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【2022年版】ウォーレン・バフェットから株主への手紙を要約+全文翻訳

毎年恒例のウォーレン・バフェットからのバークシャー・ハサウェイ株主への手紙が公開されています。

 

『新型コロナ』という特殊な環境下において、世界一の投資家であるウォーレン・バフェットがどのように考え、どういった行動を取っているのか、読み解いていきましょう。

 

この記事では、

  • 前半には、バフェットからの手紙の要約、筆者の所感
  • 後半には、バフェットからの手紙の全文を

書いていきますので、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 

なお、原文にチャレンジしてみたい方はこちらからどうぞ。

 

2023年版はこちらからどうぞ。

 

<目次>

 

【2022年版】バフェットから株主への手紙を要約

まずは、バフェットからの手紙から、特に重要だと思われる点をピックアップしてお伝えしていきます。

 

高い現金比率

2021年末のバークシャー資産のうち、およそ20%(1440億ドル)が現金となっています。

バフェットは「可能であれば資産の100%を株式にしたい」と考えているので、この比率にあるのは厳しい状況だと言えます。

 

なお、

  • 現金の比率が高くなっているのは、単に「買いたい」と思える銘柄が見つからないからだ

とバフェットは言います。

 

これは『市場は割高な状況にあるとバフェットは考えている』とも言えます。

 

自社株買いについて

そんな状況にあるため、バフェットは積極的に自社株買いを行っています。

 

直近2年間だけでも、2019年末時点で発行していた株式の9%(517億ドル)をも買い戻しています。

 

なお、自社株買いを積極的に行っているといっても、バークシャーの株価が適切な価格となっていなければ、自社株買いは行わない方針なので、この状況がいつまでも続くという保証はありません。

 

バークシャーにおけるビッグ4

バークシャーにおけるビッグ4の中に、鉄道事業を手掛けるBNFSがあります。

 

鉄道事業は「古く、将来性がない」とウォール街から期待されていなかったため、2009年に買収しました。

 

しかし、2021年には過去最高益である60億ドルもの利益を叩き出しました。

 

BNFS鉄道は、100年後もバークシャーや我が国にとって重要な資産であるだろう。

 

BNFSは、アメリカの商取引で最大の貨物を取り扱っており、必要不可欠な存在です。

もし、鉄道の代わりにトラックが貨物を運ぶようになればアメリカの炭素排出量は激増してしまうでしょう。

 

そういった意味でも、BNFSは偉大な企業なのです。

 

バフェットは、手紙の中で珍しくこう予言しています。

「100年後もBNSFは、バークシャーにとっても、アメリカにとっても重要な資産であり続けるでしょう」

 

ハイテク企業ばかりに目が行きがちな投資家に伝えてあげたいものです。

 

 

【2022年版】バフェットから株主への手紙の全文

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さて、ここからはバフェットからの株主への手紙の全文を紹介していきたいと思います。

私の技量不足で分かりづらい点などあるかと思いますが、ご容赦ください。

 

バークシャー・ハサウェイの株主の皆様へ

私と、私の⾧年のパートナーであるチャーリー•マンガーを信頼いただき、あなたの資産の⼀部の管理を任せていただきありがとうございます。

 

私たちには、私たちの状況をあなたに報告する責任がありますし、この報告書や株主総会を通じて、あなたと直接コミュニケーションを取れることを楽しみにいています。

 

私たちは、すべての株主を平等に扱う方針を持っています。

そのため、アナリストや⼤規模な機関を特別視するようなことはありません。

また、⽉曜⽇の市場の開場に向けて、株主とメディアが情報を吸収する時間を多く確保できるよう、⼟曜⽇の朝に重要な情報をリリースするよう心がけています。

 

バークシャーの実績は、定期的にSEC(米国証券取引委員会)に提出しています。

この詳細な実績に夢中になる株主もいるでしょう。

また、バークシャーにとって新しい行動や、興味深い何かがなかったか?を求める人もいるでしょう。

 

残念ながら、2021年にはそのような行動はほとんどありませんでした。

しかし、あなたにとっての本質的な価値であり、私たちの57年に渡って続く『株式の運用』に関しては引き続き対応させて頂いています。

 

