コロナ禍を追い風にAmazonが絶好調です。
新型コロナウィルスは、まだまだ収束する糸口がつかめておらず、さらに『デルタ株』『ミュー株』といった変異株に変異し続けながらも拡大しており、しばらくは『外出せずともショッピング可能なAmazon』の需要が落ちることはなさそうです。
そんな絶好調のAmazonですが、いまの状況に甘んじることなく新規事業、設備投資にも積極的で、その一つが『Amazon Air(アマゾン・エア)』です。
Amazon Air(アマゾン・エア)とは
Amazon Air(アマゾン・エア)とは、
- Amzonの貨物(商品など)の輸送専用の航空会社
のことです。
Amazon Airは、いわゆる『ヴァーチャル・エアライン』と呼ばれる航空会社で、(主には)自社で航空機などを保有しているわけではなく、他社からリースした機体を使用しており、
- 2021年7月時点では73機を運航(うち15機は購入した航空機)
- 2022年には90機になる予定
- 1日あたり、平均164便を運航している
ということで、かなりの規模となっています。
また、2020年時点では51機しか運航していませんでしたので、かなりの勢いで航空機を追加していることになります。
ちなみに、メジャーな航空会社の機体数は、
- ANA:293機
- JAL:218機
となっており、『貨物だけ』しか運ばないAmazon Airの巨大さが分かります。
航空機の購入は、『新型コロナウィルスによって旅客航空会社が航空機の削減を進めていたため、中古機の価格が下落したタイミング』で行っており、
- 新型コロナウィルスが『ECの需要増』『航空機の割安購入』など、Amazonにとって有利に働いた
ことになり、コロナ禍においてAmazon株が絶好調である理由の一端がここにあります。
なお、以前は『Amazon Prime Air』という社名でしたが、ドローンによる宅配サービス名も『Amzon Prime Air』という名称であったことから、2017年12月に現在の『Amzon Air』に社名を変更しました。
ちなみに、『Amazon Prime Air』は2013年からスタートしたプロジェクトで、2020年8月にやっと連邦航空局(FAA)の許可がおりましたが、
・従業員が次々と離脱して危機的状況にある
・2016年から実施していたイギリスのテスト運用は閉鎖した
などなど『消滅の危機にある』という情報が出回るような状況にあります。
『ドローンによる配送で、注文から30分以内に配送完了』という夢のような時代はまだまだ先となりそうです。
Amazon Airは、アメリカ国内だけでも42の空港にアクセスできる環境が整っており、
- アメリカ全国民の約7割に『送料無料』『翌日配送』が可能
となっています。
空港の一覧は以下の通り(興味ない人も多いでしょうが)
- リーハイバレー国際空港(ペンシルベニア:アレンタウン)
- テッドスティーブンスアンカレッジ国際空港(アラスカ:アンカレッジ)
- ハーツフィールドジャクソンアトランタ国際空港(ジョージア:アトランタ)
- オースチン・バーグストロム国際空港(テキサス:オースティン)
- ボルチモア・ワシントン国際空港(メリーランド:ボルチモア)
- シャーロットダグラス国際空港(ノースカロライナ州:シャーロット)
- オヘア国際空港(イリノイ:シカゴ(オヘア))
- シカゴロックフォード国際空港(イリノイ:シカゴ(ロックフォード))
- シンシナティ/ノーザンケンタッキー国際空港(ケンタッキー:シンシナティ/ヘブロン)
- ケルンボン空港(ドイツ:ケルン)
- ダラス/フォートワース国際空港(テキサス:ダラス/フォートワース)
- デンバー国際空港(コロラド:デンバー)
- フェアバンクス国際空港(アラスカ:フェアバンクス)
- フォートワースアライアンス空港(テキサス:フォートワース)
- ブラッドリー国際空港(コネチカット:ハートフォード)
- ダニエル・K・イノウエ国際空港(ハワイ:ホノルル)
- ジョージブッシュインターコンチネンタル空港(テキサス:ヒューストン)
