パーソル総合研究所より、早期リタイア希望の20~30代男性、7年間で「倍増」しているという調査結果が公開されていました。
「人生で何歳まで働きたいと思うか」というアンケート結果では、
2024年の調査 | 2017年の調査 | |
---|---|---|
20代 | 58.0歳 | 62.4歳 |
30代 | 63.8歳 | 66.6歳 |
と退職希望年齢が低下しており、
「50歳以下でリタイアしたい」と答えた20代男性は、
2024年の調査 | 2017年の調査 |
---|---|
29.1% | 13.7% |
と大きく増えており、
また、「55歳以下でリタイアしたい」と答えた30代男性は、
2024年の調査 | 2017年の調査 |
---|---|
28.1% | 14.3% |
と増えていました。
というわけで、
- 20代、30代は全体的に早期退職希望になっている
ということが分かります。
早期リタイアを望む理由としては、回答が多い順に
- 働くことが好きではない(20代 : 29・.9%、30代=31.8%)
- 家族や友人との時間や趣味などプライベートな生活を充実させたい(20代=16.7%、30代=20.9%)だ
- リタイア後の生活のための蓄えが十分ある(20代=13・8%、30代=14・6%)
とのこと。
しかし、セミリタイア希望動機の一位(働きたくない)、二位(プライベート重視)は根本的な理由ではないんじゃないかと想像しています。
わたくしも早期(セミ)リタイアを目指しているわけですが、その理由は
- セミリタイアできそうだから
が最も大きなものです。
アンケート結果の動機として挙げられている
- 働きたくない
- プライベートな生活を充実させたい
という思いは、わたしもセミリタイアを目標とする以前からありました。
それでも、
- 『働かないと生きていけない』という強迫観念
- 『働くことが普通である』という偏見
によって『セミリタイア』という選択肢が見えてすらいませんでした。
しかし、軽い気持ちで投資をはじめ、資産の推移を記録していたところ、
「あれ?このままいけば40代でリタイアできるんじゃね?」
と気づき、そこからセミリタイアを目指すようになったわけなので、
- セミリタイアできそうだから、セミリタイアを目指している
というのがわたしの考えです。
同様に、昨今早期リタイア希望が増えているのは、
- 早期リタイアした人々の声があふれている(実際にはごく少数の人数しかいないと思いますが…)
- 投資によって長期的には大きなリターンが手に入る(可能性が高い)ことが知れ渡ってきた
といった
- 『その気になれば早期リタイアすることが可能だ』というニッチな考えが一般化した
ことが大きな要因ではないかと思います。
この『早期リタイアという道がある』という考えの一般化により、「できるんだったら仕事をやめたいよ!」という隠れされていた願望が表に出てきたのではないかと想像しています。
繰り返しになりますが、
- 働かないといけないから、定年まで働くしかない
と盲目的だったのが、
- 働かなくても良いのなら、早期リタイアしたい
と、変わってきたということでしょうか。
しかし、この『”早期リタイアできるかもしれない”という希望』は、ポジティブな面だけでなくネガティブな面もあるように感じています。
スパコンSEの状況を例にあげます。
わたしは、投資を続けることで『仕事を辞めてもなんとかなりそうな資産』を手に入れることに成功しました。
この『いつでもリタイアできるだけの資産がある』は強い心の支えとなり、これによって仕事からくるプレッシャー・不安を軽減できています。
しかし、反対に『リタイア”できそう”な資産があるのに働いている』という状況には強い不満もあります。
『やらないといけないから仕事している』のは「仕方ない」と諦められるのですが、
『やらなくてもいい仕事をやっている』に耐えなければならなくなったからです。
『やる必要がない』かつ『好きでもないこと』を着手するのは結構な苦痛です。
正直に言って、
働くのはむちゃくちゃイヤだ。
職場や同僚に恵まれており、仕事に対する不満は大してないものの、
それでも働くのはヤダ。
贅沢なことを言っているのは分かっていますが、そんな状況にあります。
『仕事をしなくてもいい”はず”』なので、思い切って辞めてしまうことも手なのかもしれませんが、しょせん”はず”でしかなく、「辞めても100%大丈夫!」と言い切れるわわけではないため、イヤイヤ働いています。
かといって、どれだけ働いたところで「辞めても100%大丈夫!」と言い切れる日はこないため、どこかで思い切らってリタイアしない限り、この『イヤイヤ働いている』を続けなければなりません。
これはこれで辛いよ。
というわけで、
- 『その気になれば早期リタイアできる』という考えの一般化によって早期リタイア希望が増えている
- しかし、その希望によって『働きたくない』という気持ちが増幅されることもある
ということをツラツラと記事にさせてもらいました。
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最後に、これはいつか読み返すであろう自分に対してのメッセージです。
「この記事は、重要なシステムを立て続けに本番リリースする直前に書いているぞ!」
「通常以上に仕事に対してネガティブになっているはずだから、偏ってた意見だと思え!」
人生は山あり谷ありで、調子がいい時もあれば悪い時もあります。
逃げ出したくなる時もあれば、戦いたくなる時もあります。
ヒトの気持ちなんてコロコロと変わるわけで、人生に大きな影響を与える決断を一時の感情によって決めないようにせねばです…。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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