あなたが所有するもの 

バークシャーは多種多様な事業を所有しており、会社すべてを保有しているケースもあれば、⼀部のみを所有している会社もあります。

私たちの投資先は、主に主要なアメリカ企業の普通株で構成されています。

また、当社は⽶国以外の株式も所有しており、いくつかの合弁事業、またはその他の共同活動にも参加しています。

 

投資の形態がなんであれ、私たちの⽬標は『永続的な経済的利益と、⼀流のCEOの両⽅を備えたビジネスに有意義な投資を行うこと』です。

 

当社は、タイムリーな売買をすることなく、⾧期的な業績に対する期待に基づいて株式を所有していることに注意してください。

その点は⾮常に重要です。

チャーリーと私はトレーダーではなく、有望なビジネスへの投資家なのです。

 

私は多くの間違いを犯します。

そのため、私たちの投資した企業の中には、本当に並外れた経済性を持っている企業もあれば、そうでもない企業もあります。

バークシャーが利用する普通株式の利点の1つは、素晴らしいビジネスを素晴らしい価格で簡単に購⼊できことにあります。

そのような機会は、株式投資を除くと⾮常にまれであり、⼤量に発⽣することはありません。

また、流動性のある株式市場で行われた取引であれば、間違をおかしたとしても、それを修正するのはとても簡単です。

 

サプライズ、サプライズ 

ここでは、『ベテラン投資家でも驚くことが多い、バークシャーに関する情報』をいくつか紹介します。

 

多くの⼈々は、バークシャーを『多くの企業・資産を保有する少し変わった投資会社』として認識していると思います。

 

実際、バークシャーは、他のどの⽶国企業よりも多くの⽶国「インフラストラクチャ(有形固定資産)」を所有および運営しています。

これは私たちの⽬標によるものではありませんでしたが、事実そうなっています。

 

2021年末時点で、これら資産は1,580億ドルにも上りました。

また、その額は今後も増加し続けるでしょう。

 

毎年、バークシャーはかなりの税金の⽀払っています。

たとえば、米国財務省による発表では『2021年の法人所得税の合計は4,020億ドル』とされていますが、バークシャーはそのうちの33億ドルを⽀払っています。

 

それだけでなく、バークシャーはかなりの州税と外国税も⽀払っています。

よって、バークシャーの株主による「私は寄付をしている」という主張は、間違いないものだと言えます。

 

バークシャーの歴史は、政府とアメリカ企業の⽬に見えず認識されていない金融パートナーシップを鮮明に表しています。

 

私たちの物語は、1955年に『バークシャーファインスピニング社』と『ハサウェイマニュファクチャリング社』が事業を統合することに合意したところから始まります。

どちらも歴史あるニューイングランドの繊維会社で、株主はこの統合に期待していました。

 

たとえば、ハサウェイ社は株主に

「この統合によって我々は、繊維産業で最も強力で最も効率的な組織の1つになるだろう」

と保証しましたし、その明るい見通しは、会社の顧問であるリーマンブラザーズ(そう、例のリーマンブラザーズです)によっても承認されました。

 

合併が完成しようとしたいた時、両社の株主は楽しい時間を過ごしたことでしょう。

しかし、時がたち合併による狂乱が冷めたところで、株主は⼤惨事に見舞われました。

 

合併後の9年間で、バークシャーのオーナーは会社の純資産クが5140万ドルから2210万ドルまで減るのを目の当たりにしました。

 

この減少の原因の一部は、株式買戻し、不適切な配当、⼯場の操業停⽌が原因でした。

しかし、それだけでなく何千⼈もの従業員が、9年間の必死に努力したのにも関わらず、営業損失をもたらしていたのです。

バークシャーの闘争は珍しいことではありませんでした。

すなわち、ニューイングランドの繊維産業そのものが、長期的に右肩下がりの状況にあったわけです。

 

合併後の9年間、⽶国財務省もバークシャーの問題に苦しんでいました。

バークシャーは、その間にわずか337,359ドルの所得税しか支払わなかったためです。 

 

しかし、1965年の初頭に状況は変わりました。

バークシャーは、新しい経営陣をむかえ、使える現金を再分配し、優良な事業に集中し、その事業は成功しました。

これら施策が上手くいき、株主に富をもたらしました。

 