- カフルイ空港(ハワイ:カフルイ/マウイ)
- カンザスシティ国際空港(ミズーリ:カンザスシティー)
- カトヴィツェ空港(ポーランド:カトヴィツェ)
- エリソンオニヅカコナ国際空港、キーホール(ハワイ:コナ)
- レイクランドリンダー国際空港(フロリダ:レイクランド)
- イーストミッドランズ空港(イギリス:レスター)
- ライプツィヒ/ハレ空港(ドイツ:ライプツィヒ)
- ロンドンサウスエンド空港(イギリス:ロンドン)
- ロサンゼルス国際空港(カリフォルニア:ロサンゼルス)
- アドルフォスアレスマドリード–バラハス空港(スペイン:マドリッド)
- マイアミ国際空港(フロリダ:マイアミ)
- ミラノマルペンサ空港(イタリア:ミラノ)
- ミネアポリス–セントポール国際空港(ミネソタ:ミネアポリス)
- ルイアームストロングニューオーリンズ国際空港(ルイジアナ:ニューオーリンズ)
- ジョンF.ケネディ国際空港(ニューヨーク:ニューヨーク)
- オンタリオ国際空港(カリフォルニア:オンタリオ)
- フェニックススカイハーバー国際空港(アリゾナ:フェニックス)
- ピッツバーグ国際空港(ペンシルベニア:ピッツバーグ)
- ポートランド国際空港(オレゴン:ポートランド)
- TFグリーン空港(ロードアイランド:プロビデンス)
- リッチモンド国際空港(バージニア:リッチモンド)
- マーチエアーリザーブベース(カリフォルニア:リバーサイド)
- サクラメント国際空港(カリフォルニア:サクラメント)
- サンバーナーディーノ国際空港(カリフォルニア:サンバーナーディーノ)
- サンフランシスコ国際空港(カリフォルニア:サンフランシスコ)
- ルイス・ムニョス・マリン国際空港(プエルトリコ:サンファン)
- セントルイスランバート国際空港(ミズーリ:セントルイス)ケリーフィールド(テキサス:サンアントニオ)
- シアトル・タコマ国際空港(ワシントン:シアトル/タコマ)
- スポケーン国際空港(ワシントン:スポケーン)ストックトンメトロポリタン空港(カリフォルニア:ストックトン)
- タンパ国際空港(フロリダ:タンパ)
- トレドエクスプレス空港(オハイオ:トレド)
- ウィルミントエアパーク(オハイオ:ウィルミントン)
うーん、感覚的にも「すごい」ということが分かる…。
Amazon Airの最近の状況
Amazon Airは、今年の8月に
- シンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港に新たな仕分け施設を建設
しており、その施設は
- 建築に4年
- 15億ドルを投資
- 2000人の雇用を生み出す予定
- 毎週何百万という商品を処理可能
という驚くほど巨大な施設となっており、これによってAmzonの配送サービスはさらに強化されます。
また、2020年にはドイツのライプツィヒ・ハレ空港にハブ拠点を設け、ヨーロッパ圏での空輸の効率化もしています。
今後もAmazon Airは拡大を続ける計画となっており、最終的には
- 200機以上の航空機を運行
- 15,000人の従業員を雇用
という規模にまで膨れ上がる予定となっています。
Amazon Airなどの拡大によって、Amazonが販売した商品を
- 2019年時点では、46.6%を自社便で配送
- 2021年時点では、約72%を自社便で配送
するほどにまで物流を強化しており、これによって利益率を向上させつつあります。
「AmazonのECは飽和状態にあり、これ以上利益が伸びることはない」
と言う意見もありますが、こういった状況を見る限り、
「Amazonは、まだまだ成長し続ける余地があり、そのための投資を続けている」
ということが分かります。
最近では、投資家から「Amazonの今後は、AWS(Amazon Web Services)にかかっている」と思われているフシがありますが、まだまだAmazonのECにも期待できそうです。
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