みんなのマネーリテラシーを高めるためには、メディアのマネーリテラシーを高める必要もあるな」

と思ったのでした。

 

というわけで、「このブログでの発信も、もっと頑張らないといけないなー」とも思ったのでした。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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