最終更新日:2020/12/23
米議会が追加で9000億ドル規模の新型コロナ対策を実施することを大筋で合意したとの報道がありました。
これが実施されれば、2020年3月以降の対策が合計で4兆ドル規模となります。
この金額は通常時の1年間の歳出額(およそ4.4兆円)に匹敵する大きさで、リーマンショック時の対策(8000億ドル)と比べると、規模の巨大さがよく分かります。
今回の対策は、12月末に期限切れとなる
- 失業保険の拡大
- 中小企業の雇用維持を支援
といったコロナ対策の延長がメインで
- 一人当たり600ドルの現金支給
も含まれています。
アメリカの新型コロナは拡大の一途にあり、ワクチンに関する浮かれた報道が多くあるものの、まだまだ油断できる状況でないことが経済対策の実施規模からも読み解けます。
さて、そのような状況にあるわけですが、世界の株価は以下の通り『順調』と言うほかないような推移となっています。
参考記事:世界同時株安からの地域別・代表的ETFの株価の変動を確認
新型コロナによる経済ダメージは大きく、IMFによると
- 2020年の世界経済成長率はマイナス4.4%
- 20年~21年の損失額は11兆ドル
- 今後6年間で28兆ドル
と試算されています。
で、あるのにも関わらず、ここまで株価が好調なのには2つ理由があります。
ひとつは、『ワクチンの普及によって、2021年以降は急速に回復するであろう”期待”』です。
ワクチンへの期待
連日コロナワクチンに関するポジティブな報道がされており、これによってコロナを抑え込むことに成功すれば、経済は急速に回復するであろう、という期待が株価の上昇につながっています。
しかし、現時点では『大丈夫』と言い切ることはできず、あくまで『期待できる』というレベルでしかないため、
- 思いのほか効果に期待できない
- 生産数が確保できない
- 輸送が難しい
- 変異したコロナには適合しない
- 重大な副作用がある
といった問題が見つかれば、株価は暴落するリスクを抱えています。
もう一つの理由が、各国の巨大な経済対策です。
各国の巨大な経済対策
ここまで世界中で大規模なコロナ対策が実施され続けており、
「コロナが長引いたところで、政府が追加で経済対策を実施するだろうから大丈夫」
という考えが広がっており、実際にその通りに、次々と対策が実施され続けています。
しかし、政府による経済対策は”とうぜん”国の借金になりますので、いつまでも続けられるわけではありませんし、規模が大きくなればなるほど国の借金が大きくなるわけです。
そうして借金が増えれば、『増税』などによって国民や企業からお金を集める量を増やさざるを得なくなります。
つまり、政府による対策は有限であるため、いつかはその下支えがなくなる日がきます。
(最近、日銀による株価の下支えが話題となりました)
そうなった時に、市場が平静でいられなければ、株価は暴落しかねません。
現時点ではそういった心配はほとんどないものの、いつか来る(かもしれない)暴落に身を構えておいたほうがいいかもしれません。
さて、ここまで『暴落が待っている』といった雰囲気で書き進めてきましたが、
「暴落がくるまで待って、そのタイミングで投資すればいい」
と考えるべきではないと、筆者(ひょしおんぬ)は考えます。
未来は誰にも読めない
というのは、『暴落するかもしれないし、しないかもしれないから』と考えているからです。
もし、暴落を待ち続けていながらも暴落が来なかった場合、『手元に現金を余らせたまま投資する機会を失う』という最悪の事態をまねく危険性があります。
現時点で株価が大きく上昇しているのは、多くのプロ投資家たちが「これからも株価は上がり続ける」と期待しているからで、『暴落を待つ』という判断は『プロ投資家たちの考えは間違っている』と判断していることでもあります。
つまり、プロ投資家たち以上の判断能力がなければ『暴落を待つのが正解』という判断は出来ないことになります。
「じゃー、暴落はないってこと?」
と考えてしまうかもしれませんが、それも違います。
例えプロの投資家であっても未来を読むことは難しく、株価がこれからどう動くかを読むことはできません。
よって『暴落するか分からない』という結論になります。
しかし、短期的には『暴落するかどうか』を心配してしまうかもしれませんが、過去の歴史を振り返れば、長期目線では株価は常に右肩上がりで成長している、
という事実があるため、「タイミングを計らずに買い続ける」ことが個人投資家が資産を最大化するベストな方法だと考えられます。
現在は、新型コロナによって大きく市場がゆれ動いています。
しかし、『長い目で見れば、株式投資は報われる可能性が高い』ことを信じて、コツコツと買進めていくことが、個人投資家の生きる道だと言えそうです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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