しかし、この施策による恩恵を受けたのはバークシャーの株主だけではありません。

バークシャーの「沈黙のパートナー」である⽶国財務省は、所得税の⽀払いでバークシャーから数百億ドルを集められるようになったのです。

一時的には100ドル/1日しかい税金を支払っていませんでしたが、現在では毎⽇およそ900万ドルを⽀払っています。

 

バークシャーの繁栄はアメリカあってのものだということ忘れてはならず、株主は政府を認める必要があります。

もし、1965年にバークシャーが誕生しなかったとしても、アメリカは今のように繁栄していたことでしょう。

しかし、アメリカが存在しなければバークシャーが今のように繁栄していることはなかったことでしょう。

 

アメリカ国旗が見えたら「ありがとう」と声をかけてあげてください。

 

1967年にナショナル・インデミュニティ社を860万ドルで購⼊してから、バークシャーは保険の「フロート(顧客から預かっているお金)」で世界的リーダーになりました。

バークシャーのフロートの合計は、保険事業に参⼊したときの1,900万ドルから1,470億ドルにまで増加しました。

 

これまでのところ、このフロートによるコストありません。

『保険による支払い』と『営業の費用』の合計が保険料を上回ったことは何度かありますが、全体としては、この55年の間わずかながら利益を上げ続けています。 

 

また、同様に重要な点として、フロートは流動性が非常に低いという点があります。

保険事業によって資金の出⼊りは頻繁に起こりますが、それでもフロートの総額が急激に変更すうことはありません。

よって、フロートを使った運用のことを⾧期的に考えることができます。

 

保険においてバークシャーが巨額の価値を作りだせているのは、1986年にアジット・ジャインを採⽤したことが起因となっています。

 

私とアジットは⼟曜⽇の朝に初めて顔合わせをし、私はまず彼に「保険事業の経験はあるか?」と尋ねました。

しかし、彼は「ない」と答えました。

私は「誰も完璧ではない」と⾔って、彼を雇いました。

それは私にとって良い⽇となりました。

アジットの雇用は実際に完璧な選択であり、35年たった今でもそれは変わりません。

 

最後に、保険について考えてみます。

バークシャーのフロートは、⾧期的には赤字になることなく維持できる可能性が⾼いと思いますが、保証はされていません。

また、おそらく、⾮常に多額の損失を伴うような年がことも間違いないでしょう。

しかし、バークシャーは、他の保険会社とは異なり、壊滅的な災害などに出会ったとしても、それを乗り越えられるよう設計されています。

これは、チャーリーと私がいなくなったとしても、変わりません。

 

私たちの4⼈の巨⼈ 

バークシャーを通じて、バークシャーの株主は何⼗もの事業を所有しています。

これらのいくつかは、子会社をいくつも持っているものもあります。


例えば、マーモン社は、鉄道車両のリースから医療機器の製造に⾄るまで、100を超える個別の事業を行っています。 

 

とはいえ、私たちが「ビッグ4」と呼ばれる企業は、バークシャーの価値の⾮常に⼤きな割合を占めています。

 

その筆頭が保険会社群です。

 

バークシャーはこの保険会社群の株を実質100%を所有しており、その巨⼤なフロートは前述た通り非常に大きいものとなっています。

また、これらの保険会社の資産は、私たちが投資することによってさらに拡⼤されていきます。

 

保険事業

保険事業はバークシャーによるオーダーメイドです。

商品が時代遅れになることはなく、販売額は経済成⾧とインフレの両方に合わせて増えていきます。

また、保険事業において誠実さと資本の大きさは非常なものと言えます。

この点において、私たちの会社はうまく振る舞うことができており、そしてこれからそうありたいと思っています。

 

もちろん、優れたビジネスモデルや将来性をもつ他の保険会社もあります。

しかし、バークシャーほどうまく経営するのは困難だと思われます。

 

アップル

2021年末の時価総額が世界一となったアップル社は、種類の異なる銘柄です。

 

アップルの私たちの所有権はわずか5.55%で、前年の5.39%から増加しています。

その増加は⼩さなジャガイモのように聞こえますが、『2021年のAppleの収益は、たった0.1%でも1億ドルになる』とご理解ください。

また、私たちは持ち株比率を高めるためにバークシャーの資金を使っておらず、アップル社の自社株買いによって比率が高まりました。 

 

