最終更新日:2020/7/31
金(ゴールド)先物の価格が2011年来の最高値(ドル換算)を更新しました。
原因は新型コロナによる経済対策などが考えられ、「現金への信頼が薄れている」ことを表しています。
とはいえ、金も現金も(ついえでに言えば仮想通貨も)、確固とした価値があるわけではなく、みんなが「価値がある」と思っているから価値があるだけです。
それでも、「物を買う」という行為のほとんどは、現金(カード払い等も含む)で行われていますし、 金は高値で売買されています。
本記事では、金と現金の価値について考察し、「で、金は買うべきなの?」という疑問に答えていきたいと思います。
<目次>
現金への不安が高まると金の価値が上がる?
新型コロナ対策によって、各国が大規模な経済対策(財政出動)を実施した結果、インフレ懸念が生まれ、金の価値が上昇しています。
※詳しくは巨大な経済対策によってお金の価値が減少するをご参照ください。
特にアメリカでは「3兆ドル規模の財政出動」をしながらも、「1兆ドル規模の追加」も検討しています。
「100年の一度の金融危機」と言われたリーマンショック時は「8000億ドルの財政出動」であったことと比較すると、金額の異常さがよく分かります。
大規模な財政出動で世の中にお金がばらまかれると、
- 世の中にお金があふれることになる
- いっぱいあるお金の価値は下がる
- 相対的に金の価値が上昇する
となり、金の価値が上昇するわけです。
特に”金”ターゲットとなるのは、
- むかしは通貨の価値は金で保証されていた
ためです。
金本位制が廃止されても金や現金の立場は変わらなかった
1971年まで、アメリカは
- 金と米ドルを固定価格で交換するよ。だから米ドルは安心だよ。
という、”金本位制”を取っていました。
すなわち、”通貨そのもの”に信頼性はなく「いつでも金と交換できるから通貨も安心」としていたわけで、信頼度でいえば「金 > 通貨」だったわけです。
しかし、金本位制は1971年に終わりを迎えました。
その理由は
- アメリアが米ドルをばらまき、準備している金の量を大きく超えてしまったため(1kgしか金を持っていないのに、2kg分の米ドルを発行してしまった)
です。
それによって、通貨の信頼は落ち、金の価値は数倍にまで上昇しました。
まとめると
- 通貨をばらまき、通貨の価値(信頼)が失われることで、金の価値が上昇した
となりました。
金を買うべきか?
と、ここまで書くと、
- コロナ対策で各国が通貨をばらまいている今は金を買うチャンス!
となりそうですが、金への集中投資はお勧めできません。
記事冒頭で載せたグラフからも分かる通り、金価格はリーマンショック(2008年)ごろから急激に上昇し、一時的には2倍以上にまで上昇しました。
が、その後、金価格は下降していき、2020年まで最高値を更新することはありませんでした。
すなわち、
- 10年前に金を買った投資家は、10年間利益が出ていなかった
わけです。
株式であれば、株価が金と同じように推移していたとしても、”配当金”が支払われるため、10年間株価が低迷していたとしても、しっかりと利益を手にすることができています。
さらに、”配当金再投資”をしていれば、”株価の低迷”は”資産を大きくするための味方”にすらなってくれます。
※詳しくは「株式投資の未来」はアメリカ株の長期投資のバイブル【要約・書評】をご参照ください。
が、金には”配当金”のようなものは存在せず、冒頭のグラフのままに資産が推移します。
”株式”を保有すれば「株主の利益の為に働いてくれる労働者」を手に入れられますが、
”金”を保有しても「持ち主の利益の為に働いてくれる何か」は生まれないためです。
以上を整理すると、
- これから一時的には金価格が急上昇する可能性はあるが、長期的には株式を超えるリターンは期待できない。
となり、「金への投資はお勧めではない」という結論になります。
まとめ:長期投資家にとって「金への投資は賢明ではない」と言える
ここまで記事にさせてもたった通り、
- これから短期的には金価格が大きく上昇する可能性がある
- 長期的には金のリターンは株式を超えられない
となります。
一時的な金価格の上昇に期待して、資産の一部を金にふりわけるのも”有り”かとは思いますが、それは「”投資”ではなく”投機”」と理解したうえで、少額だけ投入することをおすすめします。
なお、本ブログの筆者ひょしおんぬは、金には目もくれずに「ひたすら全世界株式への投資」を続けていきます。
それが「最も無難な投資方法」だと信じているからです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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それではまた