更新日:2021/6/4
「IPOで株を買えたのに儲からなかった!」
という方は多くいるかと思います。
それは『オーバーハングのワナ』にハマっているからかもしれません。
この記事では、
- オーバーハングとは何なのか?
- フェイスブックですらハマったオーバーハングのワナ
について解説していきます。
オーバーハングとは
オーバーハングとは、
「『新規上場した企業の株式を大量に持つ創業オーナーや大株主』が、株価が上昇したタイミングで株を売り抜けるのではないか?」
という憶測で、投資家が上場株を買うことをひかえ、株価がなかなか上昇しない現象のことです。
創業オーナーの多くは『上場する前から大量の株を保有している』ため、創業オーナーが利益を確定させるために株を売りにだせば、株価が大きく下落することが予想されるため、他の投資家が「買えない」と判断し、『株価が思ったように上昇しない』となるわけです。
フェイスブックですらIPOに失敗
実際に、2012年にナスダックに新規上場(IPO)したフェイスブックは、予想に反して株価が上昇せず、『IPOに失敗した』とされ、『史上最悪のIPO』とまで言われています。
フェイスブックのIPO公開価格は、38ドルだったわけですが
- IPO初日(5月18日)の終値が、38.23ドル
と、たった0.6%しか上昇せず、さらに
- 5月21日の終値が、34.03ドル
と公開価格よりも10%以上も低い価格にまで下落し、2012年8月には20ドルを下回るところまで下落していきました。
そして、この要因の一つがオーバーハングだと言われているわけです。
というのも、
- 上場によってフェイスブックの時価総額は1000億ドルに達する見込み
- マーク・ザッカーバーグ(CEO)の株式保有比率は28.4%
- 単純計算すると、マーク・ザッカーバーグは上場によって284億ドル手に入る
と言われており、「株式を売却する可能性もある」と見られていたためです。
マーク・ザッカーバーグは、この上場に至るまで、フェイスブックの買収や上場に反対してきた経緯があるため、普通に考えれば『株式を売却する可能性は低い』と考えそうなものの、
IPO当時はまだ20代だったマーク・ザッカーバーグに対して、「金儲けしたいだけの若者」というイメージをもつ投資家も多く、オーバーハングにつながったと考えられます。
つまり、『確実な投資法』と評価されることも多いIPO投資ですが、創業者や大株主の評価によっては、オーバーハングのワナにはまり、大きく損をしてしまう恐れがあるわけです。
「IPO投資できれば、どんな企業でもOK!」と考えている投資家は多くいますが、フェイスブックスのような超優良企業であっても、IPOに失敗する可能性があることを理解してきましょう。
出典:
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