バークシャーのGAAP(一般的な会計解釈における)レポートでは、アップルからの配当のみがカウントされることを理解してください。

昨年、アップルは私たちに7億8500万ドルの配当金を⽀払いました。

しかし、アップルの上げた利益のうち、バークシャーの取り分は56億ドルもありました。

配当金に当てられなかった分の利益は、自社株買いに当てられており、私たちはその行為を賞賛しています。

 

アップルの優秀なCEOであるティム・クックは、アップル製品のユーザのことを第一に考えています。

その恩恵は、アップルを指示する様々な人が受けています。

 

BNSF(鉄道会社)

私たちにとって3番⽬の巨⼈であるBNSFは、引き続きアメリカの商取引のナンバーワンの動脈であり、バークシャーだけでなくアメリカにとっても不可⽋なものとなっています。

もし、BNSFの代わりにトラックが製品を運ぶようになれば、アメリカの炭素排出量は急増してしまうでしょう。

 

BNSF鉄道は2021年に60億ドルの過去最高益を上げました。

この収益は、昔ながらの『収益』であることに注意してください。

これは、利⼦、税金、減価償却、償却、およびあらゆる形態の補償の後に計算された数値です。

 

BNSFの列車は、昨年だけで1億4300万マイルを移動し、5億3500万トンの貨物を運びました。

どちらの成果も、他のアメリカの航空会社の成果をはるかに上回っています。

あなたはBNSF鉄道の所有者であることに、誇りを持ってもよいのです。 

 

BHE(バークシャー・ハサウェイ・エネルギー)

私たちの最後の巨⼈であるBHEは、2021年に過去最高の40億ドルを稼ぎ出しました。

これは、バークシャーが初めてBHEの株式を購⼊した2000年に得た1億2200万ドルと比べると、30倍以上になります。

現在、バークシャーはBHE社の91.1%の株を所有しています。 

 

BHEは、財務実績だけでなく『社会への貢献』という面で見ても、素晴らしいものがあります。

 

2000年には⾵力発電も太陽光発電もなかったため、巨⼤な電気事業者の中では⽐較的新しくマイナーな企業だとみなされていました。

その後、デービッド・ソコルとグレッグ・アベルのリーダーシップの下で、BHEは電力会社の中でも大企業となり(うめき声はご遠慮ください)、⽶国の多くの地域で⾵力、太陽光、送電をリードする企業への生まれ変わりました。

 

BHEの行いは、いま流行っている『グリーンウォッシュ』のような考え方ではありません。

 

BHEは、 2007年以来、毎年、再⽣可能エネルギーと送電の計画と実績をを詳細に説明してきました。

この情報をさらに確認するには、BHEのWebサイトbrkenergy.comにアクセスしてください。

そこでは、BHEが以前から気候変動に配慮した動きをしており、それが収益となっていることが分かります。

 

未来には、さらなるチャンスが待っています。

 

BHEは、我が国が必要とする巨⼤な電力プロジェクトに取り組むことができる経営陣、経験、資本、そして意欲を持っています。 

 

投資

次には、私たちが管理していない会社について話しましょう。

ここのはAppleが再び出てきます。

 

このリストのうちのいくつかは、バークシャーで⾧年の投資マネージャーを務めてきた、トッド・コームズとテッド・ウェシュラーが選んだ企業です。

 

年末時点でこの二人は、340億ドルの投資に関する全権を持っていますが、その多くは、このリストには掲載されていません。

また、トッドとトッドが運用する資金の大部分は、バークシャー傘下の企業年金の運用会社に預けられており、その企業年金の資産はこのリスクには掲載していません。

 

 

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他にもバークシャーは、『100億ドルを出資したオクシデンタルホールディング』に加え、『クラフト・ハインツ社』の26.6%(131億ドル分)を所有し、『去年450億ドルの収益を上げたパイロット社(大手旅行会社)』の38.6%の株を保有しています。

 

