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「失業率の上昇はリセッションの前触れ!」
なんてよく聞くわけなので、
「失業率の上昇はヤバい!」
と考えちゃうんですけども、「本当にそうなんかなぁ…?」みたいな話を。
失業率が低い状況では…
まず、少々脇道にそれますが、
「企業が従業員を気軽に解雇できるようになれば、生産性の低い人材を手放し、より生産性の高い人材に入れ替えることができる。結果として企業の業績が改善し、景気も上向く!」
という主張をチラホラ聞きます。
これは一見もっともらしく、私自身もある程度は同意しています。
ただし、現在の日本でそれが通用するかどうかは微妙なところではないかと思っています。
その理由が失業率の低さ(人材不足)です。
以下グラフの通り、日本の失業率は世界的に見ても低く、これがそのまま人材不足となって顕在化しています。
失業率が低く、企業は人手不足が深刻な場面では、
-
この人はあまり優秀ではないけれど、辞めさせたところで代わりが見つからないかもしれない
-
新しく雇っても、その人が本当に今より優れている保証はない
といった懸念を抱えます。(身近にもいますよね。切ったら人手不足になりそうで切れない人w)
結果的に、生産性が多少低くても現状維持を選ぶ企業が多くあることでしょう。
つまり、「解雇しやすい」だけでは人材の流動性が高まらず、生産性向上にはつながらないケースも多いと考えます。
失業率が高めのときこそ『流動性』が活きる
一方で、失業率がやや高めで求職者が多く、企業が雇用する人材を選べる状況にあると、
-
生産性の低い人材を解雇
-
より適した人材を採用
- ハズレを引いた場合は雇用ガチャに再トライ
-
時にハズレを引くことがあっても、長期的には業績改善、生産性向上
という正のスパイラルが働きやすくなります。
賃金上昇と生産性の乖離
と、いうわけで、
「ある程度失業率は高い方がいいんじゃないの?」
なんてことを思うわけですが、
- 現在の日本は、人手不足の影響で賃金が上昇している
という面もあります。
賃金が上昇したところで、それがそのまま生産性向上につながるわけではありませんが、賃金の上昇は労働者にとって良いことではあります。
また、人手不足は技術革新を後押しすることにもつながります。
たとえば、SE(システムエンジニア)不足が叫ばれる中で、開発業務の自動化が加速しています。
GitHub Copilot やローコード開発などの普及もその一例で、このあたりは言葉だけでなく実体験として感じているところです。
つまり、人材が足りないからこそ、技術が進化して生産性が押し上げられる面もあります。
ここまでをまとめると、
- 失業率が高い方が人員の流動性が高くなり、企業が生産性向上を進めることができる
- 失業率が低い方が賃金は上昇しやすく、技術革新も進みやすい
といった感じになります。
個人的には、
- 短期的には失業率が低い方がいい。人々の賃金も増えるし、賃金を受け取る人も増える。
- 長期的には失業率が高い方がいい。人材の流動性が生まれ生産性向上につながる。
なんて受け取っています。
インデックス投資家がよく使う言葉
「株価が上昇しても下落しても、どっちに転んでもウマい」
というやつですね。
雇用統計と景気循環の可能性
そうすると、失業率は循環することが良いのではないかとも言えます。
景気が悪化していくと、
- 生産性の低い人材(現職に向いていない人)から順に解雇
- 労働者の平均生産性は向上する
- 失業率が上昇
という展開のあとに、
- 解雇された人材が、より自分に適した職に就く
- 社会全体での適材適所が進む
- 生産性が向上
- 景気回復へ
という流れが起きるんじゃーないかと思うわけです。
つまり、
- 景気が悪化して解雇が進むことは、将来の利益にかなっている
と考えるわけです。
『雇用の悪化』『景気の後退』は、多くの場合において『株価の下落』につながるわけですけども、それも将来のステップアップのために必要な過程なわけですから、長期目線で投資をしている投資家は、これを受け入れることができるはずです。
この先どうなるかは分かりませんが、
景気が悪化しなければ「おかげで株価は順調だぜ!」
景気が悪化したら「大きな成長をするために必要な痛みだ!」
と考えることが、投資で一番重要な『途中で投資から退場をしない』という決断を後押ししてくれるのではないでしょうか。
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…みたいな、勢いで書いた記事をお届けしました。
真面目に時間をかけて調査しながら書いた記事ほど読まれず、勢いでお気持ちを書いた記事ほど伸びてしまうので、この記事もきっと伸びることでしょう。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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