近ごろ『いまの株式市場に対する著名な投資家、経済学者の発言』が目に付くようになったきたので紹介しようと思います。
＜目次＞
ウォートンの魔術師：ジェレミー・シーゲル教授
まずは、株式投資研究の世界的権威であり、インデックス投資家にとって神の様な存在とも言えるジェレミー・シーゲル教授の発言です。
ざっとまとめると、
- FRBは110年の歴史のなかで最大の過ちを犯している
- すでにインフレ率は低下しており、住宅価格、コモディティ価格、輸送料などが下落している
- FRBはインレフにばかり気を取られており、リセッション（景気の後退）を甘く見ている
と、FRBの急速な利上げを批判しています。
シーゲル氏の本を聖書のようにしている私は
「シーゲル氏が言うならそうんだろう！このFRBめ！！」
と思いましたｗ
テスラCEO：イーロン・マスク
続いてはイーロン・マスク。
A major Fed rate hike risks deflation
— Elon Musk (@elonmusk) 2022年9月9日
シンプルに
「FRBの大幅な利上げは、デフレになるリスクがあるぞ」
と、危機意識を持っているようです。
アーク・インベストメントCEO：キャシー・ウッド
続いては、『破壊的イノベーションへの投資』が信条のアーク・インベストメントCEO：キャシー・ウッドの発言です。
- 過去に類をみないFRBの利上げによって、米ドルがかなり高くなっている
- 米ドルの強さが、他国に壊滅的な打撃をあたえている
- このままでは他国の打撃が跳ね返ってくるため、FRBは方向転換をする必要があるだろう
と発言しています。
かみ砕いて言うと、
「過去にもインフレ対策をしてきているけど、こんなむちゃな利上げはしていないでしょ！やりすぎ！」
という、こちらもFRBへの批判となっています。
世紀の空売り：マイケル・バーリ
続きまして、最近株式の98%を売却したマイケル・バーリです。
整理すると、
- 利上げによってマネーサプライ（市場のあるお金の総量）が減少している
- 1970年後半のように、マネーサプライの減少によって急激にインフレが進むかもしれない
と発言しています。
多くの著名人は、
「利上げしすぎて、すでにデフレが進んでいるぞ！」
または、
「すごいデフレがくるぞ！」
という発言をしていますが、バーリは
「インフレが加速するかもよ」
と真逆の発言をしています。
これまでに何度も未来予想をあててきたバーリの発言ですから、こういった予想があることも真摯に受け止めねばなりません。
とはいえ、いずれにせよ「FRBはやりすぎ」という点と、「景気悪化のリスクがある」という点は、ここまでに紹介した著名人と同じ考えのようです。
というわけで、「へ～」とつぶやこう
(Wharton's Magician AI画伯)
というわけで、最近目に付いた発言はこんなところです！
基本的には、みんな「FRBはやりすぎ」という発言をしていますが、ある意味「あたり前の発言」でもあります。
というのも、ここで挙げたような著名人は「投資家」でもあるため、
- 利上げによって景気が悪化し、株価（など）が下落すると困る人々の発言
でもあるためです。
また、FRBは
「例え景気が悪化しようとも、インフレを鎮静化するまでは利上げをやめるつもりはない」
的な発言をしているので、経済学者や投資家から非難されたからといって簡単に方向転換することはないでしょう。
つまり、
- これからリセッションが起こることは、経済学者、投資家、FRBの共通認識である
と言えます。
しかし、個人投資家は、
- 短期的な景気の良し悪しが、直接株価をうごかすわけではない
という重要なポイントを忘れてはいけません。
また、現状は
- リセッションすることは多くの人の共通認識であり、株価はすでにそれを織り込んでいる
とも言える状況に見えます。
円安のせいで、『メインの投資先を海外株にしている投資家』は、
「評価額が全然うごいてないな～」
と感じているかもしれませんが、ドルベースでVT（全世界株式ETF）を見ると、実はピーク時から26.4％も下落しているのです。
そして、著名な投資家、経済学者による悲観的な発言がふえてきたいま、われわれ個人投資家がするべきことは、
「へ～」
とつぶやくコトだと私は考えています。
魑魅魍魎が跋扈する株式市場において、特筆した才能のない我々がタイミング投資をしたところで、リターンを押し下げる結果しか生みません。
そのことを肝に銘じ、のんびりと、いままで通り、コツコツと、積立投資を続けていくとしましょう。
それが資産を形成するための最短ルートなのですから。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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