2017年にパイロット株を購⼊して以来、この持株は「持分」会計処理を保証しています。

2023年の早い時期に、バークシャーはパイロット株を追加を購⼊し、所有権を80%に引き上げ、パイロットの収益、資産、負債を完全に連結させる予定です。 

 

⽶国財務省の請求書

バークシャーのバランスシートには、1,440億ドルの現金および現金同等物(BNSFおよびBHEの保有を除く)が含まれています。

このうち、1,200億ドルが⽶国財務省証券(債券)となっており、すべて1年以内に満期になります。

 

チャーリーと私は、バークシャー(BNSFとBHE以外の⼦会社とともに)が常に300億ドル以上の現金と同等物を保有することを約束しています。

私たちは、バークシャーが堅牢であり、見知らぬ⼈(あるいは友⼈の優しさ)に依存しなければならない状況を避けたいと思っています。

私たち⼆⼈はぐっすり眠りたいし、債権者、保険金請求者、そしてあなたにもそうしてもらいたいのです。 

 

しかし、1440億ドル?

 

この堂々たる金額は、熱狂的な愛国⼼によるものではありません。

また、チャーリーと私は『新たな企業のオーナーになる』ことへの圧倒的な憧れを失ったわけでもありません。

いまらから80年前の1942年3⽉11⽇、私はシティズサービス社の優先株を3株購⼊し、その憧れを頂きました。

この購入にかかった費⽤は114.75ドルで、私の貯金すべてが必要でした。

 

最初の暴落の後、私は常に純資産の80%以上を株式で保有していました。

しかし、本当は純資産の100%を株式で保有したいと考えています。

それでも、バークシャーが『80%』という株式保有率となっているのは、私が『⾧期保有するに値する企業』またはその⼀部を見つけられなかった結果です。 

 

チャーリーと私は、過去にも多額の現金を持つ状況に耐えてきました。

これらの期間は決して楽しいものではありませんが、決して永続的ではありません。

 

そして、幸いなことに2020年から2021年にかけて、資金を投入するに値する魅力的な代替案がありました。

 

株式買戻し 

私たちがあなたの投資の価値を⾼めることができる3つの⽅法があります。

 

1つ⽬は、常に私たち最重要事項となっている『内部成⾧または企業買収を通じて、バークシャーのビジネスの⾧期的な収益力を⾼めること』です。

現在では、買収よりも内部成長のの方がはるかに良いリターンが得られます。

しかし、その規模はバークシャー全体の資産の中では小さいものです。

 

2つ目は、上場している『優れたビジネスを持っている企業』の一部の株を購入することです。

 

そのチャンスは、時には多数ありますが、現在はほとんど見当たりません。

 

このチャンスがあるかどうかは、金利によってある程度決まります。

⾧期金利が低いと、株式、アパート、農場、油井など、すべての生産的な投資先の価格が上昇します。

他の要因が価格に影響を与えることもありますが、その中でも金利は重要です。 

 

最後の3つ目は、バークシャー株を買い戻すことです。

この行為によって、『バークシャーが所有する多くのビジネス』における、あなたのシェアを拡大します。

 

『価格』と『価値』が適切な値となっていれば、この方法が最も簡単で確実にみなさんの資産を増やすことにつながります。

 (自社株買いは、売り手にとっても社会にとってもささやかな利益となります)

 

企業買収が魅力的でなくなると、自社株買いはバークシャーの株主に良い効果をもたらします。

 

そこで、過去2年間に、 2019年末時点で発行済みの株式の9%(517億ドル)を買い戻しました。

この自社株買いにより、バークシャーの株主は、バークシャーの全事業の約10%を追加で所有することとなりました。

 

なお、バークシャーの自社株買いを効果的にするためには、バークシャーの株価が適切である必要があります。

他社の株式を買いすぎるのは好ましくありませんし、バークシャー株を買いすぎてしまっても価値が損なわれてしまいます。

 

2022年2⽉23⽇現在、年末以降に12億ドルの自社株買いを行いました。

私たちの自社株買いに対する意欲は依然として⼤きいですが、常に価格に左右されることをご理解ください。

 

また、バークシャー株の株主は長期投資家層が主であることから、買い戻しの機会は限られています。 

もし、バークシャー株が短期投資家に大量に保有されていれば、価格変動は激しくなり、自社株買いのチャンスは各段に増えることでしょう。

 

