最終更新日:2020/10/4
新型コロナウィルスによる暴落からの株価の変動を確認、比較していきます。
比較対象は、
- VT(全世界株式)
- VTI(全米株式)
- TOK(先進国株式)
- VWO(新興国株式)
- QQQ(米ハイテク大手株式)
- VYM(米高配当株式)
です。
今週もひさしぶりの『上昇』で、4週連続でのダウンから久しぶりに回復してきました。
『東証のシステム障害による取引停止』や『トランプ大統領のコロナ感染』など、大きな報道があり、株価への影響もありそうでしたが、実際のところ株価への影響はほとんどありませんでした。
『東証の取引停止』に関しては、筆者(ひょしおんぬ)は、『取引が数か月停止していても、全く困らない投資』をしているので困りませんし、
『トランプ大統領のコロナ感染』も、一時的にはアメリカの景気を左右するリスクがありますが、『アメリカ企業の本質』が変わるわけではないので、全く問題ありません。
というわけで、こういった一過性のイベントで株価が暴落するのは大歓迎!だったわけですが、暴落しませんでしたね。残念…。
他に株価に大きく影響するであろう『全世界の新型コロナの新規感染者数』は、ここ1か月くらい”ほぼ横ばい(ちょい右肩上がり)”という傾向が続います。
※新型コロナ世界の新規感染者数の推移
提供元:Template:COVID-19 pandemic data - Wikipedia
『ほぼ横ばい』とはいえ、以下記事でも書いた通り、『新規感染者が毎日20万~30万人ていど発生』という、かなりの感染者を伴ったまま横ばい状態となっています。
このペースは、感染者数は1か月で750万人(愛知県の総人口と同じくらい)ほど増加し、1年間では9000万人を超すほどの驚異的な勢いであることを忘れてはいけません。
参考記事:不況化でも米国株式市場が好調な3つの理由
さて、このような状況の元、株価はどのように推移しているのか、実際の”数値”で確認していきたいと思います。
確認するのは、
- 日本で販売している投資信託(為替の影響も含んだ確認)
- アメリカで販売しているETF(ドル-円の為替を無視して確認)
の2つです。
<目次>
世界同時株安からの株価の変動を確認
さっそくですが、株価の変動を「世界全体の株価の指標であるMSCI-ACWIを基準とする日本の投資信託」の推移で確認してみたいと思います。
(世界平均の株価の推移と思ってください)
まずは過去10年、過去2年、過去32週の推移を記載します。
※2020年10月2日時点の223,100ポイントに合わせて赤点線を引いてあります。
週単位で見ると 久しぶりの上昇ですが、2週間の移動平均線(最後のグラフのオレンジ線)で見ると、まだ下落傾向にあることが分かります。
『このまま順調に回復だ!』とは言えない雰囲気ですね。
なお、具体的な株価の変動率としては
- 先週末と比べて3.6%の上昇
- ピーク時(2/21)と比べて6.4%の下落
- 底値時(3/24)と比べて43.4%の上昇
となっています。
では次に、投資先地域毎の推移をETFで確認します。
VTI・VT・VWO・TOK・VYM・QQQの推移を比較
まずは、地域別の推移です。
※2020/2/3時点を100ポイントに統一しています。
今週はどの地域も『微増の1週間』でした。
また、アメリカが頭抜けしてきた印象も受けます。
具体的な結果を成績順に並べると、
- 103.8ポイント:アメリカ(VTI)
- 102.2ポイント:新興国(VWO)
- 101.1ポイント:全世界(VT)
- 100.5ポイント:先進国(TOK)
といった感じで、ほとんど同じような成績となっており、基準にしている2月3日時点の値とほぼ同じ推移にあります。
次に、アメリカ株の中でも種類別ETFの推移を見ていきます。
まず真っ先に目に付くのは、
- QQQ(NASDAQ100:米ハイテク大手)の圧倒的な成績
- VYM(米高配当)の残念な成績
ですが、9月の成績にフォーカスを当てると
- QQQは大きく下落
- VYMは比較的に安定
という実績も目につきます。
この状況について『株式投資』や『株式投資の未来』で有名な、ジェレミー・シーゲル教授は、
「パンデミック相場で急騰していたハイテク銘柄は、多くのトレンド投資家を集めていた。ハイテク株暴落が、いつか起きることは分かっていた。これは健全な暴落だ。」
と言い、どちらかというと『良い暴落(過剰な暴騰を避けた)』と捉えています。
今回の暴落によって
- 「ハイテク株はもう終わりじゃ!」と配当銘柄の人気が高まる
- 「大きく値を下げて適正な株価になった!」と再びハイテク株に人気が集まる
など、どのようになるか注視していく必要がありそうです。
今後の株価について
今後のイベントとしては、とにかく『米大統領選挙』につきます。
トランプ氏・バイデン氏の政策は『真逆』と言ってもいいくらい違っているので、恩恵を受けるセクター、被害を被るセクターが全く違います。
参考記事:【先取り】バイデン氏が米大統領になる前に買うべき株
いまだ、どちらが有利とはハッキリと言えない状況にありますので、大統領選の状況には注視していく必要がありそうです。
また、新型コロナの『新規感染者数の増加』は、いったん落ち着きつつあります。
が、”増加”が落ち着きつつあるだけで、大量の新規感染者を出し続けていることに変わりはありません。
よって、これからしばらくの間は、『新型コロナが経済へダメージを与え続けるターン』が続くことが予想されます。
しかし、新型コロナのワクチン・治療薬の開発への期待が高まっていることもあり、株価は順調に上げ続けています。
とはいえ、「やっぱりワクチン・治療薬は、簡単にはできないわー」となる可能性も十分に考えられ、その場合は『ふたたび株価の暴落』が発生する危険性もあるわけです。
というわけで、個人投資家がやらねければならないことは、
- 「出遅れないように今のうちに買おう!」と買い急ぐ
- 「2番底の前に逃げ切ろう!」と売りに走る
といったことをせず、冷静に市場を見つめながら自分の投資ルールに忠実に従うことしかありません。
とはいえ、以下グラフの通り、広い目線で見れば世界の株価は100年以上にわたり上昇を続けているのも事実です。
つまり、今後暴落が発生しようとも、しなかろうとも
- 大きくとらえれば”今”が最も安く株を購入できるチャンス
と言えるわけです。
というわけで、本ブログの筆者ひょしおんぬは、
- 生活防衛費を残した余剰資金の全てを投資する
というスタイルを今後も継続していき、将来のリターンに期待したいと思います。
関連記事:積立インデックス投資にナンピン買いは不要【資産を最大化するためのヒント】
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