しかし、チャーリーと私は、いまの株主のことが気に入っています。
彼らの長期投資のスタイルが、投機的な自社株買いによって得られる利益を減少させてはいますが。

 

最後に、バークシャー固有の見落とされがちな価値計算をひとつ。

 

これまでに説明したように、適切な種類の保険「フロート」は、私たちにとって⼤きな価値があります。

そのため、自社株買いによって1株あたりの「フロート」の量が⾃動的に増えることになります。

この2年間で2、A株の株価は79,387ドルから99,497ドルへと25%増加し、それは自社株買いによるものだと言えます。 

 

素晴らしい男と素晴らしいビジネス

昨年、ポール・アンドリュースが亡くなりました。

ポールは、フォートワースに本拠を置くバークシャーの⼦会社TTIの創設者兼CEO
でした。

チャーリーと私は、ポールの(彼のビジネスと彼の個⼈的な追求の両⽅で)すべての素質を尊敬していました。
よって、ここでポールの話をさせてもらいます。

 

1971年、ポールはジェネラルダイナミクスの購買エージェントとして働いていましたが、そこにニクソン・ショックが襲い掛かりました。

巨⼤な防衛契約を失った会社は、ポールを含む何千⼈もの従業員を解雇しました。 

 

第一子の出産を間近に控えたポールは、⾃分に賭けることにしました。

ポールは500ドルの貯金を使って、テックストロニクス(後にTTIに改名)を設立しました。

同社は⼩型電⼦部品を販売し、初年度の売上⾼は合計11.2万ドルでした。

いまのIITは、年間77億ドルにも達する売上高を誇り、100万以上の異なるアイテムを販売しています。 

 

しかし、話を2006年にさかのぼると、当時63歳のポールは、家族、仕事、そして仲間に満⾜していました。

しかし彼は最近、友⼈の死と、その男の家族やビジネスに続く悲惨な結果を目撃していたため、ひとつだけ気がかりなことがありました。

「もし自分が予期せず死んだら、私を頼りにしている人たちはどうなるのだろうか?」

 

1年間ポールは悩み続けました。

競合他社に売る?経済的にはそれがもっとも合理的である。

競合他社は、TTIのと合併することでムダを削減し、「シナジー効果(相乗効果)」が期待できる。

 

しかし、TTIの購⼊者は、 自前のCFO、法律顧問、人事部門といった部門を手放さないでしょう。

つまり、TTIのそれら部門の担当者はお払い箱になるかもしれない。

そして、新しい配送センターが必要になった場合、TTIの購入者の故郷につくられることになるかもしれない。

 

経済的に合理的かどうかはさておき、ポールはすぐに競合他社へ販売するわけにはいかないと結論付けました。

ポールは次に、LBO(レバレッジド・バイアウト)を手掛ける金融バイヤーを探すことを検討しました。

しかし、ポールは、そのようなバイヤーが「出⼝戦略」に焦点を当てることを知っていました。

その出口戦略がどうなっているのかは、誰も知ることができない。

ポールはそのことに気づき、35年間共に歩んできた企業を転売屋に引き渡すことをやめました。

 

ポールは私に会ったとき、ポールがなぜ競合他社や転売屋に身売りする選択肢を排除したのかを説明しました。

その後、彼はジレンマを次のように言葉で表しました。

「1年かけて代替案を検討したが、残っているのはあなただけとなった。私はTTIをバークシャーに売りたい。」

そこで、私はオファーを出し、そして、ポールは「はい」と⾔いました。

一度の会議、一度の昼⾷、一度の取引でした。

 

その後、私たち⼆⼈は満足のいく結果を得られました。

バークシャーがTTIを購⼊したとき、同社は2,387⼈を雇⽤していましたが、現在その数は8,043にも上りました。

その成⾧の⼤部分はTTIの地元とその周辺で発⽣し、収益は673%増加しました。

 

毎年、私はポールに電話して、ポールの給料を⼤幅に増やすべきだと提言します。

すると彼は「その話は来年にしよう。今は忙しいんですよ。」と言うのです。

 

グレッグ・アベルと私がポールの追悼式に出席したとき、私たちは⼦供、孫、⾧年の仲間(TTIの最初の従業員を含む)、そして2000年にバークシャーが購⼊したフォートワースの会社の元CEOであるジョン・ローチに会いました。

ジョンは、ポールを私に紹介してくれた人物だ。直感に私たちの相性がいいことを感じ取っていたのだろう。

 

葬儀の席で、グレッグと私は、ポールが黙々と⽀援していた多数の⼈々や組織の話を聞いた。

彼の寛⼤さの幅は並外れており、常に他の⼈々、特に地元の⼈々の⽣活を改善することに大きな力を割いていました。

 

あらゆる意味で、ポール一流でした。

 

バークシャーは幸運(時には並外れた幸運)に助けられてきました。

偶然にもジョンが、ポールと私の共通の友人でなかったとしたら、TTIは私たちと⼀緒になることはなかったでしょう。

 

しかし、幸運でさえほんの始まりに過ぎませんでした。

TTIは、すぐにバークシャーにとって最も重要な買収を引き寄せてきたのです。

 

毎年秋に、バークシャーの取締役が数⼈の幹部によるプレゼンテーションのために集まります。

その時には買収先企業のCEOにも会いますので、買収先企業の活動内容を知ることができるよう、その企業の所有地で開催することもあります。

 

2009年の秋は、TTIを訪問できるようにフォートワース(TTIの所在地)を選択しました。

当時、(同じくフォートワースを故故郷とする)バークシャーが保有するBNFS鉄道は、バークシャーの保有銘柄の中で3番⽬に⼤きな企業でした。

であるにも関わらず、私はBNFSの本部を訪れたことがありませんでした。

 

私のアシスタントのデボ・サネックは、10⽉22⽇に取締役会のオープニングディナーを予定していました。

一方、私はその⽇の早い時間に現地入りし、BNSFのマット・ローズCEOと会う約束をしていた。

まさか、この日がBNFSの第3四半期の決算発表日だとは思いもよりませんでした。

 

市場はBNFS鉄道の発表に大きく反応しました。

第3四半期は⼤不況が本格化し、BNSFの収益はその不況を反映していたためです。

景気の先行きも暗く、、ウォール街は鉄道事業に好意的ではなかったし、他の企業であったとしても好意的ではありませんでした。 

 

翌⽇、私は再びマットと会い、バークシャーが鉄道企業にとって理想的なオーナーとなれることを提案し、買収のためにバークシャーが支払うであろう最⾼価格も話しました。 

 

マットは、その申し出を役員やアドバイザーに伝えました。

それから11⽇後、バークシャーとBNSFは正式に契約を結んだことを発表しました。

そして、

 

ここで私にしては珍しく予測したいと思います。

BNSFは、100年後もバークシャーと私たちの国にとって重要な資産であり続けるでしょう!

 

BNFSの買収は、ポール・アンドリュースがバークシャーをTTIの買収先として認めていなかったら、実現しなかっただろう。

 

感謝

私は70年前に初めて投資教室を開きました。

それ以来、私はほぼ毎年あらゆる年齢の生徒たちと楽しく授業をしてきましたが、2018年にようやく「引退」しました。 

 

その授業で最も苦労させられたのは、私の孫のいる5年⽣クラスへの授業でした。

11歳の⼦供たちは、私がコカ・コーラとその有名な秘密の処方(コーラのレシピかな?)の話が聞けるのを、もじもじしながら待ち続けていました。

そして、子どもたちは『秘密』がとても大切なものであることを学びました。

 

教えることは、書くことと同じように、私が⾃分の考えを発展させ、明確にする助けとなります。

チャーリーはこの現象をオランウータン効果と呼んでいます。

オランウータンと⼀緒に座って、自分の⼤切なアイデアの丁寧に説明すると、困惑した霊⾧類を残して、自分のアイデアがより明確なものとなるのです。

 

⼤学⽣と話すことは、さらにやりがあります。

私は、彼らに

(1)現場の職場で

(2)どういう人の元に就職したいか?

を考えて欲しいと言いました。

 

経済的な理由でそのような選び方ができないのであれば仕方ないが、諦めないで欲しい。

そのような仕事についたとき、君たちはもう『労働』から解放されるのだから。

 

チャーリーと私も、最初は何度ものつまずきましたが、その後は自由な道を歩けるようになりました。

チャーリーは1940年に、私は1942年に祖父の⾷料品店で働き始めました。

それぞれに退屈な仕事が割り当てられ、収入も少なく、私たちが望んだ仕事ではありませんでした。

 

その後、チャーリーは法律家となり、私は証券を売る仕事を始めましたが、仕事に対する満足感は得られませんでした。

 

私たちは、バークシャーと出会ってようやく好きな仕事と巡り会えたのです。

 

ごく少数の例外を除いて、私たちは好きで信頼できる人々と何十年も一緒に働いています。

ポール・アンドリュースや去年お話したバークシャーファミリーのような経営者と一緒になることは、人生の喜びでもあるのです。

本社には、まともで優秀な人材がそろっていますし、嫌いなヤツはいません。

離職する人も年に一人くらいでしょうか。

 

リュースやバークシャーの家族などのマネージャーと⼀緒に過ごすことは⼈⽣の喜びです。私たちのホーム
オフィスでは、きちんとした才能のある⼈々を雇⽤しています。

売上⾼の平均は、おそらく1年に1⼈です。 

 

しかし、それ以上に強調したいのは、仕事を楽しく、やりがいのあるものにする方法です。

私とチャーリーにとって、私たちを信頼し、私たちに資産運用を任せてくれる人々の期待にこたえるほどやりがいのある仕事はありません。

 

もちろん、パートナーシップのようにバークシャーのオーナーを選ぶことはできませんし、すぐに転売することを目的に株主が少なからずいることも事実です。

さらに、ただ単に『バランスを取る為に必要』という理由だけでバークシャー株を大量保有するインデックスファンドもいます。

 

しかし、バークシャーには、強い意思でバークシャーの所有者となった人々が名を連ねています。

そして彼らの多くは、私たちに大きな信頼を寄せてくれています。

 

バークシャーのオーナーたちは、

「バークシャーへの投資は、最良の選択ではなかった」

と時に思うだろう。

しかし、その後オーナーは、

「バークシャーは、自分が納得して投資できる銘柄の上位にいちする」

とも付け加えるだろう。

そして、常に考え方が変化し、おしゃべりをし、業績見込みに振り回される投資家よりも、安心して投資している投資家の方が良い結果を得られます。

 

個人の⾧期投資家は、チャーリーと私が常に求めてきた「パートナー」であり、バークシャーにおける決定を下す際に、常に念頭に置いているものです。

 

私たちは彼らに

「あなたのために 『働く』ことは気持ちがいいです。」

「そしてあなたの信頼に感謝しています。」

と⾔います。 

 

年次総会

バークシャーは4月29日~5月1日まで、オマハで毎年恒例の年次総会を行いますので、予定を空けておいてください。

オマハはあなたをお待ちしております。

 

この手紙の最後にセールストークを書いておきます。

私のいとこジミー・バフェットがデザインしたポンツーン型のパーティボートが、バークシャーの子会社であるフォレスト・リバー社よって製造されることになりました。

このボートは、4月29日に開催されるバークシャーのバーゲン・バザーで紹介される予定です。

そして、株主の皆様には、二日間だけジミーの傑作を10%オフでお買い求めいただけます。

バーゲン好きの会長は、家族で使うボートをご一緒にどうぞ。

 

ウォーレン・E・バフェット取締役会会⾧

 

2022年版のウォーレン・バフェットから株主への手紙を紹介

といった感じで、2022年版のバフェットの手紙を紹介させてもらいました。

 

ざっくり振り返ると

  • やっぱり市場全体で考えると割高だよねー
  • 古くても卓越した企業を見逃さないようにねー

の2点が大きな主張となるのでしょうか。

 

「バフェットが間違ったことを言うはずがない!」なんて思う必要はありませんし、絶対にそう思ってはいけませんが、

名実ともに世界一の投資家であるバフェットの言葉を無視することは、それ以上に愚かな行為かもしれません。

 

このバフェットの手紙を、自分の投資行動にどう結び付けていくかはあなた次第、ということで、この記事を〆させて頂きます。

 

長々とお付き合い頂きありがとうございました。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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